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【今すぐ辞めろ】〜何故張り上げ発声が危険なのか〜

イチです。今日は何故「張り上げ発声」が危険なのかについて解説します。

「いずれ地声で高音をたくさん歌っていれば出てくるよ〜」
→このアドバイスがいかに主観的であり、
個人によっては生涯歌を楽しめなくなる危険性のあるものなのか
が今回でわかります。

理由は以下の4つ。
声が硬くなりやすい人は①、④に特に気をつけて。
声が弱いのに地声が強い人は③に気をつけてください。

①分離&強化前の強引な呼気圧での力押しだから
②今後のミックス・軽量化にとってメリットがほぼないから
③これで一旦高音が出てしまうと喉が上がる癖がつくから
④最悪の場合、声帯に炎症が起き、戻らなくなる

順番に解説すると、

①分離&強化前の強引な呼気圧


→これ、ボイストレーニング学習者の中でも知らない人もまだいるから驚き。
声を出す際、使われる筋肉は数十種類あります。

これがどう関係する?
→まずダンスをイメージしましょう。

何故ダンスが下手(運動神経が悪いも含む)な人と
そうでない人が大きく分かれるのか。

これは筋肉(関節間の動き)の分離ができてないから。
簡単にいうと動きが硬く、動きが大きいのです。

肘と肩が一緒に動いたり、脊椎の柔軟性がなかったり。
「取り外し」が苦手なんです。

声も全く同じで、声を操りたいならコントロール方法や出し方の前に
自身がどれだけ分離できているかの分離チェックをします。

この分離訓練が最もボイトレで地味であり一見効果が少なく、
歌に直結しないように見えるので、続かない人もいますが、
分離ほどピンポイント。 過集中でトレーニングすべきです。

張り上げ発声というのは今の自分の分離状態を
改善する前に呼気圧(声門下圧)を使って強引に
固まっているものを力押しで稼働させていくことになります。

これは筋肉の柔軟性を獲得し、関節間の操作、
筋肉感の連動を覚える前に人前でダンスするようなもの。

当然うまく踊れないし大振りになるか小振りになります。

歌でうまく声が出ないのもそれと全く同じだと
思った方がわかりやすいでしょう。

分離についてはYoutubeで1時間30分のボイトレ動画を
出しているので、そちらで確認してみてください。
プロフィール↓のリンクから飛べます。

②今後の高音軽量化にとっていいことが少ない

2つ目は張り上げ発声⇄裏声ベースミックス
(ベルティングも
含む)で使う筋肉とバランスがまるで異なるから。

張り上げ発声で主に鍛わる筋肉は
・腹筋群(声門下圧)
・甲状披裂筋
・仮声帯(地声が強すぎる場合で裏声分離が甘い人)
・甲状舌骨筋(声が明るい喉が上がるタイプ)
・輪状甲状筋斜部
・その他顎周辺の筋肉

一方裏声ベースで主に使われる筋肉は
・声門下圧-上圧のバランス
・声帯筋(内側甲状披裂筋)
・口蓋咽頭筋
・輪状甲状筋垂部(直部)
・その他外喉頭の拮抗サポート

つまり分離&強化で各種を鍛えられたとしても、
この軽量化のバランスを知らないと最適化が狙えません。

難しいですよね。

最適化=160キロストレートで投げられる
ピッチャーが9回まで毎回全力ストレートで投げる?
→投げないですよね。

歌も同じで軽量化(高音が小声でも出せる) ができる上で
ベルティングしているからこそ、大きくしたり弱くしたり、
ファルセットに逃したり、ライブで声が長持ちする。

そしてこの軽量化の下地には
分離&強化された上での確かな筋肉の土台があるわけです。

この高音の軽量化については今後のメルマガで
期間限定の配信をするので、それを参考にしてみてください。
(生徒さんは来週のグループレッスンにて。)

③これで一旦高音が出てしまうと喉が上がる癖がつく

3つ目は甲状舌骨筋で引っ張るパターン。
高音が出ると、一見歌えてるのでいいのでは?
と思うかもしれないが、これもバランスを崩しやすい型の1つで

・音色に深みが出ない
・声の芯が弱くなる(倍音が少ない)
・滑舌が悪い

などに現れます。
ちなみに僕はこれで数年悩ました。
分離&強化&ミックスの質が甘かったからです。

もう賢い人は気付いたと思いますが、
こういった独自の「出しにくい型」は全て
出しやすい型に必要な基準から外れた結果であり、
パターンは無限にあります。

一見声が出ても◯◯になると◯◯になるんです
と症状を訴えるなら、分離・強化状態と軽量化状態

さらには楽器の状態まで彫っていくと確実に
どこが原因でそうなってるかが判別できます。

自分一人で無理な方は、
「自分一人で改善できるようにするために」
スクールで良い先生に習いましょう。

最後が最もヤバいエンドなので こうならないようには気を付けてください。


④最悪の場合、声帯に炎症が起き、戻らなくなる

最後は声帯そのものに炎症が起きるパターン。

声門が強く合わさりすぎてしまい、柔軟性が消え、
硬くなってきてもそのまま声帯を擦り続けるとハスキーになってきます。

出せる音域と出せない音域で クッキリ分かれて、
出る音域はキンキン鳴りすぎ、出ない音域超エアー
みたいな感じになります。

ここまでくると声帯結節・ポリープなどになります。

一旦病院行くか病院行って経過見てドクターの意向聞いてから
出ないと絶対レッスンしません。

この症状の何が怖いかって、 ポリープになることではありません。

無茶して出さないと、声は出せないもの
と脳と声が認識してしまうこと。これが一番厄介。

これが根強い人ほどボイトレでマインドブロックが
起きやすくなります。つまり正しいことを正しいとわかっていても、
それができるようにならない壁が増えます。

こうなる前にきちんと声の教養を身につけておくことは、
遅かれ早かれあなたを必ず救ってくれます。

以上、張り上げは危険であり、
自分の声(楽器)のことを知る努力や姿勢は 欠かさず持っていきましょう。

それが自分史上最高の歌声を見つけられる最初の一歩です。

今回は張り上げについて取り上げましたが、
張り上げにも様々な張り上げがあります。
(張り上げたことによって傾いたバランスによって出た声)

もしガサガサ声や滑舌の悪い声、
高音発声への解像度が上がっておらず、

的外れな世界を彷徨ってしまってると感じてる方は
こちらを参考にしてみてください。

・喉と声帯の仕組みを世界一わかりやすく言語化
・喉仏の高い・低い問題を速攻解決
・高音が重い・軽いの「作り方」
・裏声ベースミックスの組み立て方
・ベルティングするには〜

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