天使なのか、悪魔なのか

浩介 38歳 大手出版社勤務

めぐみ 40歳 フリーランスのライター

彼女と知り合ったのは、3年前。

SNSでのワイン会で知り合ったメンバーが、不定期に、自分が開拓したお店を披露する会。用は、順番で幹事を引き受けるというワイン会。

そのとき、普段はメンバーじゃない彼女が来た。明らかに、酒飲まないでしょ・・というスリムな体型。どういうことなのかなって思っていると、その日の幹事からの説明で、知り合いのライターで、大人のサークル特集を取材したいとかで、写真は顔出ししないことを条件に、インタビュー記事を作りたいとのことだった。

俺自身、出版社に勤めてるし、一目見て、いいなって思ったので、取材の最中もあれこれ指示出ししてしまった。彼女は、大きな目を見開いて、大きく頷きながら、感心するような、尊敬するような目で俺を見つめて、少しでも技術を、情報を、吸収したいという気持ちが伝わってくるような態度で、そのワイン会の邪魔にならないように、むしろ、盛り上げるようなインタビューでワイン会に参加してくれた。

帰り際、いつも通り、メンバーから離れた距離で帰ろうとする俺に声をかけて来た。

「すっごい勉強になりました。ありがとうございます。もし良ければ、また、会いたいです。」

見た目も知的な雰囲気も、真っ直ぐな向上心もタイプだったので、その場でラインを交換して、スタンプを送りあった。

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