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サム・サンデー・モーニング (霧島昇・小川静江)。

霧島昇と小川静江の歌う「サム・サンデー・モーニング」。山口国俊作詞、服部良一作曲で、もちろん某局日曜朝のワイドショーとは全く関係ありません。冗談はさておき昭和11年に「僕の想い出」を歌ってデビューした霧島昇は、一連の松竹映画主題歌や戦時歌謡でヒットを重ねて行き、いつしか会社の看板歌手として広く認知されるに至りました。また歌唱法もデビュー時に比較して低音の渋いタッチになり、そのダンディかつ渋い歌声はどの作曲家の楽曲を歌ってもマッチして、レパートリーを増やしたのです。また同時期にコロムビア入りしたのが服部良一であり、早くも翌年初頭に「街のピエロ」と云う歌で初顔合わせ。以降長年に渡って仕事を共にし、戦争が終わると服部は再び洒落た楽曲を次々と世に送り出して、霧島も「胸の振り子」「夢去りぬ」とヒット曲を新たにしました🎼。

「サム・サンデー・モーニング」は、霧島が既にスター歌手として落ち着いた人気を得た時期の一曲で、タイトルには「愛しい人と過ごす日曜日の朝」と云う意味が込められているとか。甘いバラードでミュート・トランペットのリードで歌が始まります。一番は霧島、二番は小川が前半部を歌った後でデュエットになるという流れ。両人の甘く囁く様な歌唱と絹の様なサウンドは、靄の掛かった静かな朝の様で、夫婦の変わらぬ愛を歌い上げております。此の歌は松原操と結婚し、早10年目を迎えた霧島へのプレゼントだったのでしょうか。妻は育児の為に引退した後だったので、代わりに小川静江が相手役を務めたのかも知れません。彼女は服部が中野忠晴から引き継いだ、リズム・シスターズのボーカリストで、ソロ曲では「さようなら」「午前二時のブルース」を入れています😀。

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