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卒業設計コンクール準備ガイド【せんだい・赤れんが・デザレ・JIAetc】

こんにちは。2023年度に建築学科を卒業したひらまつというものです。

この記事は建築学科の伝統(?)と化している、全国規模の卒業設計のコンクール・展覧会【※】について、出展経験者の立場で情報を求めている後輩に宛てて書いたものです。
卒計コンクールは運営スタッフの多くが学生ボランティアで賄われています。審査員の方も含め、出展学生以外にも多くの人の尽力で成り立っている、ほかの学科にはない貴重な文化だと思います。また、さらに出展者サイドは交通費・模型輸送費など結構デカい出費がおまけとして付いてきます。コストがかかることなんだから、事前にもう少し情報が欲しい人も多いはずだ、と考えて出展者目線で書いたレポートとなります。早速ですがこの記事の内容について説明します。

【(その前に)ここでいう卒計展】
卒計展(総称してそう呼びます)のうちのいくつかは、その歴史と審査員の豪華さ等から全国規模で行われる大型のものがいくつかあり、当記事はそれについて記載しています。流れとしては概ね、事前審査を通過した人が展示を行い、それを建築家をはじめとする専門家が審査員となって1次、2次と入賞候補作品を絞っていき、入賞作品を決定していくものが多いですね。小規模のものや、歴史があたらしいもの、卒計展を立ち上げることなどについての情報は含まれていません。

この記事について

・この記事の内容:各地で毎年年度末に行われている卒計展について出展者側の視点からレビューする。

・この記事の構成:各章は、トピックについての内容+チェックポイントという構成になっています。結構長いので基本的にチェックポイントだけ見てもらえばOKです。

・この記事の意図:どれに出展するか悩んでいる・一次は通過したけど、このあとどうなるの…?・出したいけど周りに聞ける人がいない!という疑問に答える。純粋にこれから出展するという人に向けて書きます。私がもう一度卒計をすることはないので、どうせだし、得られた情報は全部放出したい!というのも個人的な動機です。

・この記事の注意:内容はすべて私の経験談に基づきます。そのため、まず2023年度の情報であること・個人の感想も含まれることを留意してください。また、日付に関しては自分のメモと記憶を頼りにしているので数日程度あやふやなところがあります。ごめんなさい!

個別の展覧会や個人を非難する意図はありませんが、内容に問題があると感じたら私の方に連絡ください。

私の出展スケジュール

この記事を書こうと思った動機のおよそ80パーセントを占めているのは、マジでキツかった3月から4月にかけての頑張りを何とか昇華したいという、気持ちです。これはあまりにも出展しすぎた人のスケジュールです。よかったら見てやってください。

私が出展(会場での模型展示と発表まで)したのは、
・所属大学
・diploma×Kyoto
・福岡デザインレビュー
・せんだいデザインリーグ
・赤れんが卒業設計
・JIA近畿(学校推薦):5月
・JIA全国:6月

(これ以外の卒計展もあります。ありますが、この記事で取り上げるものはあくまで自分が出展したもののみに留めます。)

2月

私の場合、大学の提出が2月17日でした。ほかの大学ではブラシュアップして2次提出する、みたいなことがあるそうですが、私の場合は2/17にいきなり展示・講評会という感じです。他大学の話を聞くと締め切りはかなり遅いほうのようでした。

2/2・福岡デザインレビュー1次提出
2/5・せんだいデザインリーグ1次提出
2/17・大学の提出・展示会期開始
2/21・赤れんが1次提出
2/23・展示撤収&搬入準備
2/24・diploma×Kyoto 搬入
2/25・diploma×Kyoto
2/26・同上
2/27・同上・仙台に模型が発送される

3月

3/1・福岡デザインレビューブック用データ提出
3/4・せんだいファイナル通過者発表&移動
3/5・せんだいファイナル審査
3/11・福岡デザインレビュー1日目
3/12・福岡デザインレビュー2日目
3/16・せんだいブック用データ提出
3/17・赤れんが2次提出物郵送
3/24・(卒業式)
3/28・赤れんがファイナル
3/31・近代建築ページ提出締め切り
4/2・実家にて模型受け取り

