私は、時々嘘をつく

「ありさ、大好きだよ。ありさ」
「私も、だーいすき!本当に好き!愛してる」
正也さんの部屋に行き、正也さんと抱き合う。その時に交わす愛の言葉は本当に単純。子どものように無邪気に抱き合う。あっという間に時間が過ぎて、終電ギリギリで帰るのがいつものパターン。帰り際、彼が話しかけてきた。


「じゃあ、交際宣言の日、考えておいて。ありさの初めてのお茶会付近に発表っていうのもいいよね」
彼の中で、交際宣言は決まってるものだと思ってるようだった。彼は頭が良くて、真っ直ぐで嘘偽りがない。なにより、行動がすごく早い。そんな彼が大好きだ。でも、最近感じるのは彼の欠点。目につくのは、彼の嫌な所。今回のように、何でも自分一人で決めてしまう。私の意見は聞かない。全く悪気なく、それが当たり前のように思ってるみたい。

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