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バイカーへの道①なぜ免許を取りに行こうと思ったのか

46歳の春、私は決心をする

『バイクの免許を取る!』

夫のバイク好きに感化されているのは否めないが、もうずっと前からバイカーへの憧れはあった

あったけど、『教習所に行く』ということがまずネック
なんとなくめんどくさい
時間とお金も必要
「行くのが嫌だよぅ、コワイよぅ」と半ベソで二輪免許取得の為に教習所通いをしていた姉の記憶もある(結局取得したものの一度も乗っていない)

年齢的にもう遅いような気もしていた
果たしておばさんが教習所にいるのか⁈
物覚えも悪くなり、鈍臭い私が大丈夫か⁈

更に、遡る事3年
「免許取れば?」と夫に言われた時に私は一度その気になったのだ

女性ライダーには「いつ免許取ったの?」「バイクは女でも起こせるの?」「私でも大丈夫かなあ?」と質問しては自分を安心させていた

新しい事を始めるんだとウキウキしていたある日
見てしまったのだ
生々しいバイクの死亡事故現場を
毎日通る道で…

バイカーへの道の意気込みは一気に冷めていった

時間薬とはよく言ったもので、今年に入り再熱

時間はある
お金もなんとかなる

極め付けは夫の一言だった

「君にもバイクの楽しさを知って欲しい」

知りたいさ
ああ、知りたいさ!

波乗りだって、車だって、あの颯爽と走る清々しさやカービングの気持ちよさはたまらない

バイクなんて、さぞかし楽しいだろうに!

この半島の先の方の、海が見えるあのカーブがある道をバイクで走ってみたい!

バイクの後ろに乗るのはつまらない
急にアクセルを回そうものなら軽く苛立つほどだ

Gがかかって身体は緊張するし、後ろで風を受けたって息苦しい上に目まで瞑りたくなりなんにも楽しくない
腰じゃなくて、ハンドルを持たせてくれ!

自分で運転した方が絶対楽しい
常々思っていた

当初の私はモーターサイクルらしいモーターサイクルはまあいいや、と思っていて目指すはベスパ
50ccじゃ嫌だ!とそこら辺は変なこだわり

日頃の足として、トコトコお洒落に乗り回すつもりだったのだ
きっとそれだけで楽しい

あわよくば、中免さえあれば夫の所有するバイクにも乗れるだろうし、大型はちょっと無理かもだけど、車のマニュアル車の運転がデカイおもちゃの操縦みたいで楽しい私は「中型普通免許(MT)」を持っておいたら「人生の中でおもしろい遊び」がまたひとつ増えると思った

46歳
あと何年、私として生きる?
いつまでこの元気さでいられる?
私のものとして与えられた命は有限だ

やりたい事はやっときたい
自分の望みは叶えたい

バイクの楽しさを知らないままこの世を去るなんて嫌だ!
「ああ…あの時免許を取っておけば…」なんて思う自分に出会いたくない!
おもしろい事は体験しときたい!

とは裏腹に、たまに顔を出す不安感
事故現場が脳裏をよぎる

無理かも…

は?無理かも?
いやいやいやいや、無理なことあるかーい!

どうしたって前者の自分が前に躍り出る

ネットで教習所事情に探りを入れながら心はあちこちしたが、ついに決心した

二輪専用の教習所に入校希望の電話をかけた

「明後日なら、同じような人が何人か入校されるので…いかがでしょうか?」

「はい!じゃあ、その日でお願いします!」

仲間がいると思うだけでなんと心強いのか!

そうして、入校日を迎えることになる

続く

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