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菊花賞 馬券予想


レース概要

<コースについて>


京都芝3000mコースの簡略図

3コーナー手前からスタートし、上りから始まるコース。坂を登って最初のコーナーを曲がるまで200mと短く、各馬外を回したくないという思惑から最初から位置取り争いが起こりやすい。長距離なのでハナを強引に奪うなどの強行策に出ない限りはペースは緩やかだが、ポジションを上げようとする馬もいつつ道中は進み、2度目の坂を超える辺りから再び攻防戦が始まる。二度目の下り坂から直線で勝負を仕掛けるためにペースが上がりやすく、流れに乗れないと直線勝負に間に合わないことも。ただ流れを意識するあまり内を回りロスの無い競馬に徹しようとすると、内で詰まって逆に決着がついてしまうこともあるため、想像以上に騎手の手腕が求められる舞台である。馬の実力は勿論、京都のトリッキーなコースに対応できるベテランの騎手も予想に含める必要があるだろう。

<過去の傾向からわかる好走条件>

・トライアルレースとしては京都新聞杯組に軍配が上がっている。

過去5年の京都開催の菊花賞で、前走トライアルを走った場合
神戸新聞杯 (4,1,2,25)
連対率 15.6% 複勝率 21.9%

セントライト記念 (0,2,1,18)
連対率 9.5% 複勝率 14.3%

更に前走トライアルレースで掲示板内に入着した場合
神戸新聞杯 (4,1,2,14)
連対率 23.8% 複勝率 33.4%

セントライト記念 (0,1,1,14)
連対率 6.3% 複勝率 12.5%

過去5年のデータでは、前走神戸新聞杯で掲示板に入着し好走した馬の場合、3頭に1頭が本番でも掲示板内と好走する結果だが、セントライト記念に関しては前走好走した場合でも本番では結果を残せていないという反対の傾向が読み取れた。またこれは過去に皐月賞や東京優駿などクラシック戦で好走した馬においても例外ではない。

前走神戸新聞杯組
シーズンリッチ(10着)、サヴォーナ(2着)
マイネルラウレア(8着)、サトノグランツ(1着)
ハーツコンチェルト(5着)、ナイトインロンドン(11着)
ファントムシーフ(3着)、ショウナンバシット(7着)

上記の様にトライアルレースで顕著に影響がでるのは、恐らく好走に必要な条件の違いによるものだと考えられる。京都で開催される菊花賞では下りから勝負が始まり長くいい脚を使えることが好走には重要であるが、それが神戸新聞杯の舞台で求められるものと類似し、反対にセントライト記念の舞台では活かされない面があることが影響するのだろう。

従って、トライアルレースでは神戸新聞杯組を狙うのが安牌であると考察できる。またトライアル以外を走った馬でも、直線が長い新潟や中京で成績を残している場合も過去に菊花賞で好走した例があるため、確認は必要だろう。

・好走には直線で好位にいることが重要
同様に過去5年のデータでは最終コーナーの通過順位が6番手以内だった馬の好走が目立つ。またそれ以外にも通過順位が2桁でも瞬発力があれば好走できるがやはり直線が短い以上差し損ねることが多く、実際に過去5年ではコーナー通過順位が2桁で勝ち切った馬はいない。好走するには下りからのスパートを活かして位置を上げていき、直線では先団にいることが重要であることが傾向からわかる。加速しながらコーナーを回れる器用なタイプを狙いたいところ。

◎サヴォーナ
〇ソールオリエンス
▲ハーツコンチェルト
△タスティエーラ
☆1サトノグランツ
☆2リビアングラス
☆3ナイトインロンドン


出走馬講評

1.トップナイフ
前走の札幌記念ではスタートで後手を踏んだものの、馬場が荒れた内側が空いているのを狙って上手く内に入れ込んで中団で運ぶ競馬を。その後じわじわと位置取りを上げて斤量差を活かして2着に。ハンデや馬場適正など上手く展開が向いた好走だったという印象を受ける。それでもG1級の相手に連対できたことはやはり侮れない実力を持つと裏付けできる。過去5年で前走札幌記念組は3頭いて、中でもブラックホールやレインボーラインが札幌記念、菊花賞共に掲示板入りと好走しているので、本馬も距離適性があれば十分戦えるデータとなっている。最内は陣営にとっても嬉しい枠らしく、全馬に距離不安がある中で内でロスなく運べるのは魅力的だ。前目につけて内ラチを沿って走る競馬がベストだが、出遅れ癖がついているのが不安で、後方ポツンされると流石にこの枠でも厳しいものがあるのでそれはやめて欲しいところ。京都はトリッキーな舞台なので馬の実力以上に鞍上の技術が求められるが、そういう意味では経験豊富な横山典Jkは心強い存在だろう。枠も臨戦過程も問題なく、粘り込みももってこいな舞台なのでここは勝ちを狙える立場だろう。こうなれば鞍上の本気度も違うはずなのでその手腕に期待したい。

