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「ただ感じるだけ」の2人の天使

今日も梅雨らしい一日だった。まだ笹鳴きしか出来ない鶯が、時折り見えた晴れ間にチャンスとばかりに鳴いていた。

雨が続けば晴れ間を望み、照り過ぎれば直ぐ嘆く。大人になると今足りないモノをジッと見つめることが上手くなる。

入浴中、ジプロックの中の携帯画面に届いたLINE通知。幼子二人の動画写真。一人はテケンと座る後姿。もう一人は隣りに座って働きかける横顔。

大好きな絵本を親愛の情をこめて差し出す。

「どーじょー!」

「……。」

「それでは…コチラはいかが?」とばかりにレモンを差し出す。自分の好物で、彼はコレを「シッパイ」と呼ぶ。一応通訳すると「酸っぱい」である。w

「……。」

反応がない、小さくはあるが何故か風格のある後姿。その無反応ぶりに何の判断もせずに座り直してレモンをかじり始める。

小さな背中が二つ仲良く並んだ。

レモンのさわやかさをただ味わう素直な背中と、言い訳や罪悪感の微塵もない潔さ。何だか手を合わせたい気持ちになった。

まるでパンチャカルマ(心身浄化)を受けて、しばらく過剰に蓄積していたピッタの調整を受けたような思いだった。


明日も良い日になりそうだ。


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