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1人の時間

単身赴任で頑張っておられる方から、甘いと言われてしまいそうだけど、採用シーズンを含めて年間に合計で100日近く出張している。

その際、余程の事がない限り、いつも決まったビジネスホテルを利用しているが、関西を中心に担当して10年位になるので、観光シーズンなど予約の難しい時期でも名前を言えば、ありがたい事に部屋を用意してくれる。

シーズン時は1ヶ月くらい滞在するので、朝は『いってらっしゃいませ!』と笑顔で送り出されるし、仕事を終えて戻れば、部屋番号を言わなくても 『お疲れさまでした!』と笑顔で迎えてくれる。
知り合いもいないところで面識のない学生と話す仕事、唯一の顔見知りのフロント対応が心地良くて、他のホテルに浮気ができない。

もっともチェックアウト時にフロントで支払い金額を聞いた後ろで並ぶ人が 『えっ?』って驚く。確かに1ヵ月分だからかなり高額になっているもんね(笑)。

こういう生活が15年になると、やっぱり時間の使い方も上手くなる。
待ち合わせまで、初めは時間つぶしにパチンコしていたが、最近は喫茶店で本を読んだり、美術館に行ったり、アクセサリー好きなので、ウィンドショッピングを楽しんでいる。

でも最近一番変わったと思うのはホテル内の時間の使い方。
以前は雑誌を読んでいただけだったのが、PCを持ち込んでメールチェックするようになり、最近は趣味のエッセイを書いたりしている。自分を振り返ると言えば大袈裟だけど、今までを見つめ直したり、これからを漠然と考えたり、いい時間の使い方をさせてもらっている。
よく考えれば、自分の天井を高くしてくれる誰からも邪魔されるない時間は贅沢だと思う。

心の天井というのは放っておくと少しづつ低くなっていく。
何かを見ても、素直に感動出来る感性や許容量も少なくなっていく。アンテナを張って色々な物を見たり、こうして『書く』という作業は、僕にとってはとても大事な作業。じゃないと気が付くとだんだん背中が丸くなっていく気分がする。どうせ歩くなら、やっぱり胸を張って歩きたい。

夏の暑さも一息ついて窓から虫の声が聞こえてくる季節。ふと目を見上げれば綺麗な月。秋が近づいて来ている。

来年の入社式までは、決して気が抜けないけど、年間を通して積み重ねていく採用という仕事も終盤が近づいている。先日も採用関係の業者のセミナーが開催され参加した。今年の中間総括と来年の展望というテーマだった。「そうかぁ。もう総括するんだなぁ。」
って素朴に感じた担当者も多かったと思う。裏側に「もう来年が始まるのかなぁ」って気持ちも含めてね。

今年を振り返る話は、以前『分岐点に立つ仕事』というエッセイで書いた。今年の総括をまた改めてアップしようと思うから詳しくは触れないが、企業も学生も手探りの1年だったのは間違いない。

僕は就職活動は可能性を探す作業だと考えている。
企業の可能性の為に必要な学生を採用する事。自分の将来の可能性の為に必要な企業選び。

「可能性=夢。」とは考えたくはない。
可能性は将来の自分への約束だと思っている。約束は夢じゃないから絶対に実現出来る。そんな気持ちで就職活動をして欲しいと思っている。

その約束の場に立ち会えるのが僕たち採用担当者なんだ。

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