2.ウインオーディン
前走のセントライト記念ではスタート後他馬と接触して後方からの競馬となり、4コーナーで外を回して追い上げるも届かずの6着に。ここまで大きな活躍はないものの、共同通信杯で上がり最速をもつなど重賞でも戦えそうな素質を見せている1頭。2走前の阿賀野川特別(新潟2200m)は意外と京都の菊花賞と相性が良く、個々の好走組はよく本番でも活躍を見せているのは見逃せない。枠は恵まれており、この並びだと両隣りが前に進んで隙間が空くのでその後ろをとってロスなく回る競馬がベストだろう。そのまま内を突く競馬が出来ればいいが、鞍上が詰まることを嫌うなら下りでポジションを上げて好位を狙う可能性も考えられる。ただそれは他馬も狙うポジションなため鞍上の誘導にかかっており、位置が取れなければ届かずで終わりそうなのが例年の菊花賞の1枠によくみられる。こればっかりは走らないと分からないが、少なくとも道中ロスなく運べるのは利点なので、スムーズに運べれば好走する可能性は生まれるはず。

3.シーズンリッチ
前走の神戸新聞杯では序盤で掛かり強引に番手で運ぶ羽目になり、道中脚を溜めることが出来ず直線で失速して10着という結果に。前に馬を置かないと掛かりやすいのが本馬の弱点であり、2走前のダービーからその影響が続いている。前に馬を置いて強引に馬の進路をなくせば前に出ていえず脚を溜めることが出来るが、それでも口を割ろうとするので気性面は悪いと見ている
長距離では折り合いが最も重視され、道中掛かると馬は力んで走ることになり余計なスタミナを使って終盤でバテテしまうことが多い。鞍上次第では上手く押さえることも出来るが、若手の角田大Jkにそれを期待するのは少し厳しい。内枠で周りを固めて運べるのは良いが恐らくその最中でも掛かる場面はあると思うので、その状況で鞍上が冷静な判断をするのは経験を積まないと難しいことであると推測する。個人的には気性的に2000辺りが丁度よいと考えるので、ここは万全に走り切るには長いと見ている。

4.ダノントルネード
前走の日本橋S(3勝クラス)では、先行前目で運び直線で抜こうとしたものの、ペースが流れたのもあってか脚が溜まっておらず、後退して8着に。凡走は前走が初めてであり、原因の特定は難しいが1つは古馬が作った速い流れに十分追走できなかったのが挙げられる。初の古馬戦なのもあったが、勝ち馬のドゥレッツァに大きく離されたのはあまり楽観視できないだろう。今回も逃げ馬が複数いて、ペースが流れた場合その対応に苦労してもおかしくはない。また中内田×ダノンの組み合わせが更に距離不安に拍車をかけている気がする。厩舎の有力馬が短距離~マイルに多く、恐らく馬作りの時点で長距離に合っていないのだろう。春先は重賞でも連対出来ていたが、夏を超えて馬体が増えていない面も気がかりであり、成長力という点で他馬に後れを取っている可能性も考えられる。実力があることは認めるが、個人的に将来は2000m以内で活躍してそうなので、ここは距離の壁に当たると見ている。

5.パクスオトマニカ
前走のレパードSではダート適性を試す意図もあっての出走であり、結果は慣れない砂で行き脚がつかず、更に道中砂を被って走る気をなくして大差の最下位に終わった。ダートが合わないことをみて改めて芝へ参戦。逃げの先方が確立されており、今回もハナを主張すると宣言しているため、恐らく本馬が今回のペースを握ることになりそう。そうなるとダービーを見る限り道中はかなり緩やかなペースが予想されるが、それを他馬がどう判断するかで展開も大きく変わりそう。本馬が好走できる可能性として、単騎スロー逃げにみせかけ、坂から徐々にペースを上げて後続を翻弄させる走りが挙げられるが、過去の走りを見た感じそこまで器用な馬ではなさそうなので正直厳しいところはある。そもそも下りで番手以降が競り掛けてくる展開が多いため逃げ馬はマークされて自身の走りを乱されるので元々分が悪いところがある。なので馬券には絡めないが、本馬がどのような走りをするかの予想が馬券を組み立てるヒントに成り得るだろう。

