自壊のカルデラは徐々に塞がっています〜自分の信じることをやるしかない

前回の投稿から1ヶ月半が経ちました。その後、破裂してカルデラのように陥没していた胸の腫瘍の自壊跡はじょじょに肉が盛り上がり、穴は小さくなって、真ん中に小さくて厚いカサブタができ、もうガーゼを当てなくてもお風呂にも入れるようになりました。まずは、細菌感染して悪臭を放つってことにならなくてよかったです。

先日、久しぶりに診察にだけ通っている乳腺外科に行って、私の左胸の状況をみてもらいました。自壊したことを伝えるのはこれが初めてです。

想像していた通り、医師の表情は暗いものでした。標準的な治療を行う病院だと、私の現状はあまりよいものではありません。腫瘍が自壊したことは、がん細胞が増えて、どっかに飛び出したいということの表れかもしれず、ひとつが自壊しても、また別のところが同じようになる可能性があるということで、そうなる前に、左乳房は全摘手術を、右脇のリンパの腫れもとりましょうということでした。

がんが再発し、この期におよんでの手術はもはや治癒を目指してのものではないはずです。先生になんのための手術ですかと尋ねたら、クオリティオブライフをあげるためとおっしゃいました。

現状、私のクオリティオブライフにはそれほど問題はありません。もちろん、自壊した腫瘍の周りにはまだ小さなしこりがいくつかあって、これが今後どうなるかという不安はあります。けれど、この腫瘍たちが今後どういうペースで浸潤していくかはわからず、以前、独自の養生により腫瘍が小さくなりかけたことも事実。ならば、もういちどそれに賭けてみるのもありではないのか・・・。もちろん、がんは再発以後のこの4年の間にさらなる耐性を獲得している可能性はあります。常に自分たちが生きやすいように変異していくのががんです。だから楽観視はできませんが、大手術をすることによる体全体へのダメージが、ガン増殖を助けてしまう可能性も否めません。また、手術のあとは薬を・・つまり抗がん剤ということで、やはり、私のがんはもう薬で対処するしかない段階ということのようです。

ならば、私としてはその方法は選びたくない。それはなぜか・・。

それは、死へのカウントダウンがはじまったという思いを自分に植え付けてしまいそうだからです。もちろん、人間誰しも死ぬのですから、毎日は死へのカウントダウンなのかもしれませんが、抗がん剤はあくまで延命治療であって、治癒を目指すものではないということを医師も了解済みの状況にあるということに引きずられてしまいそうだからです。もちろん、抗がん剤が効いて腫瘍が消えてしまう人も稀にいると思いますけど、私思い込みに弱いですから・・。その思い込みに飲み込まれて、本当にカウントダウンになってしまいそうだからです。

要は自分が何を信じられるか。自分が信じられる治療をやらないと、後悔も残るし、体も反応しないのではないか・・。信じることだって自分の細胞がやっているのです。違うと思うものには反応しないでしょう。代替治療も疑いながらやったところで、たぶんそんないい結果は得られない気もします。

だから、抗がん剤を始めることが死へのカウントダウンが始まると思うのもそれは私の感覚であって、すべての人がそうというわけじゃない。あくまでも自分の信じられるものを、知識と直感両方に基づいて見つけるしかない。

がん治療を選ぶというのはそういう自分の考え方や信じるものにあらためて向きあうことのような気もしています。


私自身のことを言えば、自分の未来が薬に命を握られた状態になりたくないということかもしれません。そして、今の私には薬の副作用と戦っていくだけの心の拠り所も、頼れる人もいないということも大きい。

ひとりぼっちで戦うことの辛さに耐えられるほど、私は強くありません。もちろん、病院の医師たちは親身になってくださると思います。決して一人ぼっちではないのかもしれないけれど、死の恐怖に震える時に抱きしめてはくれないし、くれたとしても、やはり絶対的な安心感を得られるものではないのです。

そういうパートナーをみつけられなかったということも、私のガンを作った原因の一つだと感じています。そして、そういう結果を導いた自分の生き方ががんを作ったのだとも。

いまここにきて、経済的にも、社会的にも、人間関係の一部も、そして健康もすべてがギリギリの崖っぷちに来ていることは決して別の問題ではないと感じています。なるべくしてなっている。

そう考えると、自分の人生をすべて否定するようですが、今現在の私にはまったく自信がありません。このまま死んだほうがいいかもしれないと思うときさえあります。がんはそんなときに都合よくできてくれた病なのかもしれない。

しかし、これを裏側から見れば、これまでの人生のあり方はそろそろやめにしないといけないから、がんが発症して私に警告してきたのだとも言えます。ここで人生を見直して、残りの人生を楽しく生きろと。最後に自分たち細胞にも楽しい思いをさせてくれよと「私」が「私」に訴えかけてきているのかもしれません。喜びに震える時、細胞も震えているのがわかります。そんな思いをもうすこしさせてくれよと私の細胞たちは言っている。そんな彼ら(細胞)たちに、私はきつい薬を浴びせてさらに苦しめることはできないのです。

勘違いしていただきたくないのは、私はあくまで再発で、まだ初発のがんが見つかったばかりの方は手術をして腫瘍をとって、予後をしっかり養生していただければということです。現在の私の場合は再発であり、手術はあくまでも将来的に腫瘍が増大して手がつけられなくなったらいけないので、そのときのクオリティオブライフを保つためのものということなので、もうやらなくてもいいかなと思っているだけです。腫瘍がちゃんと取れたと医師が判断した後の予防のための抗がん剤は私はいらないと思っています。それなら睡眠ちゃんととって運動する生活したほうがいいとおもいます。

今日はこの辺で。

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