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マンガ小説「翔べ! 鉄平」 エピローグ

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劇画風に仕上げた小説・・・エンタメ小説ですね。 長い間 ありがとうございました。
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記事一覧

「翔べ! 鉄平」 エピローグ 30 FIN

 狭い車の中で揺られた後の、滑走路を渡る風は涼しく気持ちが好い。  啓二は風子を飛行場端…

御喜悠
1年前
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「翔べ! 鉄平」 エピローグ 29

 セスナは乾いて土埃を巻き上げる関東平野の畑の上を、大きく旋回しながら高度を上げる。  …

御喜悠
1年前

「翔べ! 鉄平」 エピローグ 28

 退院し実家で療養をしながらも、歩く練習は緩慢になる。命があっても生きる気力を失ってしま…

御喜悠
1年前
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「翔べ! 鉄平」 エピローグ 27

 啓二は両足を骨折していた。民家の屋根に着地すると同時に倒れこみ、転がり落ちて気を失った…

御喜悠
1年前
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「翔べ! 鉄平」 エピローグ 26

「脱出した飛行兵がいる! 気を付けろ。巻き込むな」  ムスタングから電波が放たれた。 「…

御喜悠
1年前
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「翔べ! 鉄平」 エピローグ 25

 気持ちは焦るが規則どおりに飛行機が滑走路に向かって列を作る。滑走路の右に左に、風を交わ…

御喜悠
1年前
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「翔べ! 鉄平」 エピローグ 24

 アメリカによるB-29の本土空襲は、当初高高度からのレーダーを使った精密爆撃を軍事施設に対して行っていた。  首都圏の防衛は海軍の厚木飛行場、そして陸軍の調布、成増、柏や松戸の各飛行場が担っていた。  しかし海軍はミッドゥエーやマリアナでの海戦で多数の飛行機を失っており、当時量産されていた零式戦闘機が主力となり、また次期戦闘機の開発も遅れていたのである。  零式戦闘機は航続力が長く低速での運動性能には優れていたが、極端に軽量化され被弾時や急降下時や高速時の運動での耐性が

「翔べ! 鉄平」 エピローグ 23

 啓二が畑中商店を訪れると、店はいつものように『心太』の幟をはためかせていた。暗い店に入…

御喜悠
1年前
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