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強い兵隊 (望月誠)

今日は太平洋戦争開戦の日、所謂「大詔奉仕戴日」ですが、意地張ってそれより前の時代の歌を。これは童謡歌手望月誠が歌う「強い兵隊」で、清水かつら作詞、平岡均之(きんし)作曲です。満州事変後、海を渡って従軍した兵士らが堂々たる凱旋を果たし、大日本帝国は絶頂期を迎へます。国内は戦勝ムードとナショナリズムに沸き返り、歌や映画の世界にもその現象は如実に現れていました。童謡とて例外ではなく、例えば「昭和の子供」「チューリップと兵隊」「黒いおべべの兵隊さん」「かっぽかっぽ兵隊さん」などがレコード化されて好評を得ていました。此の「強い兵隊」もその一曲でして、作詞は「雀の学校」「靴が鳴る」で有名な清水かつら。時局に沿った楽曲は初めて聴いたかと思います。作曲者の平岡も多くの童謡やコーラスを手掛けた他、流行歌も手掛けました🎼。

「強い兵隊」は三番構成で、歌い易いスマートなメロディです。凱旋行進する兵士らへの憧れを掻き立てる様な溌剌な歌詞、伴奏は吹奏楽スタイルで、ブラス陣の吹くトランペットやテューバの音色も勇壮に響き渡るカッコ良さを纏った編曲。終奏では進軍ラッパも交えてシンプルに決めていました。望月誠は当時は5、6歳と言った所で名前を伏せれば男の子とも女の子とも分からない程に可愛いらしい歌声です。詳細なプロフィールは分からないのですが、JOAKの児童向けラジオ番組「こどものじかん」に大川澄子や四家文子らと共演したりして、歌や児童劇にラジオと活躍しておりました。後に発売される児童劇のレコード「蛙の野球戦」では二村定一とも共演。裏面も同じく望月誠が歌う「オヤ・オヤ・島」がカップリングされており、レコードは昭和9年秋頃に発売されています😀。

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