転妻図鑑vol.1 「無理しない」がモットーの転妻10年目、れみふくの場合
転勤生活で悩んでいる時、うまくやっている(ように見えている)人たちと同じようにしてみても、自分の悩みの解決にはならなくて、もっと苦しくなることってありませんか?
きっとそれは「自分には合わない方法だった」だけだと思うんです。
好きなことも、得意なことも、できることも、苦手なものも、嫌いなことも、許せないことも、みんな違うから。
でも、じゃあ、自分の悩みはどうやって解決したらいいのって思った時に、役に立つのはやっぱり同じように悩んで乗り越えてきた人の経験談だと思う。
ひとりの経験談しかなければ方法はひとつしか見つからないけれど、何人もの経験談があれば方法はいくつも見つかります。
その中から、自分に合ってそうなもの、できそうなもの、惹かれるものを試してみればいい。
とはいえ、他の人がどんな転勤生活を送っているのかって、意外と深いところまで聞けないですよね。
ネットだと細切れの情報しかわからなかったり、リアルの場だと聞きづらい話もある。
だから、転妻のインタビュー集みたいなものがあったらいいなって思いました。
たくさんの転妻さんに転勤生活を語ってもらったものを、ひとつにまとめてあるような。
というようなことをTwitterでつぶやいたら思いのほか反応をいただけたので、ちょっと第一号やってみます!
れみふくの転妻インタビュー(自分語り)、どうぞ!
まずはざっくり基本情報
【転勤頻度&範囲】
頻度はまちまちで、関東周辺が転勤の対象地域。
今までで一番短かったのは1年半、長かったのは4年半(ただいま記録更新中。)
今暮らしているのは、4ヵ所目の土地。
【家族形態】
夫、小学生の娘、私の3人家族。
【帯同or単身赴任】
ぜんぶ帯同してきました。
転勤や引越しは身近なものだった
小学生の時に親の転勤で引っ越しした経験があります。
3年くらいでまたもとの土地に戻ってきたので、いわゆる「転勤族」のように転々としていたわけではなかったけれど。
そもそも実家のある場所が、両親が転勤でやってきて住み着いた場所なんです。
その後、わたしが生まれました。
だからわたしにとっては地元だけれど、両親にとってはなじみのない土地。
田舎なので、「親同士の昔からの繋がり」みたいのが色濃く残っている町内会や子ども会なんかのイベントが好きじゃなかったです。なんだか居心地悪くって。
父が勤めていた会社の社宅が校区内にあって転勤する人も多かったので、わりと転校生も多かった。
わたしが大学生になったころに、父が再就職で単身赴任をしていたこともあります。
だから転勤や引っ越しは身近なこととして育ってきました。
夫と付き合い始めた時はお互いに学生だったので、転勤族になるとは思ってもなかったです。
就職してみたら、夫もわたしも転勤ありの職種(夫は引っ越し有り、わたしは引っ越し無し)。
お互いの地元が同じ県で、配属先がふたりとも県内だったので、しばらく付き合いを続けたのちに結婚しました。
「仕事に転勤はつきものだ。しょうがない。」という感覚だったので、『転勤』が結婚の障害になることはなかったです。
仲の良い地元の友達もほとんどが仕事や結婚で地元を離れていたので、地元を出たくないという気持ちになることもほぼなかったですね。
子どもが生まれる前の暮らし
結婚してから子どもを産むまでに、わたしも夫もそれぞれ1回転勤してます。
ラッキーなことに夫の転勤先が県内だったので、引越しはしたけれど私も仕事を続けていました。
平日は仕事、休日は溜まった家事をふたりで一気に終わらせてから遊びに出かける、そんな毎日。
住んでいる土地は寝に帰る場所、みたいな感覚でした。
都会に近づいたので遊びに出やすくなってやったー!って思っていて。
このころは、引っ越しは全然つらくなかったです。
子ども0歳~幼稚園入園(4歳になる年の春)が、一番必死で辛かった
そんな生活も子どもができるとガラっと変わりました。
おそらく夫の次の転勤は県外だろうし、そしたらわたしの仕事は続けられないので、産休をとらずに退職しました。
県内の実家に里帰りして子どもを産んで、戻ってきたらいきなり孤独な日々の始まりでショック!