6.リビアングラス
前走の阿賀野川特別(新潟2200m)では好スタートを決めてハナをとって後続を連れる運びに。その後コーナーで番手に競り掛けられるもねじ伏せて逃げ切り勝ち。本馬の強みはスタートの良さと競り掛けられてもしぶとく残る勝負根性である。ここ3走は全て逃げで結果を残しており、特に2走前の京都新聞杯では4コーナー手前から競り掛けられるも負けじと加速して相手を競り負かすほどの根性と二の足があり、個人的には調子のよかったフェーングロッテンを思い出す。今回は横にパクスオトマニカがいる手前、番手で運ぶと予想する。普段逃げているが、それは好スタートで前に行きやすいからであり、他に主張してくる馬がいるなら逃げる必要はないし、ペースが遅いと感じるなら途中でハナを奪えばいいと見ている。距離さえもてば持ち前の勝負根性が必ず活かせるはずであり、最終コーナーで先団で構える姿が想像しやすい。相手関係は強くなるので本馬の強みが通用するかは分からないが、一発あってもおかしくはないと思わせてくれる1頭だと考える。

7.タスティエーラ
前走の東京優駿では先団前目に付けて運び、直線で好位から伸びて他馬の猛追を退けて見事ダービー馬に。皐月賞2着、弥生賞1着と世代トップクラスの実力は疑いようがなく、今回も有力候補になるのは当然だろう。ただ本馬の懸念点はダービーからの菊花賞直行であり、このローテーションで勝った馬はいない。陣営も本来はトライアルを挟む予定だったが、ダービーの疲れが取れないことを理由にトライアルを撤回し直行のローテーションを選択。臨戦過程に不安は残るが、本馬は若駒の時から疲れが取れにくい体質であり、下手に叩きを挟むよりは直行の方がパフォーマンスを落とさないでいいとポジティブに捉えることも可能だ。また持続力のある本馬にとって京都の舞台は合うと見ている。走りを見ていると好位で長く脚を使う競馬に長けており、京都の下りから仕掛ける分にはいい走りが出来ると考える。従って距離に対応できるかが最大の障壁だと見ており、そこさえクリアできれば実力勝負で他馬に引けはとらないはずだが、トライアルを使用していないのでその判別が難しいところである。夏の成長分で身体が大きくなっていることを期待したい。

8.サヴォーナ
前走の神戸新聞杯では先行前目に付けて運び、直線で前を抜いてしぶとく粘るも追い込んできた勝ち馬に最後差されて2着に。右回りの相性が良くこれまで掲示板を外したことのない安定感は評価できる。前走は攻めた調教でも+12kgと馬体の成長を感じさせたが、陣営は今回も更に成長していると述べており、前走以上の上澄みがあるのだとしたら期待せざるを得ない。枠の並び的に内の先行馬を見て運ぶことが可能で、中団につけて道中は脚を溜める競馬が出来そうなのもいい。近走は前では運ぶ競馬を見せているが、キズナ産駒の牡馬には珍しく阪神で上がり33秒台を出せる脚をもつため、差しの競馬も出来そうなのは心強い。距離も3000mは対応できると言えるような成績を積んでいるのも評価が高く、個人的には一番菊花賞に向いていると思っている。春のクラシックには参加できなかったが今は上位馬にも十分対抗できる実力は備わっていると考えている。重い印を打ちたい。

9.ノッキングポイント
前走の新潟記念では先行前目で運び、直線で抜け出し1着に。斤量ハンデがあったとしても初の古馬相手に勝ち切ったことは素直に評価できる1線だった。東京優駿でも掲示板に入り中距離でも十分戦えることは示しているが、馬体を見た感じでは3000mは少し長いと個人的には考えている。モーリス産駒の傾向を見ても1600~2000mで活躍している傾向が高く、ジェラルディーナの有馬記念(2500m)が最高距離である。(そもそもモーリス産駒は晩成傾向でクラシック期に実績を持つ馬が少ないのもあって、菊花賞経験組が少ない)前走の新潟記念では本命にしていたが、ここは距離が長いと思うので強くは押せない一頭だと思う。

