【荒井邦彦氏×齋藤隆太対談】 新しい事業承継のスタンダードをつくる

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「事業承継マッチングプラットフォーム relay(リレイ)」を運営する株式会社ライトライトは、東証プライム上場企業でM&A仲介事業を行う株式会社ストライクと資本業務提携契約を締結しました。

大手から中小企業、個人事業主まで、あまねく人が後継者を探せる未来をつくるため、タッグを組んだ両者。株式会社ストライクの荒井邦彦社長と連携へ向けてのお話をさせていただきました!

地域で愛される事業を残すための新たな思考

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齋藤隆太氏(以下、齋藤):今日はよろしくお願いします!始まりは鈴木さん(※1)がコメンテーターとして参加しておられたイベントに僕が登壇して、お声がけをいただいたところからでしたよね。

荒井邦彦氏(以下、荒井):そうです。鈴木から「面白いことをやっている会社がありますよ」と紹介されてrelayのことを知りました。M&A業界の人にとって、実名で公募することはご法度だから、私がやりたくてもできなかったことをやっていてすごいなと思いました。サイトの作り込みもきれいで、これをやっている人に会いたいなって。

齋藤:もうめちゃくちゃ嬉しい言葉です…!ありがとうございます。今のクローズドなルールって、荒井さんが起業した当初からそうだったんですか?

荒井:そうですね。M&A業界でなぜ秘密保持が大事かというと、会社の規模がある程度大きいからなんですよね。従業員が100人、200人いるような会社だとそれぞれの役割もあるし、色々考える方がいらっしゃる。自分の会社が売られているのを知ると、「何かやばいんじゃないか」と感じて、あらぬ誤解をして転職を考える人も出てきてしまうかもしれないし、お客さんも取引先も不安になってしまう。関係性が複雑なので情報が漏れると大変なことになるという懸念があると思うんですよね。

翻って小規模な事業体を考えると、あまり波及するところがない。地元のパン屋さんなど、地元で愛されているようなお店だと店主が居なくなったら続けていけなくなってしまう。もちろん、取引先やアルバイトの人が不安になることもあるかもしれませんが、会社名を実名で出すメリットとデメリットを比較すると、出すメリットの方が大きいんじゃないかと思っていたんですよね。relayのやり方は小規模な案件では有効だな、自分がやりたくてやれなかったことをやってくれている人がいると思いました。規模は大きくないけれども、地元に残していかなければならない事業というのは僕らだけでは無理だなと思って、齋藤さんたちと一緒にがんばりたいなと思ったんです。もともとは地域を元気にしようというところから入っていますもんね。

齋藤:そうですね。以前やっていたクラウドファンディングもあえて地域版にしていました。やっぱり都市部に住んでいる地方出身者が、いかに地域に対してアクションするかとか、どうやったら地元に戻れるようなコミュニティーができていくかを考えて、それに資するサービスをつくりたいという想いが根本にあるんですよね。

荒井さんは今もなおご自身で地方に足を運ばれていて、本当にすごいなと思っているんですけど、地域に足を運ぶとリアルな声が聞こえてきますよね。本当に困っている人や現場の生の声がすごく重要で、後継者がいないという声が悲痛に聞こえてきたり、周りの方がなんとかしてあげようと動いていたりとか。それを見て、自分の経験を活かしていきたいと考えました。地域や地方のビジネスをやりたいというのが一番の軸ですね。

オーナーの事業の最後を花道に

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荒井:人口が減少し、社会の高齢化も進んでいく中で人の生活を守っていくというのはなかなか壮大な目標になるじゃないですか。小さいお店であっても、なくなると困るわけですからね。

齋藤:地域の人や自治体などが、目の前に危機がきてようやく焦り始めてドタバタするというのをかなり目にしてきていたので、それをなんとか助けたいという想いもありますし、事前に準備をしておけば対応できることを立証したい。地域の中で新しいスタンダードを作りたいという想いがありますね。

