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ロスジェネ食堂を開催して、温かい循環を作りたいと思った

こんにちは。映画監督の増山麗奈です。私はヒーコラ映画を制作しながら、おせっかいな性格で、みんなの居場所づくりをしています。

読売新聞 2022年1月23日

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毎日新聞 1月20日

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2009年には超左翼マガジン「ロスジェネ」を編集した経験から同世代をつなげる活動をしております。

(2009年には、雑誌の創刊の言葉”ロスジェネ宣言”が流行語大賞にノミネートされました)どんな宣言か振り返ってみましょう。

ロスジェネ宣言(かもがわ出版雑誌ロスジェネ創刊号関頭・流行語大賞ノミネート)

 一連なりの妖怪が ――「ロストジェネレーション」という名の妖怪が、日本中を歩き回っている。
就職超氷河期(1990年代という「失われた十年」)に社会へと送り出された20代後半から30代半ばの私たちは、いまだ名づけられ得ぬ存在として日々働き暮らし死んでいきつつある……、その数 20、000、000人。
「ワーキングプア」「フリーター」「ひきこもり」「ニート」「うつ病世代」「貧乏くじ世代」「負け組」「下流」「ロストジェネレーション」……。
「ロストジェネレーション=失われた世代」? ざけんじゃねえ! 「失われた」んじゃねえ。「われわれ」が生きていくために必要なSomethingを、誰かが「奪ってきた」んだろ。
全国のロスジェネ諸君! 今こそ団結せよ!
ーーー引用終わり

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今読むと、「失われた10年」だったんですね。そしてそれはそのまま改善されることなく失われた20年になっているのですね(涙)

この雑誌は文芸誌としては異例の1万部を売り上げて、社会現象となりました。雑誌自体は5号で閉幕するのですが、ロスジェネはずっと私の映像制作の根底の問題意識としてありました。

「はじまりの日~ベーシックインカム元年~」(2017年増山麗奈監督)

同世代たちとつながり続けてベーシックインカムを求めたりしながら、活動を続け、「就職氷河期当事者全国ネットワーク」という当事者団体が立ち上がり、私は代表を務めています。

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2019年から2021年財務省に5回、厚労省に4回、総務省に1回、氷河期の仲間や、経済学者の小野盛司先生、井上智洋先生とコロナ禍での現金給付を求めたり、(1)特定求職者雇用開発助成金の適用範囲(の拡大)
(2)最低賃金に代わる最低保証所得の導入
(3)短時間正社員制度の創設
(4)在宅介護をおこなう家族への支援
(5)多様な雇用環境に応じた法律の整備

などを求めてきました。

当時から自己責任だと責め立てられつつ反逆していたりしたロスジェネたちは40代を迎えて、ちょっと体力なども落ちたり、収入もなかなか思うように伸びなかったり、それがコロナでさらに停滞していたりします。

まあ、もはや大学卒業時の就職の有効求人倍率がどうのではなくコロナで全世代同時にショックが押し寄せているわけですが、その時に人的にもお金的にも、職業スキルも貯めのないロスジェネは、最初に社会から放り出される存在です。

いやあ、困った。なんとかしなきゃ。仲間と集まる場づくりをしたいねとロスジェネ”大人子ども”食堂を開催しました。宗教法人真如苑さんの助成もいただくことができました。感謝しています。

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どうして同世代だけに限定しなかったかというと、多様な立場が集う場を作ったほうが問題解決につながると思ったからです。

仕事がないロスジェネと経営者が良いマッチングができるかもしれないし、

重いものを運ぶときシングルマザーの助けに、

力持ちの若者がなれるかもしれないし、高齢者の庭の草むしりをロスジェネ世代ができるかもしれない。ありがとうって言い合えるとお互いにほっと明るくなるかもしれない。

新聞にも大きく掲載をいただき「支援をしたい」「食糧給付してもらいたい」という方から多く連絡をいただきました。物品ご協賛もありがとうございます。

結婚支度で持ってきた羽根布団を毎回メンテナンスして使ってきたけれど、高齢になり重く感じるようになり、誰かに譲りたいという85歳と90歳の夫婦Nさんがご提供してくださったお布団は、三か月メンテをしていない布団を使い続けているロスジェネ当事者のSさんのもとに届けられました。コロナが始まってからお孫さんが家にこれなくなって客用布団を処分したいとのことです。「なんだかおせっかい焼きでね、わたし息子のような孫のような気持ちになりましてね・・・」と心配をしてくださります。

車を持っていないSさんは、キャリーでゴロゴロ支援物資であるお布団を自力で運びました。

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ロスジェネ世代は、独身者も多く、実家との折り合いが悪くなったりして、居場所がないと感じている人が多いです。だから思いを寄せてくださる人がいるという状況は本当にありがたいことです。

そしてお布団を畳んだり、運んだり、そういうことで普段人と接する気概がすくないロスジェネ当事者も、社会のつながりができます。

布団はほおっておいたら廃棄されるものでした。でも新聞を見て連絡をしていただいて、Sさんの明日からの活力になった。確実にロスジェネのQOLクオリティオブライフが向上しました。ありがとうございます。

小さな一歩に、可能性を感じます。社会にある必要なものを必要な人に届けられるような仕組みをつくりたい。そしてロスジェネたちの雇用づくりにつなげたい。

45歳になったロスジェネである私は、子育てや社会経験を経て、すこし

柔らかくなりました。

「自己責任なのか!」「おれたちは捨てられているのか!」という怒りというよりは、社会の中で零れ落ちてさみしいのは、私たちの世代だけではないことにも気が付きました。中原中也の手袋の詩のようにコロナ禍で孤独はしんしんと深くみんなの皮の手袋に降り注いでいます。

みんなが温かい気持ちになるといいなぁ。

誰かのやさしい気持ちと誰かのさみしい気持ちがパズルの凹凸のようにぴったりとはまったらいいなあ。

血のつながった婚姻をベースにしたファミリーだけではなくそでふりあうひと同士が互いを思いやれたらいいな。

もう一つの温かい実家のようなものを作りたい。

集合住宅と仕事場と販売ルームを兼ねた総合芸術施設を作り

そこで常に雑誌や本アート映像映画を作りつつ、たくさんの細かい仕事をおこなって人とモノが再生産し、結果何もゴミにしないような有機的なつながりを作りたい。そんな野望を持ちながら、

ロスジェネ食堂は、毎週第4土曜日にアトリエカフェRで開催します。

次回2月26日東京都日野市南平7-2-17 お弁当50食程度無料配布。必要な物資や衣服を困窮者の人にお渡しします。

(物品提供やご寄付をいただける方へ)

就職のため映像編集や撮影の技術を身に着けたいという声もいただきました。授業料が払えないけれど、絵画教室に子供を通わせたいなど。

オンライン授業が進む中必要なパソコンやアイパッドなどの端末もご提供いただけるとありがたいです。

鉛筆などの文房具。未使用の下着肌着もあるとありがたいとの声も。

活動運営費などもご寄付いただける方がいたら、

どうぞよろしくお願いいたします。


(ロスジェネ大人子ども食堂運営費ご寄付先)
ゆうちょ銀行 (428)( 普通 ) 口座番号 0525534
口座名 : マザーアース


送付先 アトリエカフェR
(〒191-0041 東京都日野市南平7-2-17)042-594-9246
問い合わせ担当
増山麗奈 080-6687-4118
hyogakinet@gmail.com








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