発表日以外も記入しているのですが、これには訳があります。
各コンクール、すべて提出の規格が違う!!!!!
提出するデータのサイズがA1横かA2二枚か、A3十枚か・・・・規格が違うだけで、パースや図面がいい感じに並ぶように毎回紙面を組みなおす必要が出てきます。さらに、1次審査と2次審査、ファイナルで求められるものが違うことも多いので、えらいこっちゃです。さらに、発表後、ブックの制作のためにデータ提出が必要なことも多く、締め切り地獄になります。
何もない日は基本的にずっとイラレ・インデザとにらめっこしてました。
つまり、提出後にブラシュアップする時間が取れない可能性があります。余裕のあるうちに理想的なプレボのイメージを固めてゴールを決めておくのがおすすめです。

私の場合、ここに引っ越し・大学院への入学準備が入ってきたので時間がかなりきつく、正直思うようなクオリティではないものを提出せざる負えなくなることもありました。

#たぐチェックポイント

・各卒計展ごとに提出物のサイズ・量が違う。コンクールごとに過去入賞作を見ておくと良い。注目すべきは使いやすそうなパースの縦横比率や構図です。
・イラレとフォトショの動く速度が律速段階。PCを買い替える可能性がある人は制作の段階のことも考えてメモリ16GB以上のものをおすすめします。(私は16GBを使っていましたがそれでも苦労しました…先日32Gに変えたのですが一万5千円以内で収まりましたので参考までに。)(また、パソコンは卒計を機に買い替えました。dellのg15を11万のセールです。めっちゃ重いですが動きはします。参考までに。)


模型どうなってんの問題(かかった運送費も発表します!)

複数の卒計展に出す場合、模型を輸送する必要が出てきます。私の場合は、京都→仙台→横浜と移動し、各大会間はスタッフさんが発送を担当してくださいました。

2/25日にDiplomaの会場でトラックに積む→
せんだい運営チームが指定した関西の営業所→
せんだいに届き、スタッフさんが開封・設営してくださる→
会期終了後、せんだいからスタッフさんが赤れんがに輸送してくださる→
赤れんが会場で模型に再会、開封作業→
会期終了後スタッフさんが輸送手配してくださる→
4月に模型が実家にトラックで帰ってくる

という流れに(結果的に)なりました。基本的は運営の方がメール等でお知らせしてくださるのでまず最初は言われるがままに、大会の数日前に指定の営業所に運べば大丈夫です。
会期終了後、模型がそのままかえってくるか、次の展覧会にいくかの分岐を繰り返していくイメージです。これらはスタッフさんと連絡を取って調整していけば大丈夫です。

つまり、自分でやらなければならないのは、①指定された近くの営業所に持っていく②受け取るです。模型がある場所から営業所までトラックを個人で手配するとお金が爆発するので、自家用車やレンタカー、もしくは出展する人たちでまとめてトラックを手配するのが吉です。卒計進めながらこれをやるのは大変ですよね。

ちなみに、福岡デザインレビューは卒計でない作品を出展し、夜行バスの荷物だなにもちこんで連れて行きました。(ので移動費のみ!)
また、JIAは全国・近畿ともに2023年度は模型なしの審査だったため、模型は提出する必要がありませんでした。

こんな感じの三辺合計250が2箱だったと思う。梱包は参考にしないでください。

それでは気になる模型輸送にかかった金額を発表します。(交通費別)

大学→Diploma:0円(備品輸送トラックに乗せてもらえたので)
Diploma(京都)→せんだい:15,000
せんだい→赤れんが(横浜):45,000
せんだい→赤れんが&赤れんが→実家:24,000

合計 ¥84,000
84,000円でした!ちなみに、サイズは三辺合計250が2箱だったと記憶しています。私の場合、おそらくこれでも安くついた方だと思われます。ま、の体の輸送費を入れると10万超えていますね。(恐怖)

