見出し画像

50歳にして合宿で自動車教習所へ行った話


齢50にして、普通自動車運転免許を(最短で)14日間の合宿教習を受けてきた。同じような状況で運転免許の取得を考えている人の参考になればと、ここに覚書として残しておくことにした。


1. 自動車教習所に行くことにした経緯


通常だと高校3年生の冬に教習所に通って運転免許を取るという流れになるが、私が高校3年生の頃は地元の雲仙・普賢岳の火山活動が活発化していた時期だった。そのため市内の自動教習所は一時的に閉鎖されていた。隣の市の教習所に通わなければならなくなったのだが、入所の人数制限が行われていた。関東に就職が決まっていた私は当然優先順位が低く、この時点で見送りとなった。
(とはいえ、うちは母子家庭で経済事情からしても雲仙・普賢岳の噴火がなくても自動車教習所行きは諦めさせられていただろうけど。)

で、上京してン十年、都会は公共交通機関が十分発達しているため、車の運転できなくても日常生活には何ら支障がなかった。

が、4年前に仕事を辞めてからあちこち旅をしていて、地方の公共交通機関の不便さにだんだん辟易してきた。地元へ帰る時でも、いつの間にか空港から直行のバスがなくなり、バスと列車を乗り継がなければならなくなった。そして、行きたい場所はバスの停留所や駅から数キロ離れていることが多い。更にバスや列車の本数が少ない。1時間に1本ならまだいい方で、日に数本とかだと絶望すら感じる。

ずっと自動運転技術の進歩や、シェアライドが全国に浸透することを期待していたが、これを待っている間に寿命がくるわ!と思ったことと、かつての上司が40代で運転免許を取得したという話に勇気づけられた。やるなら今しかないと。



2. どこの自動車教習所にするか。

自動車教習所を選ぶにあたり重視したのが、
・合宿教習があるところ
・程よい地方都市で運転技術の習得に集中できる環境
・受講者からの評価が著しく悪くないところ
・クレジットカードで支払いができるところ(ポイ活)
・可能であれば、楽天市場から決済できるところ(ポイ活)

以上について検討した結果、愛媛県西予市にある宇和自動車教習所の合宿教習を受けることにした。メールで問い合わせたところ、すぐに返事が来たのも好印象だし、申し込んでからのフォローもきめ細やかだった。


3. 費用について

オフシーズンのAT車限定の講習は25万円。
そこから更に交通費最大2万円がキャッシュバックという太っ腹さである。

歳を取るにつれて、補講や仮免・卒業検定の費用などが嵩んでくると色々なブログ記事を読み震え上がったが、幸いにして仮免・卒業検定は一発で合格したため、追加費用はかからなかった。

ただ、卒業検定の前日のスケジュールが手違いで技能講習が2コマのところが3コマで予定されていた。「どうします?」と担当教官に聞かれたので、「(もう面倒臭いから)そのままでいいです。卒検前日だから多めに乗っておきたいですし。」ということで、補講チケットを1枚(5,500円)購入したくらいだ。交通費キャッシュバックの一部をまたキャッシュバックするという…(笑)


4. 第1段階(仮免まで)

自動車学校に行くにあたり、歳も歳なので運転操作が覚えやすいAT車限定、そして、自分の性格的に、能力的に、技術的に、車の運転に向いていないと判断したら、ダラダラいるのは時間の無駄なので、即離脱すると決めていた。

学科は特に問題なし。仮免検定までに模擬テストに1回合格(45点以上/50点満点)しなければならなかったが、配られた教材の中に問題集があって、その問題集を2、3回くらい回せば十分で、仮免の本試験も十分対応可能だった。

技能は教習所の敷地内とはいえ、初めて運転した時は緊張した。S字は初っ端からできたのだが、クランクは少してこずった。途中から進路変更、右左折の声出し確認も加わって、もう頭もパツパツ。頭と体がきれいに連動しない、これが歳ってやつか?我ながらできたかも?と思った翌日には教官にダメ出しされ鼻っ柱折られるというループだった。

以下はその時の日記。
3行日記(2024年6月27日)
3行日記(2024年6月28日)
3行日記(2024年6月29日)
3行日記(2024年6月30日)
3行日記(2024年7月1日)
3行日記(2024年7月2日)
3行日記(2024年7月3日)


5. 第2段階(卒検まで)