住んでいる土地のこと何も知らないなってびっくりしたし、何よりふにゃふにゃ泣くだけの赤子と毎日家に取り残されるのがしんどかった。
誰ともしゃべってない日が続いて、仕事から帰ってきた夫に「やっと大人としゃべれる!」と泣きついたこともありました。
子どもが1歳、それから2歳半のタイミングで辞令が出て引っ越ししています。
はじめての育児でわからないことは次々に出てくるのに、夫は子どもが寝てから帰ってくる。
誰かとしゃべりたくても知り合いすらいない、という引っ越し後の時期が一番つらかったです。
わたしね、初対面の人たちの集まりに行ったり、自分から話しかけたり、遊びに誘ったりするのが苦手で。
でも引っ越ししたらそんなこと言ってられなくて、すごく頑張って外に出かけていました。
運転しながら「ママ、ほんとうは初めてのところに行くの苦手なの。誰かと仲良くなれるか心配だよ。」と、後部座席のベビーシートにいる1歳児に話しかけるくらい、頑張ってた。
1日お出かけしたらその後の2~3日は家で過ごしたい性分なのに、予定がない日は公園に連れて行かなきゃ!って必死になってた。
おかげで、行く先々でそれなりに友達はできました。
子連れ転勤は人と繋がりやすい
子どもがいると孤独な育児で追い詰められることもあるけれど、人との関わりはつくりやすいんですよね。
なぜなら、出かける場所が用意されていて、それが出会いの場になるから。
人との出会いやすさでいうと、0歳児の時が一番簡単!
市が開催する離乳食教室があったり、親子教室も児童館や保育園や市のイベントなんかでたくさんやっているし、ベビーマッサージとかの教室系も多い。
しかも、出産していきなり社会から切り離されて孤独を感じているママが多いから、友達を探している人も多かったです。
年齢が上がってくると、だんだんそういう場が減ってきます。
それに加えて、「0歳の時に知り合った仲良しグループ」ができている場合もある。
引っ越し先で頑張っていった親子教室とかでそうなっていると、ほんと余計に孤独を感じてへこんじゃって。
しばらくどよーんってしてから、また別のところに行ってみたりしてました。
結局、新たな友達を求めていたり単独で来ているのって、同じように転勤で引っ越してきた人が多かったので、自然と友達は転勤族が多いです。
そうこうしているうちにプレ幼稚園に行ける年齢になり、やがて幼稚園入園。
直接送り迎えしていたので、そこでも出会いがありました。
子どもが小学1年生になった今は、子ども会の登校班があったり、通学路の途中までお迎えに行くシステムがあったりして、近所のママたちとつながりができています。
ただね、どんどん子どもは親の手を離れていくもの。
今後の引っ越しでは「自分の友達」を探していかないといけないな、って感じています。
できるかしら...不安。
転勤生活での失敗談
一番がんばってきたのも人間関係をつくることだし、一番失敗したのも人間関係をつくること。
無理して友達をつくろうとしない!
違和感のある人とは距離を置く!
