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コンセプトワーク2
前回は、なぜツアーをするのか、ということを「地域の持続可能性に貢献する」というビジョンへ向けて紡いでいきました。
今回はツアー自体にフォーカスして、考えを進めてみたいと思います。
ツアーをやることで地域のコモンズを見つける、ということが、主催者側から見たツアーのミッションですが、ではお客さんからみたこのツアーのバリューはなんでしょうか。
なんとなく浮かんでくるのは「作ることと試すこと」ですね。またもや直感です。
うーん、ちょっと先に行き過ぎたような気がします。まずはコモンズを見つけるメカニズムを考えます。
コモンズは贈与としてツアー客の前に現れます。それによってツアー客は地域と関係性を結んでしまうのですが、意識としてはコモンズを直接意識するわけではなく、結ばれた関係性に気づくだけです。
例えば、ツアー客が体験農業で田植えをします。体験が終わった後ふと自分が植えた田を見ると、隣の田んぼを見るのとは違う気持ちになります。このとき、ツアー客は地域と関係性を結んだことを感じますが、コモンズからの贈与に意識的になるわけではないでしょう。
このときコモンズが何なのかは、分かりません。私たちにも分かりません。田んぼの風景なのか、田植えという体験なのか、ひととのコミュニケーションなのか、時間なのか、昼飯なのか、もっと些細な何かなのか…
ですので、ここからコモンズを抽出するには、何かしらの手段が必要でしょう。例えば今でいえば、インスタグラムなどのSNSでの投稿かもしれませんし、絵を描くことかもしれません。俳句を詠うことかもしれませんし、物語ることかもしれません。
何か、ツアー客が、自ずからコモンズを表現してしまうような仕組みがあるとベストです。
もう少し解像度を上げて、ツアー客が地域と関係性を結ぶメカニズムを見てみます。
先程の田植えの例でいえば、自分が田植えした田んぼと隣の田んぼの違いに気づくときに関係性を感じるわけですが、ここで大切なのは、違いを感じることです。センス、です。
そしてなぜ自分の田植えした田んぼと隣の田んぼに違いが生まれるのかといえば、それは主体的に関わりを持ったからではないでしょうか。というか、そういう仮説をわたしは考えました。もう少し解像度を上げるなら、主体的なコミュニケーションがそこで起きたから、ということかもしれません。
なんらかのコモンズとのコミュニケーションに主体的に関わることで、田んぼに対する感覚の違いが生まれる。これがツアー客と地域が関係性を結ぶメカニズムの、わたしの仮説です。
感じること、コミュニケートすること、主体的となること、これらがツアー客と地域が関係性を持つために、ツアー客に要求されることですが、転じてこれらをツアーのバリューとして定義するのはどうでしょうか。
tour of sense
コミュニケーションをデザインする旅
わたしのツアーコンセプトは上記としてまとめられそうです。
もっと圧縮してフレーズとするなら
・非日常の日常化
・いきつけの田舎
・消費の旅ではなく、作る旅
・試す旅
というのでも良いかもしれません。
以上をもって、次回のディスカッションに臨みたいと思います。
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