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ほぼボッチの窓辺@1話

純粋な人たちが戦乱を手助けする仕組み

世の中には2対6対2の法則というものがあるらしい

これは昆虫から哺乳動物まで、組織(コロニー・群れ)を形成する集団に、しばしばみられる法則なんだそうだ

これは人の組織においてもしばしば説得力を持つとパレートとかいう経済学者が提唱していたらしい

この仮定が的を射ているとするなら、帽子たちはよくよく注意しなければならないことがあると思う

この仮定に人類を当てはめ、6割程度は素直で真面目で優しく、2割程度は極めて純粋で、残りの2割は極めて邪(よこしま)だとしよう

「邪は2割しかいないし、残りの8割は良い人たちなんだから、人類は仲良くできて当たり前だよね♡」とはならないよな。。。ということに気付いていしまったあなたは、帽子たち側の人

お気の毒だと思う

邪の中には、詐欺を得意とする輩(やから)が多くいると考えられる

詐欺師たちにとって、純粋で素直な人こそカモだ
それこそ、赤子の手をひねるように騙せてしまう

帽子のように、人の世を斜に構えて眺め、あれこれとチェックし直すような性悪は、詐欺になど滅多と引っかからない

詐欺師たちは目ざとく、極めて純粋な人を標的とし、いとも容易く手玉にとる

その純粋な人たちは、私生活が極めて美しいので、社会的信頼を手にしている

そして詐欺師たちに操られた純粋な人たちの言動に、多数派の6割も「あの人のことだから間違いない!」と、これまた容易く信じてしまう

この仕組みを活用し、邪の2割は残りの8割を支配する

残りの8割の中にも、帽子たち側の人もいるが、8割の中の更に2割に満たない勘定になる

自分の判断が、世の中に確実にいる詐欺師たちに悪用されていないかをチェックする人たちは全体の中で極めて少数派となる

自然な流れで見れば、圧倒的少数派の言葉が通るほど、世の中は甘くない
それがどれほど理に適っているとしてもだ

だから帽子たち側にいる人のほとんどは、しばしば周囲から煙たがられ嫌われる

この仕組みを何百年も前に手に入れた邪たちは、今も純粋な人たちを操って、彼らの支配を拡大させる努力を怠らない

あなたが感じている「不自然さ」は、邪が仕掛けた詐欺の結果である可能性が高いと思う

これだけ技術が発達し生産効率が向上した人の世で、未だ、無辜な人たちの命が理不尽に奪われることがなくならないという不自然も、そのひとつだ

帽子が大好きな人たちの中には、純粋で素直で優しくて勤勉な素晴らしい人たちがたくさんいる

彼らが詐欺師たちに操られ、気付かないままに加担してしまっている姿が、しばしば帽子の心を捩(ね)じ切ろうとする

それをなんとかしたくて、動けば動くほど、帽子たちは嫌われていく

そしていつしか、諦め口を閉ざし、ただ、祈ることしかできなくなるんだ

こうして歴史は繰り返されてしまうんだろう

祈り儚く

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