ヨコシマな恋愛

「レイコさん、今週末どうかな?」

あのデート以来、御曹司の新一さんからのデートの誘いは増えた。2週間に1回くらいのペースで順調にデートを重ねている。彼が東京に仕事で来る予定に合わせてホテルに宿泊したり、彼の地元に出向き、ドライブデートを楽しんだりとデートはバリエーションに富んでいる。彼が忙しい中でも定期的に会ってくれるその姿勢が嬉しかった。ホテルでのお泊りデートは、私を一気に夢心地な気分にしてくれる。真っ白なシーツに包まれながら、彼と愛し合い、そして眠りにつき、明け方慌ただしく別れるというデート。彼とのお泊りデートが決まり、お泊りセットを準備しているとき、シワにならないワンピースをバッグに入れる瞬間はちょっとした背徳感も感じていた。なぜなら、会社での私のキャラクターは元カレから振られて社内に残ってる売れ残りのミジメな女性だからだ。

「レイコちゃんは、可愛いんだからすぐに彼氏できるって。知り合いに良いやついたら紹介するからさ」

ここから先は

655字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?