見出し画像

ニコニコ動画の思い出

 今やYouTubeが世界を席巻しニコニコ動画の肩身も随分と狭くなってきました。けれど僕がニコニコ動画を利用していた頃はYouTubeゴミ! ニコ動最高! という風潮が少なくとも僕らの周りではありました。まあ当時でも落ち目だのなんだの言われてたんですけどね……。ということで、僕がニコニコ動画に初めて触れたとき、つまりは僕が中1だった2012年の6月から今まで現役で使っているアカウントのフォローしているユーザーやマイリストや当時の記憶などを参考につらつらと書いていきたいと思います。


 兄からPCを譲り受けたとき、僕にはその箱の操作がまったく分かりませんでした。Yahooで検索する以外のことが本当になにも分かりませんでした。しかし子ども(中1は子どもか?)の吸収力はすごく、さらに百聞は一見に如かずとは本当にその通りで、やっているうちに自然と覚えるものです。メールアドレスってなんだ? どうやったら『っ』を出せるんだ? というところから始まったのを覚えています。だって、という文字を打つときは、DA,TU,スペースキーで小文字に変換,TE, と押してました、DATTEで済むのに……。

 まあそんなこんなで、一体どこで知ったのかなんてとっくに忘れてしまいましたが、僕がニコニコ動画に辿り着きました。風のうわさでどうやらニコニコ動画というのは随分と楽しいところだぞ、とは聞いていたのでワクワクしていました。ところで僕が初めて見た動画は一体なんだったんでしょうね。すごく気になります。

 当時はニコニコ動画(原宿)でしたね。いやあ原宿は本当に神でした。次がZeroで、マジでZeroはとんでもなく使い勝手が悪かったのを覚えています。みんな原宿使ってました。んでその次が確かGINZA。こっちはZeroほど悪くはなく使いやすかった。けれどやっぱり僕は原宿を愛していて、原宿のサービス終了のときには泣きながらGINZAに移行したのを覚えています。

 ニコニコ、見ていたものは9割動画、1割生放送です。正確に言うなら9.5割動画0.5割生放送です。小心者なので生放送はどうしても気を張ってしまうんですね。いけない性格です。

 見ていたもの……まずはボカロ、マストです。当時(2012~2013年)とそれ以前のは特に聴いてて、もうここに上げたらキリがないです。想像フォレストだったり裏表ラバーズだったりハウトゥー世界征服だったりいーあるふぁんくらぶだったり六兆年と一夜物語だったりワールドイズマインだったりセツナトリップだったりトリノコシティだったりモザイクロールだったり十面相は同級生の女の子に教えてもらったし天ノ弱は当時荒れてた僕に対して友人が教えてくれた曲だし米津玄師=ハチなんて思ってなかったしオハヨーハヨーってなんの曲だっけそういや人生リセットボタンとか炉心融解とかハッピーシンセサイザとかちなみにリンネは今でもカラオケでよく歌う。それにボカロは初恋のあの子とイコールで繋がってしまっていて、きっとそれがリアルタイムでも、そうして現在でも、当時は生傷今は古傷として心地よく痛んでいるというのも、僕にとっては意味のある大切な現状なのだと思います。

 まあそんな感じで。

 あとはやっぱり実況プレイ。僕には年の離れた兄がいて、小さい頃よく兄がゲームをしているのを眺めていました。そういや兄貴バイオハザードとかギアーズオブウォーとかやってましたね。小学生に見せるゲームじゃないのに。まあでもキングダムハーツとかもやってたのを覚えています。多分その影響で、人がゲームをしているのを眺めているのが好きなんでしょうね。友達の家にいって、友達が二ノ国をやってるのをずっと見てる、なんてこともありました。やりたい貸してとは言わずにずっと見てたっていうのは、今でも不思議だと思っています。

 よく見てた実況プレイはマインクラフト、そうして昔自分がやったことあるゲーム。兄がいるっておかげで、僕の世代じゃないゲーム機、スーファミとか64とかゲームキューブとか、そういうのが家にはありました。ヨッシーアイランドだったり、FF4,5,6だったり、マリオストーリー、マリオRPG、マリオ&ルイージシリーズ、ペーパーマリオも好きで、あともちろんポケモンも好きで、クロノトリガーなんて何周したか分からないし、イナズマイレブンもやり込んだし、カービィスーパーデラックスとカービィ3とカービィ64はお気に入りで、マリオサンシャインもやってたなあ、後は僕世代のゲームもやってて、ドラクエⅨが当時最新作でメチャクチャにやり込んでたし、モンハンは2ndGとトライGを死ぬほどやり込んでました。トライGは思い出深くて、あれはちょうど小学五年生か六年生かのときで、お小遣い貯めて3DSとソフトを買ったんです。もうワクワクはすごくて、だって親からもらったものでも兄から譲り受けたものでもない、初めて自分のお小遣いで買ったゲーム機で、肌身離さず持ち歩いていたのを覚えています。買ったらもちろん友人同士で集まって赤外線通信で協力プレイをするんですよ。小学生だったのでネットなんて使えないし、公園だったり家だったりに集まってやることと言ったら狩り狩り狩り。僕の周りはみんな2ndGから一緒にやり込んでいる仲間で、トライGもそうやってやり込んだんです。

