建築家がビジネス感覚を身につける方法
こんにちは。
本日は、ビジネス感覚について書いてみたいと思います。
ここで言うビジネス感覚とは、経営の決算書を見るテクニックなど細かいものではなくて、自身の活動の様々な判断を求められる場面で、どのように行動すれば、自身の事業が良い方向に行くかを判断できる感覚といいますか、そのようなものを、ビジネス感覚として、考えていきたいと思います。
そもそも、建築家の活動はビジネスなのかというのは、答えのない壮大な問題ではあるのですが。。。ただ、客観的に、社会の中で、仕事をし、そこで報酬を貰うというシステムにのっている以上、それはビジネスという側面を持っているという事は言えると思います。
そして、自身で事務所を継続させていく以上、ビジネス的側面を意識することは、悪い事ではないとも思います。(もちろん、ビジネスを意識しなくてもビジネスが成り立ち成功してしまう天才も世の中にはいると思います。)
さて、前置きが長くなりましたが、
私が、アーキテクチャーフォトを立ち上げて、試行錯誤していく中で見つけた、建築家の方にもすぐに使って頂ける、ビジネス感覚を身につける・高めるための方法がありますので、今日はそれを御紹介したいと思います。
その方法というのは、、
「自身が興味のある分野の好きなブランドの動向を、社会背景や経営的側面を含めて、継続的に観察・分析を続けること」
です。
ビジネスという視点においては、ある意味分野は関係ありません。それよりも自身が興味があるということ、好きであるという事が大事です。それがないと、継続的な観察という事ができなくなるためです。
社会的背景や経営的側面を含めると言うのは、常に私たちの生きている社会が動いているものだからです。その社会の動向に対して、ブランドがどのような手を打ったのか、というのは非常に参考になり、ビジネス感覚を高める参考になります。
私の場合ですが、個人的に昔からファッション分野が好きだった事もあり、コムデギャルソンというブランドに注目して、継続的に観察を続けています。
コムデギャルソンは、川久保玲さんというデザイナーが立ち上げたブランドです。その川久保さん「経営もデザインである」という発言を様々なインタビューにて語っているように、非常に優れたデザイナーであるとともに優れた経営者でもあると評価されています。
私は、コムデギャルソンが、どのようなブランド展開をするのか、また川久保さんが、インタビューにてどのように語るのかを、様々な媒体でチェックしています。
コムデギャルソンを観察していると、そのブランドの構成や、会社のシステムなど非常に興味深いことが分かります。
例えば「PLAY」と呼ばれる、ハートマークがワンポイントでついているシリーズ。これは主にTシャツなどで展開されるのですが、一見すると、コムデギャルソンの最先端のデザインを追求する姿勢・イメージとは真逆に感じます。
しかし、店舗をおとずれてみると、アジアからの訪日観光客の皆さんを中心に非常に売れている事が分かります。Tシャツにワンポイントをつけているだけなので、デザイン・生産コストが抑えられるため、販売価格も抑える事ができます。(しかし、その他のブランドのTシャツと同じくらいの価格。利益は確保されていると思います。)
つまり、パリコレクションなどでショーを開いて、最先端のデザインを発表することと同時に、そちらで高めたブランドのバリューを生かして、より安価で購入できるシリーズを、別ブランド的に立ち上げることで、既存のブランドイメージを損ねることなく、利益を上げる事も追求できる仕組みがつくられているのです。これは、非常にクレバーな経営方法で、すぐれたビジネス感覚を川久保さんが持っていることが分かります。
これは、ほんの一例ですが、同じブランドを継続的に観察し続けていると、本当に色々な発見気づきがあります。
そして、ここで得たものは、自身が何らかの判断を迫られた際に、答えを出すためのヒントになると思います。
是非、自身が好きなブランドを、ただ好きで購入するだけでなく、観察し・分析するという視点を持ってみてください。
そのブランドが、どのようなキャンペーンを行ったのか、どのような広告を出したのか、どのような商品を投入したのか。そのブランドが成功しているのであれば、その裏には間違いなく、ビジネス的・経営的判断が隠れていると言ってもよいでしょう。
間違いなく、自身のビジネス感覚を高めてくれるヒントが得られると思います。おススメです。
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