10.マイネルラウレア
前走の神戸新聞杯ではやや後ろから運び、直線で追い上げようとするも前残りの展開となり届かずの8着。当初は参戦予定はなかったが、ゲート割れなことを知って急遽追加登録料を払って参戦へ踏み切ったが、鞍上は直前まで決まらずという、行き当たりばったりなローテを進んでいる印象をもつ。本馬の強みは直線の凄まじい切れ脚だが、直線以外では加速できず、コーナーで鞍上がいくら促しても動かないほどズブいことが特徴だ。そのため最初に好位に付けても終盤では後方にいることがほとんどで、末脚をだしても届かず仕舞いなので重賞では中々結果を出せずにいる。その中でも京都は坂の下りを活かして比較的加速できるので本馬にとっては一番合う舞台だろう。3000mが走れるかは未知数だが、父親がゴールドシップなので対応は出来そうだし、少なくとも道中の追走は前走以上に楽になる点は有利に働くはず。器用な競馬が出来るタイプじゃないので、距離が持つことを前提にいっそのこと外を回して捲るような大味な競馬の方が好走できるかもしれない。位置取りが勝負の鍵であり、前走のような位置だといくら切れ脚があっても京都では巻き返せないため、鞍上がそこを攻略できれば一気にチャンスは生まれそう。長距離で変わり身という点では買える要素かも。

11.サトノグランツ
前走の神戸新聞杯では中団内目に運び、直線でじわじわ伸びてきて坂を登りきったところで更に加速を増して差し切り勝ち。おまけレコードを出すという強い競馬を見せた。本馬は父親サトノダイヤモンドのような瞬発力タイプとは異なり、長くいい脚を使うタイプと見ている。そのため急坂では伸びは少し落ちるが、平坦に戻れば再び加速できるという違った強みをもっている。そのため直線平坦な京都はこれ以上ない狙いどころであるはず。枠は序盤に位置取り争いをするには少し外過ぎるが、その点は鞍上に信頼がもてる。ただ長距離の川田Jkはあまり強く買える騎手とは言えず、京都では仕掛けが速くなりがちで直線で隙を出してしまうこともしばしばあるのでそこが買うときの懸念になると思われる。ただ他の人気馬と比べれば実績も菊の舞台に向いており買い要素は多いので、変に軽視すると痛い目を見る可能性も否めない。個人的には距離も持つと思うので馬券には含めたいと思う1頭。

12.ハーツコンチェルト
前走の神戸新聞杯では大外からスタートして後方から運び、最終コーナーで外を回し多分もあってか差し届かずの5着。スタートが良くないのは相変わらずだが、勝ち馬との差は外を回した分なので、さほど実力に差はないだろう。ただ本番もスタートがつかず後方からの競馬になる場合は、枠的にも最後には外を回してその分ロスをして結局差し届かずという可能性は否めない。また右回りで成績を残せていない点も気になり、過去3戦とも好位から差し届かない状況が続いている。少なくとも右回りの時点で本馬の実力を100%出し切れるとは考えにくいだろう。ただダービーで見せた脚の持続力は見逃せなく、長距離では有利に働くと思われる。そのため出遅れても道中緩やかであればそこで位置取りを上げることも出来るし、あるいは自らが坂で隊列を動かすきっかけになってもおかしくなさそう。右回りで欠ける瞬発力も坂の加速力である程度は補えそうなので、直線で先団にさえもってくれば長くいい脚が最大限に活用できそうだ。右回りに不安はあるが、この舞台なら対応できそうと見ている。後は距離さえもてば。

13.ナイトインロンドン
前走の神戸新聞杯では先行前目で運ぶも、直線ではキレ負けして後続に抜かれ11着という結果に。本馬には上がり33秒を出せる切れ脚がないが、母父がメジロマックイーンということもあり長距離を走るスタミナは大いになる。成績を見ても3000mの距離に問題はなさそうと出走馬の中で言い切れる1頭だろう。寧ろ距離が伸びてスタミナ勝負に持ち込んだ時が本馬の本領を発揮できる時だろう。舞台が京都に代わるのもよく、自慢のスタミナを活かして坂から仕掛けて前を競りつぶす展開が一番勝機がありそう。そのためには道中のペースが肝心であり、道中ドスローで運ばれ最終直線で瞬発力勝負になると長距離とはいえ上がり33秒台が出る舞台なので、そうなると厳しいところがある。鞍上は本馬のようなキレがないタイプでの長距離の勝ち方はよく理解しているため、積極的な競馬をして欲しいところ。

