Seventeen Seconds(Album) / The Cure

随時改定中(ご意見お待ちしてます)


Play For Today

正しいことをするなんて場合じゃないよ
そんなものさ、僕が重要だって感じたかってだけ
僕が間違ってる、って言えよ
そんなこと、マジ、どうでもいい
シェアにシェアを重ねて、みたいな事ばかりやってる場合じゃない
僕は、僕が必要と思ったものだけを手にするんだ
僕には理解できないよ
君が、そんなの不公平だ、って言うなんて

君は期待するんだよ、
僕が恋人みたいに振舞うことだの
僕が自分のふるまいを考える事だの、お返しをすることだの
僕は腕の中に君を抱きしめて、待つ、そして、待つ
そして、何かが起こるのを待つんだ

本当の事など、言ってる場合じゃない
幾つかのセリフは、そんな状況に正にうってつけ
君は、僕を嘘つきだという
どっちにしたって、言うんだろうよ
喜んでもらおうなんて、意図してる場合じゃない
分かるよね、君はいつも泣いているんだ
それが正に君の役どころさ
今日の劇の中での

Secrets

秘密を
別な女の子と共有する
部屋の中で、一晩中、語り合った
一晩中、全てがゆっくり流れてた
僕が君の恋人だったら、良かったのに・・・

部外者たちは
誰も、僕らが愛し合ってるって知らない
僕は闇の中で、君の瞳を捉える
一瞥で、幾つもの思い出が蘇ってくる
憶えておいてよ、かつての僕がどんなだったか

僕が君の恋人だったら、良かったのに・・・

In Your House

僕は、君の家で、夜遊ぶ
僕は別な人生を生きるんだ
君の家の中で
まるで’普段の僕と違う誰かのふり’をして

僕は時間を変える、君の家で
僕が過ごす数時間は、えらくゆっくり流れる

君の家では、僕には何も音が聞こえない
幾つものがらんどうの部屋の中の静寂

僕は、君の家で、夜、溺れている
泳ぐふりをして、泳ぐふりをして

ダブルミーニング
swim = someone who isn't me

洒落てますね。最後に、本当に drown を使って、君に溺れないように、必死に自分をコントロールしてる、と

この浮気者。

Ren 注記

Three

「背筋を伸ばして真っすぐ立ちなさい。」なんてのは、もうたくさんだよ
何て、無意味なんだよ
「イヤだ。」 と僕は言った
自分の顔を地面に近づけた
「僕はこのまんまでいいんだ。」
「お前は何て人を困らせるんだ!俺は言わなきゃなんない!
何て時間の無駄だ!こっちに来なさい!もう、それはおしまいにする!」

「君のその叫び方!夜の静けさの中で!」 僕は言った
「お前の好きなようにしたらいいさ。」 彼は付け加えた

けれども、彼は突然、くるんと振り返ると、僕を見た
・・・僕はまだ、話し終えてなかったのに
そして言った
「何だこれは?
お前、やることなす事、ひねくれてるな。
一体全体、お前、何を企んでるんだ?」

「その通りだよ。よく観察してるじゃん。」僕は言った
僕の頭を、彼のズボンの縫い目にあてがって
だから、ちゃんと顔を上げられなかったのはそのせい
僕は悲鳴を上げようとはしなかった
僕はじっと彼を見つめる
自分の目が耐えられる限り

「どうしたって?」彼は言った
「どうしたって?」彼は言った
「どうしたって?」彼は言った

永遠の三角関係について、の曲だそうな。

Ren 注記

A Forest

もっと近づいて見てごらん
木々の間を見るんだ
女の子を見つけるんだ
君が出来る間に
もっと近づいて見てごらん
暗闇の中を覗き込むんだ
ただ、君の眼で追いかけろ
ただ、君の眼で追いかけろ

僕は彼女の声を聞く
僕の名前を呼んでいる
その音は深々として
闇の中で
僕は彼女の声を聞く
そして走り出す
木々の中に
木々の中に

木々の中に

突然、僕は立ち止まった
でも、もう遅いって分かってる
僕は森の中で迷子になった
一人きりで
女の子は、そこになんかいなかった
いつも、同じことだ
僕はあてどなく走っていく
何度も何度も何度も何度も
何度も何度も何度も何度も
何度も何度も何度も何度も
何度も何度も何度も何度も

M

ハロー、イメージ
僕に歌ってよ、君の大好きな曲の一節を
もじって、変えて
けど、君は光の中に囚われてしまう
全部の方向が間違いなのさ

今夜、君は、他の誰かと恋に落ちるんだろう

自分を救いなよ
僕に、歌詞の文句を教えてよ
君がフェード・アウトする前に
君は「その終焉」を記憶させるために
全ての秘密を明かす
そして、いつか逃げ出すんだ

今夜、君は、他の誰かと恋に落ちるんだろう

一歩、踏み出しなよ
君は、”いつも戻ってくる時間”というものの中を動く
理由はハッキリとしている
君の顔は引きつって
次の攻撃を準備する

Jumping Someone Else's Train に見る、流行と、それに乗っかって出てくる人達への皮肉に見える。歌詞の一節をパクって変える、みたいな所を読むと、雨後の筍の様に出て消えて行ってしまったパンク・バンドたちへの哀歌とも読める歌。

タイトルは、M だが、この頃、ロバートは現奥様のMaryのことを、M と呼んでたらしい。彼女に向けたにしては、恋愛してる人に向けたとは思えない様な、意味深なフレーズの羅列。

Ren 注記

At Night

夜に深く沈む、僕は夜に沈む
空の下に、一人で立ちながら
僕は、氷の冷たさを顔に感じる
僕は見る、数時間が経過するのを
数時間が経過するのを

君は眠る、安全なベッドの中で眠る
丸まって、守られて
視界から見えないように守られて
安全な屋根の下で、家の奥深くで
夜の変化に気づかない
夜に

僕は、闇が息をするのを聞く
静まり返った絶望を感じる
夜の静寂に耳を澄まし
誰かがそこにいなければいけない
誰かがそこにいなければいけない

フランツ・カフカの短編「夜に」(ドイツ語だと「Nachts」)がモチーフになっている曲。カフカの小説の中では「番人」が出て来るが、この曲は、その番人の一人の視点から描かれている。

以前のThe Cure歌詞対訳プロジェクトで一緒にやっておられた、みなみさんからのご指摘です。

Ren 注記

Seventeen Seconds

時はどんどんながれ
そして、光が翳り始める
そして、今や、全てが静まってしまう

感情も失せて
そして、絵は消えてしまい
そして、今や、全てが冷たくなる

夢は、終わらなきゃならなかった
願いは、何も叶わなかった
そして、少女は歌い始める

17秒
人生の尺度
17秒

非常に抽象的世界に見えるんだけど、アルバム全部を通して眺めると、パンク崩壊後の絶望的な時間に、確固たる方向性を示そうとしてる人の決意表明にも見えてくるというか・・・。そこが、彼らが凡百のアフターパンクに現れたバンドと一線を画した最大の違いであり魅力だったのかなと思う。

曖昧にぼかしながら、割と同世代のパンク・バンドたちへの皮肉に満ち溢れた歌詞のようにも思える。そして、それを確固たる音として、既に示し出していたのだなと思えるアルバム。

Ren 注記



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?