地域の中を見ていると最終的にお店を閉じるとき、散りゆく者のように見えるんですけど、一人のオーナーの事業の終わりを花道のように、周りに拍手されながら次にいけるようにできたらいいなと思っています。公開するとネット上でもすごく人気になって話題になるケースも出てきているので、増やしていきたいなという思いはありますね。事業者さんにとっても、自分のやってきたことを継ぎたい」と支持されていることを実感できて、注目されているというのはモチベーションにもなるかもしれない。「やってきて良かったな」と思わせることができるんじゃないかなと思っています。

事業承継は地域にどうあるべきかを考え続けたい

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齋藤:荒井さんが起業された25年前といったら、そもそもWebサイトを作れるかどうかみたいな時代ですよね。

荒井:あの時はアメリカのサイトを真似して作ったんです。これをかっこいいと思って作ってたのかっていうぐらい恥ずかしいやつ(笑)今度お見せしますね。

齋藤:楽しみです!黎明期からM&A業界の第一線を引っ張られてこられて、本当にすごいと思います。その開拓精神みたいなところも学ばせていただきたいです。最初のオフィスってどこだったんですか。

荒井:1カ所目は渋谷の桜丘。その次が市ヶ谷の法政大学の近くでした。

齋藤:そうなんですね。僕も前に立ち上げた会社が桜丘にあったんですよ!しかも学生時代は市ヶ谷に住んでました(笑)市ヶ谷は時期的には同じくらいですね。

荒井:それは馴染みがありますね!どこかですれ違ってたかも(笑)

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齋藤:この間、自治体の後継者マッチングオンラインイベントのお手伝いをしたのですが、売り手さんの話を聞きたい買い手さんも結構いらっしゃいました。せっかくオープンにできているので、その利点を活かして今後はリアルイベントみたいなものもやっていきたいと考えています。

荒井:今は色々と変わり目になってきていますよね。地域に目が向けられるようになって、共感性を持って受け入れられやすい環境なのかな。

齋藤:買い手側のコミュニティー作りも考えています。自治体としてはUIターンを絡ませたい想いがあるんですよね。事業承継をフックに起業や創業をくっつけて人を呼び戻していこうという連携を始める予定です。そういう意味では、買い手側に関する教育みたいなものも、ニーズが出てきているのかなと思っています。地域で事業を買いたい個人の方々のコミュニティーをつくって事業承継に関するスクール事業をすることなども考えています。「儲けのためだけに」というより、地域のために考えていけるような方々をネットワークしたいですね。

荒井:目的が違うと結果が変わっちゃいますからね。儲ければいいという軸もあっていいと思うんだけど、ちょっと何か僕には合わないかなと。

齋藤:そうですね。やっぱり地域にどうあるべきかということも考えてほしいです。事業承継するためのテクニックだけでなく、地域からの見え方や地域に受け入れられるために必要な考え方や方法などを伝えられる部分はあると思うので、そういう人たちに地域にきてほしいなと思います。

事業承継の新たな常識を創り出す

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荒井:我々からすると対応できていないところがやっぱりあるわけですよ。地域にある有名なお店でもM&A仲介に当てはまらないけど、はまる世界があると思う。これからそういうのを一緒にやれたらいいなと思います。

齋藤:ありがとうございます。僕らとしては、シンプルに事業承継業界をオープンにするっていうところに、さらに本気度で取り組めると考えています。ストライクを連携できることで、一個人が言い出した業界へのアンチテーゼのようなものが現実味を帯びてくることはとてもやりがいがあります。同時にビジョンや理念に向けて邁進できる非常にありがたい機会です。それをテーマとしてご評価いただいてタッグが組めるというのは、僕らにとってはもうこれ以上ないことだと思いますし、メンバーにとっても私たちにとってもとても力強い連携になると思います。頑張らせていただきたいなと思います。

荒井:ぜひやりましょう。盛り上げていきましょう!

齋藤:よろしくお願いします!!

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