これがそこからの学びです。
娘が0歳だったころ、離乳食教室で知り合ったママさん。
がんばって声をかけて連絡先を交換したのはいいんだけど、「毎日連絡をとりあおう!」みたいなノリの人でした。
正直、わたしは毎日べったりな付き合いは苦手。
ちょっとしんどいかも...と思っていた時にちょうどや娘やわたしが体調を崩してしまって、連絡が滞ったり、外出できなくなったのね。
それをきっかけにだんだん疎遠になっていきました。
とはいえ近くに住んでいるから何かの集まりで一緒になったりすることもあって、その後の様子を知れたの。
彼女は新たなママグループと仲良くなって、どうやら毎日誰かの家に集まってお昼食べたり出かけたりしていたみたい。
わたしはひとりで過ごす時間も大事だし、家のこともしたいし、毎日だれかとつるむのはストレスになるタイプなので、フェードアウトできてよかったなって思っちゃいました。
それから、娘が1歳で引っ越ししたばかりのころ。
「会社の同僚の奥さんたちは、みんな地元に溶け込んでうまくやってるよ。がんばって。」と夫に言われて、早くこの地になじまなくては!と焦ってました。
(今だったら、なんでそんなプレッシャーかけるの?やめてよって言うけどね。)
そこで、ある団体がやっている「ママ同士がおしゃべりできる場」に参加して、スタッフ募集していたので思い切って入ってみたの。
子連れでできたし、子育ての先輩もいて、向上心のあるいい人ばかりでよかったのだけれど。
思った以上にミーティングがあったり、資料作りなどの作業があったりと、自分に余裕がなかったので重荷になってしまっていって。
本当にそれがやりたいことなのかよりも、地域になじまなきゃ!友達つくらなきゃ!って焦って行動すると、後から自分がつらくなるなって思いました。
他にも、最初になんか違和感ある..と思った人は付き合い続けてももやもやすることが多かったり。
なんだか居心地の悪い場所では、誰とも仲良くなれなかったり。
反対に、なんとなく気に入ってちょくちょく行く公園でよく出会う親子とか、ゆるーい内容の少人数のプレ幼稚園で出会った親子など、肩ひじはらないで出会った人たちとは自然と仲良くなれていいお付き合いができてきました。
だから、「友達つくらなきゃ!と焦らないこと」が大事だなって思っています。
どうして帯同しているのか、今後はどうするのか
今まで帯同を続けてきたのは、「夫と一緒に子育てがしたい」から。
家族で一緒にいたい、というのももちろんあるけど、わたしと違う目線で娘を見てあげる存在がいてほしい、という気持ちがあります。
せっかく価値観の違う大人がふたりいるのだから、それぞれが娘と関わりあうことで、娘の世界も広がるかなって思っています。
ってかっこよさげな言い方したけど、「自分ひとりで子育てに向き合うの、ちょっと不安」って感じです、うん。
今後は、子どもが小学校高学年~高校生の期間は引っ越ししないで暮らしたいという漠然とした思いはあります。
ただ、「未来のことはその時にならないとわからない」と考えているので、辞令が出たとか、子どもが引越しを嫌がったとか、その時その時で対応していくと思う。
子どもが巣立ったらどうするか、夫の退職後はどこに住むかとか、未来のことはあまり考えていません。
転勤と子どものこと
娘は1歳、2歳半の時に引越しを経験しています。
その頃はまだ小さかったので、引越しを嫌がるとかはなかったです。
2歳半に引っ越しした時は、「まえのお家にはもう帰らないの?」とか聞いてきたけど、すぐに新居に慣れました。
その頃一緒に遊んでいた友達のことも、あっという間に忘れてしまったし。
2歳半から6歳(現在)まで同じところで暮らしているので、次の転勤が娘にとっては初めての試練かも。
うちは転勤族だからいつか突然引っ越しすることになる、というのは伝えてあって本人もわかっています。
それから、仲良しの友達が転勤で引越ししていなくなってしまう、というのを何度も何度も経験してきたのでイメージはできていると思う。
その度に大泣きしている様子を見ていると、「友達と離れる」ことをすごく悲しんで引きずるので、気持ちの切り替えに時間がかかりそうだなと思ってます。
今は「友達と離れること」よりも「パパと一緒に住めなくなること」の方が嫌だと言っているので、帯同一択ですね。
今後娘の考えが変わっていったら、家族の一員としてみんなで話し合っていきたいな。
転勤生活の楽しみの見つけ方
わたしは旅行好きなので、転勤することが決まったらその土地のガイドブックは必ず買います。
で、紹介されているところを制覇するぞ!って感じでちょこちょこお出かけしますね。
日常的な楽しみだと、パン屋&カフェの発掘!
