見出し画像

ホワイト企業の見分け方

一昔前に比べたら、驚くほどホワイト企業は増えたと思う。
政府の締め付けが厳しくなり、世代が入れ替わり、若者たちも企業に期待しなくなったりなど、要因は複数あるだろう。
少しでも犯罪が減ることは、放置法治国家として喜ばしいことだと思う。

ホワイト企業の見分け方はブラック企業のそれと比べると少し難しい。
ブラック企業は法令遵守をしていないとか、従業員を搾取しているなど明確な基準があるのに対して、ホワイト企業はそれほど明確な基準がないからだ。

だから、まずは基準づくりをしなければならないが、共通認識になりそうなのは、以下のようなものだろうか。

社外基準

  • インフラ産業で経営が安定している

  • 業界独占の販売商品がある

  • 報道で問題になることがない

社内基準

  • 年収が平均以上である

  • 有給取得率が平均以上である

  • 残業が少ない

  • 離職率が低い

  • 転勤がない/希望をきく

  • 在宅勤務を取りいれている

  • 平均年齢が高くない

  • 男女比率が極端ではない

大体、こんなところだろうか?
改めて書いてみたが、特に社内基準の方は当たり前で、レベルが低い内容ばかりで我ながら呆れてしまった。特にこれといって目立つ点がない。

しかし、ホワイト企業に身を置いた経験がある人はわかると思うが、ホワイト企業にはホワイト企業の嫌なところが見えてくるものだ。
隣の芝は青いとはよく言うが、ホワイト企業にも急所がある。

一番の急所は職業能力があまり高くならない点だ。
細分化されたビジネスモデルの極小パーツしか担当できないから、ただの部品になる。よく言われる小さな歯車でしかない。
社内での人事異動も多くて、数年でローテーションする専門性の低いアマチュアが多い。また、社内のことには精通するけど、社外では全く通用しないし、独立したい人にとっては、独立への道は遠のく。

次に平均年齢が高くて、保守的なところだ。
ホワイトだけに離職率が低いというのは、老害も多いし、社内政治も多いのが当然の帰結だ。
年功序列が基本で、若者の立場は低く、偉そうな老人たちがたくさんいる世界はとても窮屈で窒息しそうだ。

結局のところ、選択としては、ホワイト企業で我慢して長年の安定をとるか、ブラック企業で短期の修行を積んで独立の道を行くか、になるだろう。
別に中間のグレー企業でもいいけど、中途半端だ。

自分は比較的ホワイトといわれる企業から脱出したが、周りの理解が難しかったし、損切りの勇気がそれなりに必要だった。
長年浸ったぬるま湯から出るのには、強い意志がなければ無理だ。
職業資産も乏しいから、修行不足でまだまだ苦労している。
そういう意味でホワイト企業からの脱出は難しい。

さっさと独立したい人にとっては、ややブラックでも少数のベンチャー企業に入って、修行を数年積んで独立というコースが早道だ。
もちろん、少数のベンチャー企業はブラックが多くて勤務時間も長いし、色々やらされて辛いから、短期間の割り切りにした方がいい。

短絡的にホワイトだから正解というわけでもないということは理解しよう。