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36歳のはじめて

前回のnoteが思ったよりも暗くなってしまった。
さすがネガティブ。
自分でも辟易してしまう。

ただ強がりではなく、今のこの自粛期間、結構楽しく生きている。
一番大きいのは新しく始めたアルバイトだ。
知り合いの飲食店に拾ってもらい、36歳にして初めて飲食業のアルバイトをしている。

思えば初めてのアルバイトは大学入学したての18歳の時にやったコンビニの夜勤だ。
時給は930円だったろうか。
廃棄を食い漁って大学4年で17kgの増量に成功した。
青春時代としては失敗だ。

大学を卒業してすぐに芸人デビュー。
こじんまりとしたレンタルビデオ店にてアルバイトを始めた。
時給は740円。
ただこの店は規模がこじんまりとしているだけでなく、来客数も売り上げもめちゃくちゃこじんまりとしていた。
クソ暇だった。
防犯カメラの録画用ビデオデッキからテープを抜き、古今東西あらゆる映画を暇つぶしに見ていた。
世界の映画祭の受賞作品リストを自分で作って、リストにチェックをつけながら見ていた。
もちろん仕事サボっているわけだから内緒だ。
でも僕以外にバイトはいないし、バレようもなかった。
しかしそんなある時、突然ビデオデッキが壊れた。
内緒で見ていたはずのビデオテープが取り出せなくなった。
恐る恐る店長に報告し(もちろん多種多様の嘘を交えて)事なきを得たが、その時取り出せなくなった映画が、バックトゥザフューチャー2であったことだけは覚えている。
名作でよかった。なんとなくだが。

そんなこじんまりとした店舗だった為、案の定1年後に潰れた。
潰れたというか元々社長の趣味だったそうで、最後の挨拶の時も社長は上機嫌だった。

その後コールセンターでバイトを始める。
時給は1100円。
740円の時給でただただ映画を見ていた僕にとって、一気に大人の階段を登ったような感じだった。
結局このバイトは7年続ける。
先日まで人生最後のアルバイトだったと思っていたバイトだった。

そして今飲食店。
この情勢で非常に苦しいであろう経営の中、僕の状況も理解した上で雇ってくれた。
ありがたい。
ただ初めてのことだらけ。
人に水を汲んだこともロクにないし、人が食べた食器を片付けることもほぼ初めてなんじゃないか。
冷水で雑巾を絞る時に自分の指を見て、この前までバルーンひねってたんだなと、ふと思うこともある。

ただそれでも、僕には目標がある。
目標があればそれは我慢ではなく、今の状況を、環境を、笑って楽しめる余裕が出来る。
現に今は楽しい。
まかないを作ってくれるスペイン語圏の外国人シェフに、何とかお礼を伝えようと、Google翻訳を駆使してスペイン語でお礼を言うと喜んでくれる。
「グラシャスポラコミナーエスタバデリシャス」
(美味しかったです、ありがとう)
間違っているかもしれないが伝わっている。

このご時世、お客さんの入りが悪い時に大声で「アブリード!!」(暇だ!)
と叫ぶと、皆笑う。
「アブリード!!テンゴアンブレ!!」
(暇だ!腹減った!)
と言うと、外国人シェフが大爆笑だ。
爆笑王ちゃんだいの誕生だ!

そのせいか、心なしか他の人よりまかないの量が僕だけ多い。
気のせいじゃなかったと気付いたのは体重が3kg増えた時だった。。。

ともあれ元気でやってますよ。

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