特に好みのパン屋さんが見つかると、普段の生活で活用できるので重宝します。
そうやって出かけたところやお店をインスタに投稿すると、地元民しか知らない場所の情報が集まってくるんですよー。
いいねを押してくれた人の投稿で新たなお店を発見したり、コメントで教えてくれたり。
その土地に住んでいるからこそ、できる楽しみです。
住んでいる土地の情報収集について
病院のことは隙あらば人に聞きます。
公園でなんとなく一緒に遊んだ親子とか、園庭で挨拶を交わしたママさんとか、ちょっと顔見知りになったご近所さんとか。
「引っ越して来たばかりで」って言えば、みんな普通に教えてくれます。
で、行ってみて合わなければ別のところに行く、の繰り返しですね。
美容室も、口コミ見てよさそうなところに行ってみて合わなけば別のところに行く、の繰り返し。
面倒だけど、もう仕方ないかなー。
予約はホットペッパー経由で!
ホットペッパーってそこから予約して行った人じゃないと口コミが書けないんですね。
悪い評価を書かれたくないので、ホットペッパー経由の予約だとより気を使って接客するらしいです。
(美容師やってる弟に聞いた話だから、本当なんだと思う。試してみて。)
レストランやお店はインスタで探します。
地元の人でそういう情報を投稿している人をフォローして、よさげなところを見つけます。
気になったお店はグーグルマップにリストを作って保存。
いつでも地図上で探せて便利♪
理想の物件はどんな家?
アパート、一軒家、テラスハウス、マンション、いろいろ住んできました。
結果、「階段のない家」が一番暮らしやすい。
そうすると、マンションか平屋の住宅が理想。
マンションと一軒家だったら、一軒家の方が自由で好きなんだけど、町内会など地域の付き合いが面倒くさいのが難点ですねー。
平屋のテラスハウスに住んでいたことがあって、地域づきあいもないうえに専用のゴミ捨て場まであって最高でした!
「相続対策で建てた賃貸」や「いずれ親族が住むつもりで建てた家を賃貸にしている」みたいな物件が住み心地良かったです。
利益優先で建てているわけじゃないので、家のデザインが凝っていたり、標準以上の装備がついていたりします。
反対に「賃貸として利益を出す」ことが第一の目的で建てられた物件は、一軒家なのに雨戸がなかったり、導線が悪い間取りだったり、なんかチープな出来上がり。
住み心地悪いけど仕方ないよね、って感じです。
次に転勤になったら、「学校から近い物件」をメインに探すと思います。
今ね、学校まで遠くて大変そうなの。
「登校がつらい」→「学校に行きたくない」になることもあるので、ただでさえデリケートな「転校」を乗り越えるために意識しておきたいです。
まとめ
ものすごーく長くなってしまったけど、主要な部分は伝えられたかな。
基本的にわたしは意識が過去や未来ではなくて「今」にあるタイプなので、「その時その時で判断しよう」って考えがベースにあります。
せめて引越しのタイミングだけでも決まっていたらいいのに、とは思うしよく言ってるけど、決まってたとしても「先のことは何があるかわからないし」ってなる気がする。
10年後、20年後の未来を思い描くのは苦手なので、みんなちゃんと先のことを考えているのに自分は何も考えていないなと情けなくなる時もありました。
だけど、それって「臨機応変に生きていける」ことでもあるんですよね。
転勤生活を振り返ってみると、できるようになったこと、乗り越えてきたことがたくさんあって、全部「今」につながっているなと感じます。
それでいいみたい。
「自分を押し込んで無理をしている時」が「辛い時」なので、これからも自分の思いを大事にしていきたいな。
似たような感性をお持ちのどなたかの参考になれば嬉しいです。
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