赤れんがから実家が比較的安く済んでいるのは、赤れんがの運営の方針が、出展者全員で輸送費を割るというシステムだったのが理由です。(例年かはわかりません)また、仙台→福岡のような長距離輸送を行うと、もう少し高くつくかもしれません。私のは関西の場合ですが、場所によってさらに事情も変わってくるかと思います。また、自分で配送を手配した人のなかには運送会社で失敗したといっている人もいたので、要注意です。

人によっては賞金で賄えるのでは?という疑問も湧いてくるかもしれません。発表されていないので分からないところもありますが、1位でも10万円以上の賞金が用意されていることはなさそうです。もちろんないこともあります。1位入賞を繰り返し続けられたら可能性はあるのかもしれませんね。また、学会主催で企業スポンサーが入っていないものは経験上期待しない方がいいかと思います。

#チェックポイント
卒計展にどうしても出したいという人は、早いうちから模型の規格要件を見ておく。三辺合計など。(あまりに大きいと展示できない、運べない可能性があります。また、セメント等を使う人は重さについても考えておいた方がよさそうです。)
・模型の輸送箱は念入りに作る・天地無用や「ここをもってください」等メッセージをつける(どっかで破損する可能性が高いため)
・輸送は悪い噂を聞く運送会社は極力避ける(赤帽や日通等が良いらしいです)(sはよくないと聞きました。まじで壊れることあります)

各展覧会の出展者視点レビュー

本題に入る前に…!

この部分には各卒計展の情報を書いていきます。準備する際の参考になればと思います。
【特徴】
・他と違う特筆すべき点
【主観的レビュー】
・会場はどんな感じか・どういうものが映えるか+展示の写真
・1次審査(書類審査)のがんばりどころはどこか
・2次審査(展示審査)のがんばりどころはどこか
・3次審査(プレゼン・質疑応答)はどういうかんじか
・他の出展者・先生と交流する時間はあるか

Diploma×Kyoto

私の展示ブース

会場:みやこめっせ(京都市産業会)
運営:出展者

【特徴】
Diploma×Kyotoの最大の特徴は出展者が運営団体を結成し、1年かけて運営を行うところでした。参加者は関西一円の大学生に限られています。準備と卒計シーズンが重なるという大変さがあります。
審査員先生の配置も当日のルール設定も学生が行います。
出展人数が多かったため(140人以上いました)、展示許可サイズというものがあり、うっかり超過して1日目に注意をうけました…出展者が自分たちで運営しなければならないので、ルールには厳しい印象です。3日間あり、様々な先生に見てもらえたので、講評が面白く一番印象に残りました。
【主観的レビュー】
・1次審査:なし。運営のお仕事に参加すればだれでも展示できます。
・2次審査:人数が多いので、展示を見てもらえる時間が短いと思われる。引っ掛かかる展示の工夫+周回後に参照されるであろうポートフォリオの密度が必要かな?
・3次審査:時間配分と会場の広さのせいか、他に比べてゆったり話せた印象です。質問にはきちんと答え、議論されている内容を理解して話についていく必要があります。
・出展準備や撤収の時間もあるので、学生と交流する時間は十分にありました。それ以前の準備段階からエスキスしあったり、という機会も。また先生と話したい人は懇親会に参加すると良いかもしれません。