仮免検定に合格したその日の午後からいきなり路上教習でビビった。県道や国道はそこそこ交通量があって流れに乗れないし、交差点での右左折、狭い道での対向車にビクビクするし、横に教官がいてくれるだけでものすごい安心感だった。

学科は卒業検定までに模擬テスト2回合格(90点以上/100点満点)しなければならなかった。通信大学のメディアスク(東洋史概論)のレポート提出と重なってしまい、早くレポートに集中したかったので、さっさと模擬テスト合格のノルマをクリア。これも仮免の学科試験と同じように問題集を何回かこなせば十分だ。

技能の方は、日が経つにつれて少しずつ路上での運転は慣れてきたものの、ちょっと自信がついたかなって思った時に、何かしら起きてまた自信を無くすということの繰り返しで、そこに田舎道、住宅が立ち並ぶ狭い道路、高速道路、山道とか、いろいろありますわ。

卒業検定の前日なんて、中央線のない田舎道で真ん中走って「これ逆走とみなされますよ!」とか、原チャリの追い越しを行った場所が悪かったりと、もうダメ出し、注意されまくりだったけど、何とか翌日の卒業検定は合格した。

卒業検定では、私の前に受験した人がコースから戻ってきてすぐに不合格になり、後部座席からその人の運転を見ていたけど、特に問題はないように感じていたから、めっちゃ驚いて、動揺して、自分の番になった時にはマジで緊張した。

以下はその時の日記。
3行日記(2024年7月4日)
3行日記(2024年7月5日)
3行日記(2024年7月6日)
3行日記(2024年7月7日)
3行日記(2024年7月8日)
3行日記(2024年7月9日)
3行日記(2024年7月10日)


6. 合宿所での生活

寮は教習所のすぐそば、歩いて数十秒のところにあり、シングルベッド、デスクとテレビが置いてあるシンプルな部屋でトイレ、シャワー共用。
門限や食事の時間など軽めの規則あり。

女子寮個室

これまた歩いて数十秒のところに系列のビジネスホテルがあり、そこの大浴場も利用することができた。(空きがあれば系列ホテルから通うこともできるが、2週間超える宿泊は延長料金がかかる)

食事も3食、費用に含まれていて、系列ホテルのレストランで頂くことになる。

ある日の夕食


食事はバリエーションに富んでいて美味しい。2週間後には5kg太ったという卒業生のエピソードが語り継がれているようだ。私はこれ以上太れないので、かなり食事の量をセーブした。

寮には洗濯機・乾燥機が備え付けられていて無料で利用できる。洗剤と柔軟剤を用意すれば良いだけだが、近くにはダイソー、コンビニ、家電量販店、ドラッグストアなどがあるので現地調達でも問題ない。レンタサイクルもあり無料。



7. 最後に

合宿には普通自動車だけではなく、大型や自動二輪の免許を取りに来ていた人達もいて、18-20歳の若い人達だけではなく、同世代の人や少しだけ年上の人達、色々なバックグラウンドを持った人達が一緒に生活して、卒業という目標に向かってだんだん結束して行く様はサハラマラソンを彷彿させた。そんな仲間たちがどんどん卒業していくと嬉しい反面、会えなくなるのかとちょっと寂しくなったりした。

そして、教習所のスタッフや教官の皆さんは本当にプロフェッショナルだった。入所する前はひと昔前の教習所の教官のイメージでめっちゃ怒る、怖いというのがあったので身構えていたのだけれども、皆さん、共通して言えるのは根気強く、熱心に指導してくれるということ。

私は褒められて伸びる子なので褒め上手な教官、穏やかなほんわかした教官と一緒にいるとリラックスして運転できたが、そればかりではやはりダメで、そこに厳しく、細かくチェックし、ダメ出ししてくれる教官と一緒にいると、適度な(?)緊張感が生まれる。

自分の性格上、調子に乗ると、油断する。
調子に乗り始めた時にダメ出しが入ると鼻っ柱を折られて凹み、反省する。これがいい塩梅で教官が采配されていたと思う。

本当に行って良かったと心から思える自動車教習所だった。さて、後は免許センターでの試験に合格して、免許証をゲットせねば。





[PR]
最後の方は自動車教習所の宣伝部員みたいになってしまったが、もし興味を持たれたら、是非チェックしてみてください。で、入所を考えているのであれば、私からの紹介だと少し割引があるみたいです。そして、私にも紹介料が入るみたいなので、WIN-WINでございます(ニヤリ)


サポートして頂けると単純なのでものすごく喜びます。サハラ砂漠の子供達のために使います。