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bios pios、あるいはジョルジュ・バタイユについて

狭い部屋の窓から、踊る幽霊を見ていた。

沢山の場所に行った。たくさんの夢を見た。知らない世界がいっぱいあって、目まぐるしいほどに煌びやかな刺激だらけの毎日。本当に楽しかった。どんなことだって君がいれば頑張れた。それは長く続くはずがないと、去年のクリスマス、白けた朝の帰り道を歩きながら思っていた。延命治療を沢山。

砂糖菓子をひとかけら、或いは小さな宝石を砕いたみたいな美しいデザートを。わたしの恋は宝石になった。君しか知らない魔法は星屑になった。ぜんぶ夢だけど、でも本当だよ。みんなどこかで知っていてね。

そう言うと、わたしは幽霊の姿をおさめた写真を、広場のど真ん中にそっと、貼り付けた。少しの人だけでいい、その写真に気づく人なんて。

わたしは新しい街へ旅することにした。

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