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【年間ベスト】2023年 年間ベストアルバム10選

2023年のベストアルバム10選です。

聴いた新譜は少ないですが、日常の支えになってくれたアルバム、人生におけるリスニング体験に刺激を与えてくれたアルバムに出会えた気がします。

では、さっそく10位から紹介します。


10. ザ・クロマニヨンズ 『MOUNTAIN BANANA』

ザ・クロマニヨンズの16thアルバム。

まぁいつものクロマニヨンズです。いつもとやってることが同じなので、取り立ててベストアルバムに選ぶほどでもないよな〜と思うんですが(笑)

2023年はミュージシャンの訃報が続き、その度に喪失感や(彼らに会えるのもあと何回あるんだろう…)という心配がよぎったりしたんですが…
クロマニヨンズのいつもと変わらないロックンロールが鳴ると、一瞬で“心配停止”する。彼ら、本当に無敵なんじゃないかって思えてくる。

2023年、様々な状況が変わっていくなかで、変わらない彼らだからこそ輝きを放ったアルバム。最高の生命讃歌。


9. John Cale 『MERCY』

元The Velvet Underground、John Caleのソロ作。10年ぶりの新作になるそうです。

Weyes BloodやAnima Collectiveといった後輩たちを迎え、御年80歳とは思えないほど感性が研ぎ澄まされた意欲作になってます。もはや悟りの境地。

気候変動や現代社会への不安。夜の都会を徘徊するような電子音に艶めきや血生臭さもあり。
日々の労働で疲労した身体に染み入るダークチル。


8. Billy Nomates 『CACTI』

イギリスのシンガーソングライター、Billy Nomatesの2ndアルバム。

ローファイなベースとドラムマシン、チープなシンセ。そこに怒りを乗せたハスキーな声。彼女の一筋縄ではいかない芯の強さが表れたポストパンクです。
聴き終えてもクセのあるメロディがずっと頭の中に残ってて、中毒性のある1枚でした。

低コストなステージ、その身ひとつで表現するパフォーマンスも釘付けになります。


7. Beirut『Hadsel』

アメリカのバンド、Beirutの6枚目アルバム。

世界を横断しながらその土地の空気を音楽にパッケージしていくBeirut。今回はノルウェーが舞台で、ハッセル島の教会にあるオルガンを用いて制作されたそう。

日々忙しく生きてると、北欧の時間的豊かさに憧れを抱いちゃうので… ノルウェーの自然や街並みを想像させるサウンドスケープが旅気分を味合わせてくれます。

海を映しただけで、何も起こらないMVも良い。日常の中でこういうボーッとした時間が必要。。。


6. boygenius『the record』

ジュリアン・ベイカー、フィービー・ブリジャーズ、ルーシー・ダカスによる3人組USバンド、boygeniusの1stアルバム。

3人の歌声とスピリットが共鳴すると、心細さもどこかに消えて内側からパワーが漲ってくる。

今年は個人的にもSadなインディーポップ/ロックを聴く傾向にあったし、特にboygeniusは男性優位な社会構造に中指を立てる威勢、クィア女性の躍進としても注目度が高く、2023年を象徴する1枚だと思い選びました。

↓ ふぅ… This is エモーショナル…



5. Gorillaz『Cracker Island』

デーモン・アルバーンの別プロジェクト、Gorillazの8枚目アルバム。Thundercat、Tame Impala、Bootie Brown、Bad Bunnyなど、今回もたくさんのゲストを迎えています。(しかし、BlurとGorillazをマルチタスクでやるデーモンにはマジで驚かされます…)

過去にも”島”をモチーフにしたアルバムは(Gorillazに限らずソロでも)出してるけど、今回もハマってます。バカンス的な緩さもあり、踊れる曲もあり。そしてカルト宗教を題材にしてるところも、今の日本に妙にリンクしていたり…

1番テンションが上がったのは、MVやコーチェラでも披露した拡張現実ライブ!長年妄想してた光景が現実に…!時代がGorillazに追いついた感じがします。

今1番ライブを見たいバンド。2024年こそ来日してほしい!(ソニックマニアで何卒...!)


