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36歳独身、特技バルーンアート

お笑い芸人を志したのは大学3年の時だったろうか。
同級生であり親友だった今の相方がお笑い芸人を目指していたので、その夢に便乗した形だ。
僕にとっては何でもよかった。
相方が漫画家を目指していたなら、キン肉マン作者のゆでたまご先生の様にコンビで漫画家を目指していたかもしれないし、バンドマンを目指していたのであれば、一からギターを始めるくらいはしたかもしれない。
僕にとって大学3年生、20歳という時代は、まさに「青春」という病に冒されていた。
楽しければ何でもいいわけではない。
自分のやることに何かしらの意味と、必要性と、そして承認欲求が満たされることを欲していた。
今思えば、その青春病に抗うことなく、身を委ねたことに何の悔いもないし、むしろ良かったと思っている。
僕は今芸人をしている。

芸人を初めて6年ほど経ったころ、本気で芸人を辞めようと思ったことがある。
27歳くらいだったか。
お笑いは楽しいし、続けていきたかったが、迫りくる30歳という壁が、当時は何故だか途方もなく大きく見えて、将来への不安と自分の夢とを天秤にかけていた。
今思えば、これも青春病の一種に思える。
30歳などというのは大きな壁でもなんでもなく、ただの誕生日にすぎない。
何よりもお笑いという職業が「仕事」ではなく「夢」であること自体が、あまりにも脆い存在である証拠なのだ。
将来への不安と天秤にかけられるほど「芸事」は軽くない。

お笑いで仕事がしたい。
仕事とは金銭を得ることだ。
お笑いで自活がしたい。
自活とはやはり芸で金銭を得ることなのだ。

そんな時に僕はバルーンアートに出会う。
吉本のベテラン芸人、松下笑一さんと仕事をご一緒させてもらい、人生で初めてバルーンアートを目にする。
厳密に言えばどこかで見たことがあるのかもしれないが、全く記憶にない。
人間というものは不思議なもので、自分に必要ではないという情報を無意識にシャットアウトしている節がある。
何かしらの芸を身につけたいという欲求が、僕の目と心をバルーンアートに着目させたのだろう。
さらに言えば、僕の持つ凡庸な心に強烈な一剣を突き刺した松下さんの芸こそが一流である証でもあるのだ。

芸人として同じことはできないな。
そう感じた僕はバルーンアートに変わる何かを求める。
ジャグリングやマジックなどに触れてみるもののいまいちピンとこない。
一番興味があったのが紙切りだ。
3代目林家正楽師匠の紙切りに感動を覚え、見よう見まねで紙切りに触れてみたが、そんな簡単に出来るはずもない。
僕は意を決して松下さんに弟子入りを志願する。
バルーンアートから得た衝撃に勝るものがなかったからだ。
現代芸人社会において師弟制度などというものは遺物のように扱われるが、個人的には大切な文化であり、重要なものであると感じている。

バルーンアートの修業期間は、時に楽しく、時に苦しく、峻厳であり温かくもあった。
またいつか書きたい。
そして今も修業中であることは肝に銘じておきたい。
まだ道半ばだ。

2011年の冬にバルーンアートを始め、2015年にバルーンパフォーマンスの全国大会で優勝をする。
もっとバルーンの勉強がしたいと、2016年に日本を代表する風船の卸業者「エミリーズバルーン株式会社」が主催する「エミリーズバルーンアートビジネススクール(最上級)」を卒業。
2017年には世界最大のアメリカのバルーンメーカー「パイオニアバルーン社」が主催する「CBA世界公認バルーンアーティスト」試験に合格し、資格を取得する。
2018年と2019年にはバルーンアートの全国大会でインストラクター、コンテスト審査員を務める。

非常に仰々しく大げさな書き方をしたが、これが僕の現在のプロフィールだ。
何度読んでも仰々しい。
嘘ではなく、大袈裟でもなく、事実のみを書いているが、どうも恥ずかしい。
さっきも書いたように、まだ道半ばで、もっと言えば僕よりバルーンアートが上手な人なんてめちゃくちゃいる。
自分が得意としているのは、バルーンを使って面白いことをやること。
そのための試行錯誤はきっと誰よりもしてきたという自負もある。
でもまだ道半ば。
やりたいことはもっとある。
もっとうまくなりたいし、もっと面白くなりたい。
厳密に言えば、もっと面白いことをするためにうまくなりたいということだ。
僕の青春病はまだ治る気配がないのだ。

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というわけで、そんな僕が講師を務める「JBANオンラインバルーン教室」が開催されます!

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◇蓮華ちゃんだいクラス(初級)スケジュール
8/8(土) 13:30~14:15
8/15(土) 13:30~14:15
8/22(土) 13:30~14:15
8/29(土) 13:30~14:15

◇内容
8/8、8/22「初心者からのステップアップ!〜パンダを作ろう〜」

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8/15、8/29「初心者からのステップアップ!〜イルカを作ろう〜」

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◇料金
1500円

◇資材について
すでにバルーンやポンプをお持ちの方は、教室チケットの購入のみで結構です!バルーンやポンプをお求めになりたい方は、下記リンクより、申し込みと共にご購入できます。

◇教室について
今回は初級レベルということで、自宅でバルーンアートをやったことがあって、犬やクマ、剣などを作ったことのある方が、もう一段ステップアップしてみましょうという内容です。なので全く初心者の方は、ぜひ一度バルーンアートを経験してみてください!今はYoutubeなどにたくさんのプロの方が、バルーンの膨らまし方や結び方、作り方を載せてくださっています。(僕も今後ぜひチャレンジしてみたいですね)当日ご用意いただくものは、バルーンとポンプ、あとはZOOMをインストールしたパソコンorスマホです(教室を見ていただきながら制作を進めていただくので、Webカメラは不要です。)

◇お申し込み
https://jbanschool.stores.jp/

よろしくお願いします!



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