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ブラック企業の見分け方

政府による働き方改革、世代の交替、労働者自身の意識の変化、情報の流通量が爆発的に増えたことなどにより、ブラック企業はだいぶ減ってきていると思うが、まだまだ多いのが現実ではないだろうか?

ブラック企業の見分け方には大きく分けて2種類あると思う。
公式情報と非公式情報だ。

まずは、公式情報で、法令を違反したことが明らかになった企業。

政府公式情報
厚生労働省がホームページで公開していることはご存知だろうか?
以下は厚生労働省労働基準局監督課(掲載日:令和5年12月28日)の内容で、各都道府県労働局が公表した内容を集約したものだそうだ。

労働基準関係法令違反に係る公表事案(令和4年12月1日~令和5年11月30日公表分)
https://www.mhlw.go.jp/content/001150620.pdf

内容を見ると、労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法の違反でも、労働安全衛生法の違反が断トツで明らかに多い。
安全配慮義務を遵守していないといいうのは、命に直接関わる重大事案だ。

こういう企業が現実に存在していることを知り、最初から近寄らないようにすることは自分の命を守ることにもつながる。

もちろん、公開されているブラック企業は氷山の一角で、隠れブラック企業は他にも相当数あることは想像に難くない。有名と言われる企業にも多いはずだ。

財務情報
上場企業は財務情報を公開しているし、株価も判断の情報となる。
非上場企業は残念ながら不明だ。
これらの数字が低迷すると、社内の余裕もなくなり、労働環境や条件がブラック化しやすくなる可能性があるだろう。
ただし、財務や株価が良ければブラック労働がないという保証は全くない。
ブラック労働によって支えられている数字の可能性もある。

ホームページ
いまどき、ホームページをもっていない会社はないだろう。
ホームページをもっていないからブラックというわけでもないが、ブラックの可能性は高くなる。
また、貧相なホームページ、ド派手なホームページの会社も避けたい。
社長の顔が出ていなかったり、逆にドヤ顔で出ている会社も怪しい。
一言で言うと、バランス感覚が悪く、上品さがないホームページの会社は何らかの理由があると思う。

以下は非公式情報だが、限られた情報からでも、ブラック臭を嗅ぎ分ける能力を高めよう。

面接での現地情報
実際に自分が働く場所で、他の従業員もいるから、最重要な一次情報だ。
オンライン面接は移動もなくて楽だろうが、まったく勧めない。
人間は環境に支配される生き物だから、社内の雰囲気をよく注意して観察しよう。言語化は難しいが、自分と「気」が合う場所かどうかはなんとなく感じるだろう。面接者も入社したら同僚になる相手だから、自分と「気」が合うか感じ取ろう。
少しでもブラックな臭気を感じたら、遠慮なくパスしていい。自分の直感を信じよう。

知り合い
知り合いが身近にいれば頼りになる重要な情報になる。
気軽に聞ける友達や先輩などがいれば一番いいが、少し遠いツテでもあれば、遠慮せずに聞いてみよう。
ただ、転職経験がない人だと他社との比較はできないし、バイアスが強い可能性もあることには注意しよう。
特に残業時間、離職率、有給の取得率などはほとんど表に出ない情報だし、鮮度が重要だから是非聞きたい情報だ。

ネットの口コミ
匿名者による情報でも、ただの噂と言いきれない情報も結構ある。
煙のないところに火は立たないの通り、馬鹿にしてはいけない。
ただ、自分が原因で辞めた社員が逆恨みで書いているケースもあるだろうし、サクラもいるかもしれないから、そこは注意しよう。

求人情報
給与の額、休日数など労働者の目につきやすい条件は企業も良く見せようとするものだ。本音と建前が違うのが日本という社会だ。
特に「原則」とか「ほぼ」という表現は、例外があるから要注意だ。
少しでも曖昧な内容があったら、面接で確認するようにしよう。
相手が誤魔化したり、取り繕うとする気配を一瞬でも出したら見逃さないようにすること。
面接は雇ってもらうためにプレゼンをするのではなく、本来は商取引で、イーブンな立場のはずだ。

ブラック企業は「社畜」を産み育てる悪の温床だ。
法令違反は論外だが、見えない圧力で従業員が労基署に駆け込みができない場合が多い。日本は監視社会で同調圧力が強いからだ。
内部告発は裏切り者扱いされるし、現実的にはなかなか難しいだろう。

ブラック企業は最初から避けるのが一番だし、運悪く入ってしまったら、一刻も早く抜け出す努力をしよう。
我慢しても時間の無駄で何もいいことなんてないし、みんながさっさと抜け出せば、自然消滅するのだから。