4. James Blake『Playing Robots into Heaven』

イギリスのシンガーソングライター、James Blakeの6枚目アルバム。

身体の深部まで届くビート、天国と交信しているかのような電子音。グルーヴ感のある「動」と、瞑想的な「静」とのコントラストに没入できるエレクトロアンビエント。
退廃的で未来的で神秘的で、音の世界観そのものなジャケットにもすごく惹かれました。こんな音楽聴きたいなぁ…に出会えたドンピシャ好みなアルバム。

睡眠導入前のBGMとしてもぴったりで、それ用にアレンジしたバージョンもお世話になってます↓


3. Blur『The Ballad of Darren』

イギリスを代表するロックバンド、blurの9枚目アルバム。なんと、8年ぶりの新作だそうです。

デーモンのソロワークの延長線のようにも聴こえるけど、グレアムの捻くれたギターが鳴るとblurの音になる!避暑的なバラードに今の世相を俯瞰した歌詞はまさに現代版ブリットポップ。

そして、90年代UKロックに強い憧れを持ってる人間として、サマーソニックで生のblurを見ることができたのは本当に貴重な体験でした...!ずっと妄想してた『Song2』や『Parklife』のシンガロングが現実に...!

まるで休日のお父さんのようなダラけた風貌をしてるのに(失礼)、メンバー同士のちょっとした掛け合いに若返って見える瞬間があってトキめいちゃうなど、、、
30年分を駆け抜けたパフォーマンスを体験し、自分もリアルタイム世代になれたんだと感激。
懐メロバンドではなく、現役バンドだと見せつけてくれました。

↓キャ~~~~~‼︎‼︎🏊‍♀️🏊‍♀️💙💙💙💙


2. Team Me『Return to the Riverside』

ノルウェーのインディーポップバンド、Team Meの4枚目アルバム。

ノスタルジックで、Team Meらしいキラキラした音色に心癒されます。しかし、歌われているのは過去への後悔、未来への不安...

このアルバムがリリースされた時期は特に忙しくて。いわゆる(北欧に憧れがちな)丁寧な暮らしを提案する仕事をしてるけど、提案する側が全然そんな暮らしできてない。

そんな忙しなく過ぎていく時間のなか、内省的な歌詞を通して自分を見つめたり、情景を想像することで深呼吸できたりと、私にとってセラピー的役割を果たしてくれた1枚でした。2023年、すごく支えになってくれました。


1. Mr.Children『miss you』

国民的バンド、Mr.Childrenの22枚目アルバム。人生で一番長く聴いてるバンドです。

これが最後のアルバムでもいい。

こんな感想を抱くなんて初めてのことなんですが、2023年どころかミスチルキャリアの中でもトップにくるほど好きなアルバムになりました。

(ミスチル好きすぎて自分語り多めな感想文です。。。↓)

まず、私がミスチルに期待していたことが、期待以上に反映されていました。

前作『SOUNDTRACKS』を聴いて、次回はどんな方向性に行くんだろう?と想像した時に、「もうタイアップは若手アーティストに任せて、縛られることなく自分たちのやりたい音楽を追求してほしい」という想いが湧きました。
それがなんと、タイアップが1曲もない、全曲初お披露目のアルバムをリリース。他の作品や物語の付加解釈なしに彼らの新曲に向き合えること、それがまず嬉しかったです。

さらには、自分たちが牽引してきたJ-POPから脱却し、昨今のインディーシーンに接近。ファンたちが作り上げてきた”僕たち私たちのミスチル像”をも取っ払ってしまいました。

これに戸惑いを感じたファンもいると思うんですが、個人的には”今の桜井さんの素顔”、”等身大のミスチル”が見えてくる気がして、過去のどのアルバムよりも1番ストレートに響いてくるような印象を受けました。
そして30年バンドを続けてもなお現状に満足せず、今の空気を吸い込み、感度を高めようとしてる姿勢が繊細かつ刺激的で。

「やっぱりミスチルって良いよね」じゃなくて、「ミスチルってまだ進化できるんだ!凄い!」と、期待を越えてきたアルバムです。


そして私的「優しい驚き」に満ちていたのが、"ミスチルを原点に始まった私のリスニング体験が、ミスチルに回帰したこと”です。

そもそも私にとって、音楽を聴き始めたきっかけがミスチルでした。中でも一番惹かれたのが1999年リリースの『DISCOVERY』。これが結構洋楽から影響を受けたらしいアルバムで、そこから洋楽に手を伸ばすようになったのがミスチル以外を聴き始める音楽の旅の出発地点でした。

その旅の先々でいろんな音楽を知り、ミスチルとは随分遠いところに行ったりもしたと思うんだけど、好きになった音楽たちを連れて戻ってきたら『miss you』がいて。初めて会うのに、どこか馴染みのあるような顔ぶれ。
ミスチルから始まった私の音楽体験がまたミスチルに戻ってきたような、そんな出会いと再会が詰まったアルバムを届けてくれたことがまさに「優しい驚き」で満ち溢れていました。

優しくて、刺激的で、新しくて、懐かしくて、飽きることなく満たされるアルバム。

まだまだ聴き足りないですが、聴き込むほどに新しい出会いも始まる気がして、ワクワクしています。


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