せんだいデザインリーグ


2022年度、例年通りの会場の場合の写真です。


ファイナル

会場:せんだいメディアテーク
運営:学生スタッフの方が丁寧に対応してくださいました。(他にも教授陣等運営にかかわっている方がかなり多い印象です)
【特徴】
会場・審査員先生ともに豪華で、過去のオフィシャルブックがよく出回っている知名度の高い大会。日本一決定戦をうたっています。2次審査は大人数の先生が審査しますが、3次審査は少人数の先生で行われました。また、私の年はイレギュラーでメディアテークの1階で入賞者作品のみを並べて審査・展示期間は違う会場で展示となっていました。また、終わった後に少し運営スタッフと話す機会があったのですが、大会や出展者のことについてよく考えてらっしゃって印象的でした。
【主観的レビュー】
・1次審査:ページ数が自由のポートフォリオ提出だったはず。提出締め切りが大学締め切り前の人は結構締め切りがシビアかも。ポートフォリオなのでストーリー仕立ての語り方で表現できるのが他にないところですね。
・2次審査:指示書を書いて模型をスタッフに置いてもらい、前日の夜9時ぐらい?に結果がでて、電話連絡が来るという形だったので不明です。ごめんなさい。ポーフォリが結構見られてたみたいです。
・3次審査:審査員席が遠くモニターがデカいせいか、かなり緊張感がありました。また、模型が地面に置かれるせいか、プレゼンの重要度が高かった印象です。覗き込むような模型はモケシャを貼るなど工夫がいるかもしれません。また、規模が大きいこともあってか、ストーリーがあるコンセプトのものや見たことのない切り口で展開するものが目立つ印象です。私の時は司会の先生が仕切っており、学生が自由に反論させるというより、先生同士の議論が盛んな印象で、話せる時間が少ない分一般性や明快さを求められる傾向にあったと感じています。
・私が参加した年は他大の学生と交流する時間はほぼありませんでした。特にファイナルに残らなかった人の中にはゼロの人もいたかも。終わった後に先生とは数分話せました。

福岡デザインレビュー(design review)

一次の展示ブース(私は卒計でない作品を出展しました)

会場:福岡の大学(年によると聞きました。)
運営:学生スタッフの方が丁寧に対応してくださいました。(他にJIAがかかわっているようです。)
【特徴】
模型を持っていくのがちょっと大変ですが、展示の自由度が高く、天井からつるしている人とかもいました。全体的に和気あいあいとした雰囲気で人と話すのがとても楽しかった記憶があります。また、卒計を出す人が多いですが、B4でなくても、卒計でなくとも出展できます!
【主観的レビュー】
・1次審査:A31枚なので出しやすい。出せるものが少ない分、密度感は重要だと思います。
・2次審査:審査員先生が一人ずつ展示の前に来てくれて、3分程度(?)話す時間がある。距離が近く、見てほしいものを確実に見てもらえる。模型なしの人も時々いました。
・3次審査:年によるのだろうけど、大学の講義室にてテーマが近い2名が壇上に上がり、比較しながら議論するスタイルでした。自分の作品だけでなくて、場の流れを考えながら受け答えする必要があるし、壇上に上がれたのに自分のターンが全然回ってこない人もいたようです。説明が分かりにくい人に時間が割かれがちなシステムではあると思います。逆に言えば一言では言いにくいような作品を出展しやすい稀有な会だなと思いました。
・学生同士はめちゃくちゃ交流する時間がありました。また、福岡なので先生も泊りできており、1日目の終了後にもその気になればプレゼンできる可能性があるかも。誰にも伝わらずフィードバックももらえないということが起こりにくい展覧会だと思いました。

赤れんが卒業設計展

ごめんなさい…ばらした後の写真しかなかった…

会場:横浜赤レンガ倉庫
運営:学生スタッフの方が丁寧に対応してくださいました。
【特徴】

【主観的レビュー】
・1次審査:A2か忘れましたが、1枚なので出しやすい。縦指定だったのでレイアウトが難しかった記憶があります。そのせいか、パースやボード全体の完成度が高いものが多く残っていた印象です。
・2次審査:審査員先生が展示会場を巡回して、質問してくれたりしてくれなかったりします。ライティングや周りとのかねあいを見て自分で展示を調整することができました。また、目の前に先生がくるので、小さい小道具やキーになる言葉があると有利かも。
・3次審査:壇上に立つのは学生のみで、先生は下から見てた気がする。倉庫ということで会場は暗く、スポットライトが模型と登壇者に当たるので、素材感のある模型はめちゃくちゃ見栄えがした印象があります。
・そこそこ学生同士は交流する時間がありました。また、全部終わった後にも先生が展示会場を回る時間が確保されており、質問タイムがスケジュールに組み込まれているのが良かったです。

JIA近畿

会場:オンライン
運営:JIA近畿
【特徴】
主催がJIAで、大学から推薦されないと出展できない。
オンラインだと模型写真が必須になるので、撮っておくのがおすすめです。1次審査はポートフォリオの提出、2次審査はプレゼンでそのままディスカッションでした。聞くところによると、東京支部は先生も豪華で人数も多く、さらに対面だったらしいので年や地域によってかなり差があると思われます。