 話をニコニコに戻して、そんなこんなで実況プレイを好きでよく見ていたんですね。塩とか、MSSPとか、そういう有名どころを見てました。特に好きな人にポケモン実況でバスったハヤシという人がいて、その人が最初期にやってたマリオストーリーの実況プレイ動画は今でも覚えています。ポケモンは50万再生くらいされてるのに、その実況は多くても3万再生くらいでした。すごくゆっくりと丁寧なプレイで、街の住民1人1人に話しかけるし、サブイベントも全部消化するし、途中延々と無駄話するし、でもその無駄話が好きだったんですよね。その人は大分の出身で、地元トークが結構多くて、カボスが有名なのだとか、干しシイタケが有名なのだとか、九州だから雪が1センチ積もってはしゃいで雪合戦したとか(ちなみにこの話何十回もしてる)、そういった他愛のない話をよくしていました。そんな調子だから完結まで1本30分の動画で65とか66パートくらいかかってて、それでも何周もしてました。特段トークが冴えているとかプレイが上手いというわけでなく、そのアットホームでマイペースなプレイと喋りが好きだったんです。その人はカービィ64とかぼく夏とかあと風のクロノアの実況とかも上げてて、どれも大好きなんですよね(今久しぶりに見て懐かし~~ってなってます)

 あと思い出深いのはニコ生。ニコ生には二つ思い出があって、まずはエロゲ実況生放送。中学生男子もちろんエロに興味は深々で、しかし実際にプレイすることはできない。けれど見てみたい。ならばどうするかといえば、他人のやっているところを見るんですね。そこで僕が目をつけたのはニコ生のR-18タグ。そこではエロゲの生放送をやっている人が結構いたんです。

 エロゲの生放送の見どころは、なんといっても本番シーン。もちろんそのまま載せればBANは必然なので、主はみんなシーンに移行するとモザイクで隠すんですね。けれど中には挑戦的な主もいる。そういう主は一瞬だけモザイクの向こう側を見せてくれたりするんです。その一瞬を見るために何時間も放送に貼りついていました。中学生の性に対する好奇心はすごいですね。我ながらね。

 あるとき、主がモザイクを外した瞬間にソフトかなにかが止まって、一分間くらい本番シーンが垂れ流しになった瞬間があって、あのときは僕も歓声を上げたのを覚えています。それに幸いなことにBANはされず。あのときばかりは運営に感謝をしました。しかし、みんなで一か所に集まってエロゲのプレイ実況を鑑賞する、あの状況は特異な空気が満ちていてとても好きだったのを覚えています。

 あんまり生放送は見てなかったのですが、唯一定期的に見ていた人がいて、その人が日曜の午前2時から午前6時まで毎週定期で生放送をやってたんです。僕が見始めたときはペーパーマリオRPGをやってて、そのすぐあとにマリオギャラクシーをやってました。中学生の僕は休みの日で、しかも文化部だったから休日部活がないことをいいことに、その人の放送を毎週リアルタイムで見ていました。コメントを書き込むことはなくて、僕はただ見ていただけでした。それでも深夜も深夜に始まって日が昇って終わる放送は、中学生の僕には十分に刺激的で、放送を完走したときには謎の達成感に包まれながらふらふらになり眠っていました。兄は部屋の電気をつけずに暗い部屋でゲームをよくしていたので、その状況をあの放送に重ねていたのかもしれません。

 そんなこんなで今になり、ニコニコよりもYouTubeにいる時間が増え、実況プレイもあんまり見なくなりました。でも今この記事を書くにあたってハヤシさんのマリオストーリー実況をまた見ていますが、ハマりそうです。また一から全部見ちゃいそう……何周目だよ……。

きっとこの記事を読んでいるあなたも、大なり小なりニコニコ動画に思い入れがあるんじゃないかと思います。どのタイムラインで過ごしたかは僕には分かりませんが、きっとどのタイムラインでも現在に降り積もった思い出は等しく思い出だと思います。たまには、地層のように降り積もったそんな思い出たちを掘り起こしてみるのもいいかもしれませんよ。

 

 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?