トークテク・応酬話法「キホンのキ」
こんばんは。
今日はトークテクニック、応酬話法についていくつか書いていきます。
応酬話法とは…
お客の質問や反応に応答するための基本的なセールス・トークです。
反論処理、オブジェクションハンドリング、カウンタートークなどとも言われます。
応酬話法は「こう言われたらこう返せ」という表面的なテクニックではありません。
話法にもよりますが、人の心の動きの原理原則に基づいた奥深いものもあります。
だからこそ会話、特に営業では効果的です。
これらを身につけると
あっさり断られて引き下がる回数が減る
押し問答がなくなり、商談の時間が短くなり、成約率が高まる
お客さまの真のニーズを聞き出せ、より良いさまざまな提案ができ、今後につながるいい取引関係を構築できる
という効果が得られます。
今回は基本的ないくつかを紹介致します。
応酬話法基本編
バックトラッキング
反対意見や反論を一度肯定した上、こちら側の主張を展開する話法
お客さまの発言や断わりの言葉をそのまま受け止めて、それを深化・発展させる方向でこちらの主張につなげていきます。
それによりお客さまの共感が得やすくなる応酬話法です。
例
「おっしゃる通り、〇〇ですよね。ですからこそ…」
「確かに、〇〇ですよね。だからこそ…」
上記のように相手の言葉を繰り返すことで、お客さまの中に「しっかり話を聞いてくれている」「自分を肯定してくれている」など、肯定的な気持ちが生まれます。
これにより営業担当者の言葉は受け入れられやすくなります。
その上で「ですからこそ」というキーワードを使い、相手の言葉に沿った上での、商品をおすすめする理由を述べます。
イエス・バット法
反対意見や反論を一度肯定した上、反対する主張を展開する話法
お客さまの発言や断わりの言葉をそのまま受け止めてから、それに反するこちらの主張を述べることで、お客さまの抵抗感を和らげる応酬話法です。
例
「おっしゃる通り、〇〇ですよね。しかし…」
「確かに、〇〇ですよね。ただ、…」
相手の意見を正面からしっかり受け止めることで、お客さまの中に「私の話をしっかり理解し、受け止めてくれている」という承認された気持ちが生まれます。
その上で反論に転じていくため、お客さまが感じる心理的抵抗感が少なくなり、会話を続けることができます。
バックトラッキングと同じように思われますが、異なる点は、断わりの言葉を深化発展させるのではなく、対案を示して攻めのセールスに転じる、という点です。
とはいえ、肯定したあとに異論を述べるので、全否定するような言い方や表現にならないよう注意が必要です。この話法は、相手の表情をよく観察しながら使いましょう。
イエス・アンド法
お客さまの発言や断わりの言葉をそのまま受け止め、それに反するこちらの主張を述べていきます。述べるときの言葉を順接の言葉でつなぐことで、お客さまに冷静に聞いてもらいやすくなる応酬話法です。
例
「おっしゃる通り、〇〇ですよね。では…」
「確かに、〇〇ですよね。したがって…」
相手の意見を受け止めた上で、「それであれば」「では」「したがって」「一方で」など、反発が生まれにくい言葉でつなぎ、お客様にとってのメリットを提案します。
そのため、イエス・バット法よりも柔らかい印象となり、お客さまの中に「これは私のための話だ」と肯定的な気持ちが生まれ、前向きなやりとりを行いやすくなります。
ブーメラン話法
お客さまの発言や断わりの言葉をそのまま受け止め、そのまま活用し主張を述べていきます。
お客様、営業どちらも肯定する話法です。
例
「おっしゃる通り、〇〇ですよね。だからこそおすすめです。」
「確かに、〇〇ですよね。そういう方におすすめです。」
相手の意見を受け止めた上で肯定。
相手の意見があるからこそおすすめしているというセールストークです。
否定=マイナス=対処しなければではなく
否定→理解して上で営業していますという風に話します。
否定はよく考えると不安や疑問に繋がります。
表面的な会話ではなく、相手の立場になると奥にある疑問や不安が見えてきますので、ブーメランのようにそれを払拭することで、前向きな印象を与えることが出来ます。
これが基本4話法です。
日本人でも使いやすい、ハードルの低い話し方がこれらですね。
ではここから、ちょっと強め、変わり種話法をお話します。
応酬話法応用編
否定法
お客さまに理解不足や疑問がありそうなとき、お客さまの発言や断わりをきっぱりと否定することで、正しく理解して安心していただく応酬話法です。
自身があるときや、膠着状態を打破する際の武器になります。
例
「大丈夫です。ご安心ください」
「そのような心配は必要ありません。」
商談がある程度すすんだところで、お客さまの理解不足や誤解があると感じたときや、疑問や不安を解消したりするときに使うことができます。
この時「ご安心ください」「大丈夫です」などの言葉も添えると、柔らかい印象になります。お客様の意識が「安心していい」「大丈夫なんだ」という方向に向くため、否定した言葉が「自分のための話だ」と受けいれられやすくなります。
注意点として、言い方を柔らかくしないと、強引な雰囲気が出たり、押し問答型に発展したりする恐れがあります。
また、否定した後はしっかりと根拠を示しましょう。
すり替え法
お客さまの断わりの言葉を軽く聞き流して、話題を切り換えることで、お客さまとの会話を続けることができる応酬話法です。
多用はNGですが、反駁を無視できるのでここぞというときにおすすめです。
例
「ところで…」
「そういえば…」
「話がかわるのですが…」
などの言葉を折り込み展開します。
お客さまからなかなかニーズが聞き出せないときや、門前払いで聞く耳を持っていただけないときに使うと、お互いの気詰まりが解消されて便利な話法です。
重要なのはすり替えであって、無視ではないということです。
全く関係ない話ばかり展開していると、次のチャンスはなくなります。
無視と認識されないためにも
「ちょっとこちらを見ていただけますか」
「この資料のここをご覧ください」
といったように、目線をすり替えるという方法も使えます。
全くよくわからない話になると「話が通じない人だな」というレッテルを貼られてしまいます。
普段からキレキレの方ならいいですが、ちょっと会話にキレがない方がやると最悪の結果になりますね・・・
以上です。
ご紹介して応酬話法ですが、最後にじゅうようなことをお話します。
応酬話法は、慣れてくると常に使えますが、慣れないうちはいざというときに使うシーンが多いと思います。
基本的に「否定に対して返す話し方」になるので、一歩間違えると予期せぬ失敗につながります。
否定する場合は、応酬話法云々より前に
「ありがとうございます」
と伝えてから回答しましょう。
難しい応酬話法よりも、ご意見を頂けたことに感謝することはすぐに実施できます。
応酬話法もテクニックよりも、感謝の気持ちが重要です。
熟練のメンタリストやサイキックのような方でも、なにかしらの反応が顔や態度に出てしまいます。
応酬話法で「押し売りしよう「説得しよう」という空気が強く出ると、トークで勝ったが商談で負けたという自体になりかねません。
まずは気持ちです。
ありがとうという感謝の気持ちを持って、良い反論をすることで、交渉や商談を気持ちのよいものにしていきましょう!
ではこのへんで。
おつかれさまでした。