JIA全国

模型なしでした。手前のがA3ポートフォリオです。

会場:建築家会館(東京)
運営:JIA

【特徴】
主催がJIAで、JIA近畿の1次審査が実質出展要件になっていた。地方によって異なると思われる。模型なし・対面審査ということで、1次は巡回する審査員に対してポートフォリオで説明する形。3分程度持ち時間があり、鋭いコメントが多くて緊張した記憶があります。対話形式で進むので、レスポンスがもらいやすく1次審査だけでもかなり充実感がありました。2次審査のプレゼンは短めで、そのままディスカッション、入賞者決定という流れでした。学生と話す時間は結構ありました。

#チェックポイント
同じものを出展しているつもりでも展示形式や会場広さ明るさ、隣の人との兼ね合いで見え方は変わる。また、主催者の立場や審査員によって選ぶ基準は変わる。可能な限りそれらを察知して戦略を練れると賞が近づくかも。


卒計コンクールに出すメリット 


最後に私が感じた出展したことのメリットを紹介します。(.就活など将来的にどう役立つかはまだ分からないので含めません)

1.同い年の頑張ってる人たちに会える

展覧会によっては、他大学の人と待ち時間で話す時間が十分にあるものがあります。情報交換やモチベアップにつながるし、何よりおしゃべりは楽しい
ので、意外にも私にとっては一番といってもいいほどのメリットでした。展覧会で知り合ったことをきっかけにコンペを一緒に取り組んだという話も聞いたことがあります。
あと、審査がyoutube 配信されているコンクールで壇上に上がると、後日あの〇〇さんですか?みたいな感じで時々声をかけてくれる人がいて、とっても嬉しいし、話すきっかけになります。

2.先生と直で話せるチャンスがある

大抵のコンクールがそうですが、終わった後が一番聞きたいことを聞けるチャンスです。私の場合は作品をA3にまとめた冊子を必ず鞄にしのばせていました。最後まで選ばれなくても、粘れば講評してもらえる可能性が高いです。また、進路に悩んでいる人は思い切って聞いてみるというのも場合によってはありかもです…。1次を超えないと会場に行けないコンクールもあるので、そこを超えれば大抵このメリットはあると思います。

3?評価は水物であることがわかる

自分の作品に対してもある程度ドライに見れるようになってくると思います。

#チェックポイント
出すといろんな人と交流する機会を得られる。自分の求めているメリットに合わせて会がお開きになった後も動きましょう。


さいごに・・・

ここまで読んだ人はお疲れ様でした…!
これはあくまで個人的な視点から見たものなので、うのみにしないで、分からないことは運営の方に問い合わせるようにしましょう!

↓おまけ↓

ここまで読んでくれた人向けに、おまけとして私が得たコツみたいなものを共有します。

卒計展というのは他のコンペと違うところが多々あります。6つのコンクールを経験して、さすがにいくらかコツを得ました。私はもうこれらを使う機会がないので、ノウハウをメモしたものを覚書として共有します。おまけです!

1次審査を抜けるために・・・
・絶対に密度感で見劣りしないようにしておく。手書きのパースは個性をアピールしながら情報量を増やしやすい。あとは枠を作ったり、背景に色をいれたり、小手先の工夫も時に効くと思います。
・タイトルは大事!端的で個性的なタイトルをつけよう!
・なんだこれ?と引っ掛かるコンセプト模型・パース・ダイアグラムを一個忍ばせると記憶に残りやすい。
・A3提出のものは字の文字4~3.5pt、それ以外なら5pt程度。
・動画等表現手法を工夫できると強い。QRコードとか貼るのも手。
・色使いで遠慮しない。彩度低めに仕上げる場合、隣にカラフルなボードを置かれる可能性を考えてデザインする。また、見る人とボードには距離があるのであまりに細い線は要注意。
・SNS等から1次審査の様子をリサーチして、審査に使われそうなフォーマットで映えるように調整する。マット紙か光沢紙かでも違う。私は好んで普通紙使うこともありました。一回印刷して見る時間を作る!
・提出要件が何枚でもいい時はゆとりをもって読みやすく、絵本風に。私はA340枚のポートフォリオが基本単位でした。A3ファイルは基本20ポケット以上は売ってないと思うので40がマックスかなと思います。(後で聞いたら10枚程度を鬼密度で洗練して選ばれてる人もいましたので、参考までに。


