JESC、JEAC、JEAGの違いは分かりますか?
設計根拠を設定する際によく登場する電気系の民間規格のJESC, JEAC, JEAG。紛らわしいですよね。ここでは難しい説明を省いて簡単にイメージできる解説をします。
まず、それぞれの日本語名は、
・JESC:日本電気技術規格(Japan Electrotechnical Standards and Codes )
・JEAC:電気技術規程(Japan Electric Association Code)
・JEAG:電気技術指針(Japan Electric Association Guide)
であり、読み方としては、JESCはジェスク、JEACはジアックとかジェック、JEAGはジアッグと呼ばれています。
JEACとJEAGの違いは日本語の通り、規程と指針です。
・要求事項が規程
・推奨事項が指針(ガイドライン)
とざっくり覚えると簡単にイメージできると思います。したがって、規程であるJEACの方が重みがあります。
そして更に紛らわしいのがJESCです。JEACが日本電気技術規格委員会で承認されると格上げされてJESCになります。JEACに限らず他の民間規格も格上げされるとJESCになります(ややこしくなるので他の民間規格については触れません)。ですのでJEACが格上げされた場合は、同じ規格でJESCとJEACの二つの名前を持つことになります。ただ格上げではなくJESCとして作られる場合もあるようです。
JESCは電気設備の技術基準の解釈に引用される規格です。したがって、民間規格ですが法令の補足的な役割を果たしており、技術基準の適合性に使われる重要な規格と位置付けられます。
一方、JEACやJEAGは原子力の技術基準の解釈でそのまま引用されています。JEACやJEAGの規格の数としては原子力関係が一番多くを占めています。よって、こちらも法令に引用される重要な規格と位置付けられます。原子力は何故にJESCを経由しないのかは謎です。
電気設備の技術基準の解釈に引用されている規格は、JESCの他にもJIS、JEC、IECがありますが、これについては別途解説したいと思います。
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