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また「パパ登り」しようね

 今日は夜にかけて不安に襲われた。足元がふらつき、思考もまとまらない。「脳に転移しているからではないか」。もちろん、そんな根拠はない。でも、一度そう思い込んでしまうと、不安が不安を呼ぶ負の連鎖が始まる。そわそわして何も手に付かず、周りの人の声も届かなくなる。悪性リンパ腫が発症するよりも前から、こんな状態は何度か経験してきた。

抗不安薬を飲んだが、まだ落ち着かない。とりあえずベッドに横たわった。しばらくすると、一番下の子が「一緒にお風呂に入ろう」と声をかけてきた。何を思ったか、さらに一言。

「パパのお腹が治ったらまた『パパ登り』(※父が両足を踏ん張って床の上に立ち、子どもが父の肩までよじ登る遊び)しようね。あと100日ぐらいで治るかなぁ」

 治るかどうかなんて分からない。実際、脳に病巣がある可能性だって、まだ検査してないから現時点では全否定もできない。でも、君が願うことはパパはすべて叶えるつもりだ。パパは君のために生きているんだから。今は体力が落ちているから難しいけど、大丈夫。きっとまたパパ登りしようね。


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