14.ソールオリエンス
前走のセントライト記念では後方に控え折り合いを重視した競馬を行い、最終コーナーで外を回して2着に。前走は初めから本番に向けての出走であり、運び方も本番を意識しており叩きとしては十分であったと思う。本馬の鋭い切れ脚は強みであり、京都でも上がり33秒台の脚が求められる展開が多いことをみても、後方からでも差し込んでくる可能性は大きい。ただコーナリングが上手くないため、コーナーで外に膨らむと短い直線では挽回しきれないロスが生まれるので、そこをどう運ぶかが鞍上の手腕に託される。また有力馬といえども近年はセントライト記念組の成績が著しくないのも気になる。距離はごまかしがきくと思うので、本馬に関しては鞍上がこのトリッキーな舞台で上手く運べるかが鍵となる気がする。今のところ鞍上の京都成績はいいとは言えないので、取捨選択が難しい1頭とみている。

15ファントムシーフ
前走の神戸新聞杯ではハナを切って馬のペースで気持ちよく走らせ、直線で粘る僅かに差されて3着という結果に。クラシック戦線で戦う中でも走りが安定している1頭であり、鞍上が騎乗ミス(想定外にペースが遅いのを読めず、仕掛けが遅れたこと)を認めたダービーも勝ち馬とそこまで着差はないし、他は掲示板を外していない。ハービンジャー産駒らしく、瞬発力より持続力が長けるタイプであり、それは前走で改めて証明できたといった感じ。前走は攻めた調教を行ったがそれでも+12kgと馬体の成長を感じさせて、春より更に走りに磨きがかかっていると見てもいいはず。ただ大外とかなりい厳しい枠におかれたので、立ち回りに工夫が求められる。前走は逃げたが、今回は他に逃げを宣言した馬もいて、かつこの枠から主張するのは厳しいところがあるので控えるのが賢明だと考えられる。外枠なため好位につけるとなれば外を回すことは避けられないが、変に後ろに下げるよりはいいと個人的には考えている。京都の菊は鞍上の十八番なので、下手な騎乗はしないという信頼は高い。安定感を持つ有力馬×武豊Jkという組み合わせは流石に切ることは出来ない。

16.ショウナンバシット
前走の神戸新聞杯では中団内目で運び、直線で追い上げるも差し届かずの7着。近走は鞍上のスタート下手もあってか後方の競馬が多く、もどかしい競馬が続いている。成績を見ると過去は骨っぽい相手に番手で上がり最速をだせるような心肺の強さを持っているので前で運べばもう少しやれてもおかしくないと考えている。シルバーステート産駒かつ大外という長距離では厳しく思える条件が並んでいるが、幸いスタミナ勝負に持ち込める可能性のある京都の舞台はいい方向に働きそう。かなり厳しい戦いになると思うが、この枠で後方待機はノーチャンスなので、いっそのこと前で競馬してスタミナ勝負に持ち込んで欲しいと個人的には思う。京都の菊はマイラーでも立ち回り次第で距離に誤魔化しが効く舞台なので、鞍上には腹をくくった競馬をお願いしたい。マークされにくい立場で運べると思うので馬のリズムで気持ちよく運べれば距離が長くても3着に食い込む可能性はありそう。

17.ドゥレッツァ
前走の日本海S(新潟2200m)では道中は前に馬を置いて脚を溜めさせ、コーナーで外に出したところで一気に末脚を出して差し切り勝ち。ここまで5戦とも馬券外なしかつ古馬をものともせず現在4連勝と、まさに遅れてきた大物候補といった印象。ドゥラメンテ産駒の牡馬には珍しく、4連勝の内容は全て好位からの上がり最速勝ちであり、父親譲りの瞬発力の高さが本馬の強みである。また折り合いもしっかりつけることが出来ており、操縦の柔軟性の高さも考慮しても長距離も十分対応できるはず。枠は無慈悲の大外だが、鞍上が大外の立ち回りに長けており、脚質的に控えても問題ないのでそこまで不利にはならないと見ている。むしろ有力馬の動きを外から見てマーク出来るので勝ち負けは不明だが着内へねじ込む競馬が出来そうなのは馬券的にもありがたいところ。世代の上位陣と初めて交えるため力差は分からないが、距離不安が前提になるこの舞台なら操縦性の高い本馬も十分対抗できるはず。大外で人気を落とすようなら美味しい。


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