動きに順応し、デザインは無限!ピースの集合体"BAOBAO"
幾何学文様は、その規則性や反復性に中毒性があるのだろうか。BAOBAOシリーズは世界中で愛されて、模倣品も後を絶たない。
BAOBAOは、ピースを組み合わせた構成により、自由自在な動きを可能とする革新的なコンセプトと製法のバッグブランド。2000年にプリーツプリーツバイイッセイミヤケで発表し、2010年からブランドとして展開。
第一印象で、建築的なアプローチをしたデザインだと思った。デザイナーの松村光氏は、フランク・ゲーリー氏が設計したグッゲンハイム・ビルバオから着想を得たという。予めデザインをするのではなく、可変性のあり色んなデザインを構築できるスキームをあの金属クシャクシャプレートを参考た確立した。
松村氏は現在、独立して「52BY HIKARU MATSUMURA」を展開。こちらも同じデザイナーなので当然だが、BAOBAOと親戚的なデザインでありながら幾何学パターンが更に変化していて必見!
私が思うBAOBAOが放つ魅力とは
1.トラス構造にも通ずる形態美
初めてBAOBAOのデザインを見た時、大学時代に習ったトラス構造を思い出した。三角形によるピン接合で高い強度を保ち、橋梁やアトリウム空間の大屋根などの構造に活用される。シンプルで合理的、規則的に三角形が反復されるその形態は美しい。そういう形態美を多く見てきたが、決して手に入るものではなかった。それゆえにこれを普段身につけられるのは何だか嬉しかった。
2.ピース同士の隙間が機能的かつ魅力的
何と言ってもピース同士の隙間が機能性とデザインの決め手。黒い部分はメッシュ状になっていて、ここが動くことで複雑なカタチの変化を可能にし、様々な表情を楽しめる。シンプルなトートからショルダー、リュックまで立体的な形状にもこの隙が活躍する。それでいてピースを際立たせる縁取りのようなデザイン上の役割を果たす。ピースの表面もマットや光沢、カラーバリエーションも多く、角度の変化によって見えるピースの色みや陰影もまた魅力である。
3.日本の伝統幾何学文様を彷彿とさせる
よくお茶碗とかでみる麻の葉文様にも雰囲気が似ている。日本の伝統的な幾何学文様は、緻密で涼やかな印象だ。平安時代には既に衣類に用いられていたそうだが、今でも日常的に使われている。無駄がない日本古来の美しさや普遍性はこのバッグのデザインも共通するだろう。
仕事に普段の買い物にも気軽に使える分、荷物を詰め込み過ぎると持ち手でダメになるので要注意。
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