過去は変えれる。『マチネの終わりに』を読んで
「人は変えられるのは過去だけだと思い込んでる。だけど、実際は、未来は常に過
去を変えているんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。過去は、それくらい繊細で、感じやすいものじゃないですか?」(『マチネの終わりに』第一章、蒔野の台詞を引用)
物語冒頭の蒔野のこの台詞。彼を含める、本作の登場人物によってこの言葉は体現されます。
まず、僕はこの考え方がすごく好きです。
起きてしまった過去は変えられない。でもその意味づけは、その後の自分の行動で変えることができる