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鯛のカルパッチョのフェイジョア添え ボジョレーのお隣の白ヌーボー

11月第三木曜日はボジョレー・ヌーボーの解禁日。 先週になるが解禁された11月17日以降、約10種の新酒を飲んだ。それにしても最近の輸送費高騰もあり今年のヌーボーの価格には驚いた。またそれを見越して輸入量を押さえたインポーターも多くあり、いつも頼む銘柄がなかったりもした。
ちなみに日本は海外に輸出されるボジョレー・ヌーボーの約半分の仕向け先で1位を堅持している。ちなみにシャンパンの輸入量はアメリカ、イギリスに続いて第3位だ。ワインの国別消費量、一人当たり消費量ではいずれも世界で20位前後の日本だが、新酒とシャンパンとなると一気にマーケットにおけるプレゼンスが増す。微力ながらここに貢献しようと毎年、ボジョレー・ヌーボーは10本程度購入し、家族や知人と一緒に消費している。遅くとも年内に消費するようにしているが、買い過ぎた年は翌年のヌーボー解禁日まで残っていて、1年熟成した新酒との飲み比べになることもある。

先週、楽しんだヌーボーと料理の組み合わせでは、焼き鳥との相性が素晴らしかった。自宅ではシーフードにヌーボーの白を合わせてみた。ちなみにボジョレー地区の新酒は赤かロゼワインと規定されていて白はないが、ボジョレーに隣接するマコン地区では白のヌーボーが認められている。新酒らしいフレッシュで軽快な飲み口を鯛のカルパッチョに合わせた。カルパッチョにはフェイジョアという南米原産の酸味の効いた果物をスライスして載せてみた。

以下の写真の外観で、グアバと同じフトモモ科に属していて確かにグアバのような風味も感じるが酸味がやや強く柑橘のような要素も含む。

フェイジョアの外観
https://shop.takii.co.jp/simages/shop/selection/feijoa1311.html


もう一品は千切りキャベツに鯖の味噌缶を開け、アンチョビ詰めのオリーブを散らした簡単サラダ。

味噌ダレがよいドレッシングになるが味変には海外で購入した調味料、JERK(ジャーク)を添えてみた。ジャークは黒みがかった茶色をしていて原料には魚醤(魚介類)、トマトペースト、玉葱、醤油、胡椒、ガーリック、ナツメグ、タイム、ローレル、バジル、ジンジャー、シナモンを使用した調味料。ジャマイカなどのカリブで愛用されていて、鶏肉や豚肉を漬け込み炭火で焼く際などに使う。
 
合わせたワインはヌーボー白と日本ワインの竜眼品種のもの。
 
五一わいん, エステート・ゴイチ, 龍眼, 長野県, 1,782円 

カボス、スダチなどの果皮の青い柑橘の香り、グレープフルーツも。酵母やほのかにナッツのようなニュアンスと還元香か、マッチ棒の先のような匂いも。白い花、香りのボリューム自体はかなり控えめ。 
みずみずしい果実味、酸味は穏やか、まっすぐで伸びやか、繊細でピュアな果実味。ほろ苦さも柔らかく繊細な旨味のようなニュアンスも余韻に。やや繊細さが強いので料理を合わせる際に留意したい。 
鯛のカルパッチョのフェイジョア添えに合わせる。竜眼の穏やかで繊細な果実香がフェイジョアと心地よく調和する一方、鯛の脂とフェイジョアの香りにより料理がやや華やかになり、喧嘩はしないが竜眼の繊細でしっとりのたたずまいにはややアンバランスか。相性: ★★★☆☆
鯖の味噌煮缶サラダに。味噌の発酵食品の穏やかで奥行きのある香りに竜眼のスモーキーさを含む香りが心地よく調和。ただ、そこから鯖の脂が発展する感じはない。相性: ★★★☆☆ 
鯖の味噌煮缶サラダにカリブの調味料ジャークを添えてカレー風味を出すと、料理とワインの繋がりが向上。味噌とカレー系香辛料は非常に繋がりが良い。穏やかな竜眼はスパイスと味噌の余韻を心地よく鎮めてくれた。相性: ★★★★☆
 
 
タイユヴァン マコン・ヴィラージュ・ヌーヴォー ヴィエイユ・ヴィーニュ 白・ロゼ赤の3本セットで14,850円(単価では6,500円)
Les Caves Taillevent, Beaujolais Nouveau, France, 2022, 13% 

フランスのレストランとしてもよく知られるタイユヴァンによる買い付けワインによるヌーボー。美食家に近い距離のあるレストランのワインの目利きは安心できる。
フレッシュなリンゴの果実香、ほのかに白い花のフラワリーなフレーバー、香りのボリュームは軽め。 
果実味はみずみずしく凝縮感は軽快な口当たり、やや穏やかに感じる酸味。樽の香りなどの醸造のテクニックをいろいろと乗せたシャルドネも良いが、すっぴんの新酒のシャルドネはアタックから余韻まで一貫して軽快、それが新鮮で個性的。心地よい軽快さだ。 
鯛のカルパッチョのフェイジョア添えに。フェイジョアが含む柑橘系の香りと酸味にワインの香りが心地よく調和。鯛の柔らかで上質な脂にワインの清々しい果実味がちょうどよい塩梅。相性: ★★★★☆
鯛のカルパッチョのフェイジョア添えにライム・コリアンダーソースで爽やかさとエスニック感を追加してみると更に相性アップ。相性: ★★★★☆

海外のカルフールで購入した
ライム・コリアンダードレッシング


続いて鯖の味噌煮缶サラダに。味噌の旨味と鯖の脂にワインの清々しい果実味が調和。相性: ★★★★☆
鯖の味噌煮缶サラダにカリブの調味料ジャークを添えると味噌とスパイス、ワインとスパイスの繋がりが新たに加わり、口内はさらに盛り上がる。相性: ★★★★☆
サラダに添えていたアンチョビ入りオリーブをつまみワインに。 オリーブのグリーンな風味と程よくコントロールされたアンチョビの磯の香りに、ワインのフレッシュな果実味が良いつながりを見せた。相性: ★★★★☆

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