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一晩とおかわり

「ねぇ、れもちゃんってワンナイト派?セフレ派?」

友人からこんな質問を受けた。

「一度目でどうするか決める派」


基本的に一度きりの為にあまり労力はかけたくない。アプリインストールからマッチング、挨拶、趣味嗜好の確認やらなんやら、途中で面倒臭くなってしまう。

「私はホテル集合ホテル解散、ピロートークもアフターケアもいらなーい。連絡取り続ける必要もないし、ワンナイ派だなぁ。」


私の友人、めちゃくちゃ強い。メンタル健康選手権なら堂々の1位。多分メンヘラとぶつけたらメンヘラが消える。


今のところ、結婚をすれば他の人とはセックスしてはいけないという法がある。30歳くらいで結婚したとして、性欲のあるであろうあと20年ほどは同じ相手な訳だ。

となるとせめて相性のいい人であってほしいので、先にやることになんら異論は無いが、ワンナイトからセフレ、セフレから恋人になるのはゴキブリが人間になることくらい難しい。


セフレになるとどちらかが恋人になりたいと夢と希望を持つことが増える。

一度関係を持ってしまえば、持てたことによって希望を抱いてしまう。私も昔はそうだった。

だからこそ、その希望は幻想なのだと強く思う。

『関係を持ったからこそ、その希望は潰えた』と。


次なる男を探し求めに行く友人を見送り、私は帰路に着いた。

ベッドに飛び込んで天井をじっとみる。

「ま、誰でもいい訳じゃないからね」


幸せにはなりたいが、私は今のままでも幸せだ。半ば諦めも入っているが。

明日からまたいつもの毎日の繰り返し。たまにお気に入りとのセックスを織り交ぜて。まだ生きてていい。

そのうちどうせ、と言いかけてこの考え方はメンヘラっぽいなと笑いが溢れる。


さあ消される前に寝てしまおう。

おやすみ、世界。


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