2次審査を抜けるために・・・
・基本ボードを読む時間はないので、ボードは文字に凝りすぎず、ビジュアルやとっつきやすさを優先する。
・審査員巡回がある場合、その場で話しすぎない。1トピックに抑える。早口で全部のことを言ってもつたわってないなら仕方がない。
・極力カンペは読まない。会話形式で伝えるようにする。ここまで大丈夫ですか?どう伝わってますか?など、質問するとリズムを作れる。
・思ったことや考えたことなど等身大の感情を伝えた方がよい。
・先生によって話し方を変えた方がよい。特に敷地が地方の人は先生が敷地を知ってそうな人かどうかで変えた方がいいと思う。敷地を知っているか聞くのも一つの手。
・できれば模型を手に持ったり、見てほしいところを間近で見てもらえるように流れを作る。
・模型の見え方はライティングや隣との兼ね合いにもよる。一番すっきり見えるように向きなどを変更する。
・声を張る。対面だと意外に小さくなりがち。
・友達と話し込んで集中力が切れがちなので、注意です。

ファイナルで賞に残るために…
・急に選ばれるかもしれないので望みうすでもカンペは絶対に作っておく。原稿は絶対にあった方がいいと思います。
・プレゼン時間と、質疑の時間は必ずチェック。質疑とプレゼンで話す内容をあらかじめ頭の中で分配しておく。
・可能なら会場だったらステージ上で動き、指をさしたりしながらプレゼンする。マイクをどこまで動かしていいかを事前に把握しておくと良い。
・少なくとも絶対に1つは今までの段階で出てきていない新情報を入れる。これは2次で上位通過したときにこそ思い出してほしい。概念的なレベルの話を膨らませるのも手。
・プレゼン時間が短くて言えることが少ない時は一応スライドを多めに用意しておき、質問ターンで補足資料として使う。
・知らない先生がいたら必ずネットで調べておく。
・プレゼンでは話せないけど、質疑で絶対これは言いたい、ということを2つか3つ決めておく。
・チャンスがあったら積極的にマイクをとって、できるだけ質問内容にきちんと答える。だけどまともに質疑時間が十分にない場合は、質問を無視してでも言うべきことを言うという戦い方もある。
・先生が言いたそうなことや言ってほしそうなことをできるだけ察する。違うといわれたら、「すみません、もう一度チャンスをください」で切り替えすのも手。でも言いたくないことは言わない方がいいよね。
・マジで負けそうなときは捨て身ででしゃばる。特に誤解されていると感じたときは頑張りどころと思って訂正にかかった方が、のちの後悔も少ない。(というのが私のやり方でした)
・当たり前だけどコンクールの運営主体によってもえらばれやすい・にくい作品がある。また、私は審査員長が有名な建築家先生の場合、意外性のあるユニークな案が1位に選ばれやすく・審査員の発言力が比較的均等な時は優等生的な案が多いのではないかと分析しております(個人のぼんやりしたイメージです)。
・時間の都合を理由に、学生の発言をさえぎってくる審査員が仕切ってる議場の結果は気にしない。
・明らかに審査員の権力勾配の関係で割りを食ったときも結果は気にしない。こっちは別に審査員のために作品作ってんじゃないしね。

その他お役立ち情報
・模型写真は何とかして撮っておく。
・大学で展示した写真とかも撮っておく。(ポートフォリオに使える)お願いしてプレゼンの写真とかもあると使えると思います。
・名刺を作っておくと配れるかも。ポートフォリオを持っていくのも吉。
・運営の方はめっちゃ大変そうでした。感謝して、メールの返信は素早くやりましょう!!


以上です。ぜひ、うのみにせず、自分に有益そうな情報だけ持ってってください!


この記事に関する連絡、ご質問は、ツイッター→@pyrite106まで。

感想もお待ちしています。

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