カリオカ (小林千代子)。
小林千代子の歌う「カリオカ」。原町みつを作詞、紙恭輔編曲で、原曲は1933年公開の米RKO映画「空中レビュー時代」の主題歌です。本作はソートン・フリーラント監督がメガホンを取り、主演はメキメキと頭角を表してきたダンシングスター、フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースのコンビに加えて、ドロレス・デルリオやジーン・レイモンドらが助演しました。本作はブラジルのリオデジャネイロを舞台にしており、タイトルにある様に飛行機を用いた特撮も交えた、一時間半のミュージカル・コメディでした。日本ではアメリカより半年遅れて輸入され、昭和9年5月に公開されております。主題歌の「カリオカ」とは“リオっ子”と云う意味があり、作曲は「ハレルヤ」などを書いたヴィンセント・ユーマンス。日本でも楽譜や洋盤が発売され、人気曲となりました🎼。
主題歌の「カリオカ」は2番構成であり、作詞の原町は佐伯孝夫の事。ワンコーラスあたりAメロBメロに分かれております。お淑やかな音色ながら、スロー・ルンバの旋律には夜のビル街の雰囲気が感じられ、小林千代子の艶ある歌声と曲の世界がマッチしておりました。此の歌が売れた事もあってか、彼女はビクターでのジャズソングの女王となり、以降「夜も昼も」「想い出の煙」など数々のナンバーを録音したのです。伴奏は“紙恭輔とそのジャズバンド”とあり、紙は井田一郎や服部良一と並ぶアレンジャーでした。コロムビア・ジャズバンドの楽長でしたが、井田に任せてアメリカに留学し、最新のジャズを身につけて帰国。その後はPCL映画や松竹歌劇の音楽担当として大活躍しております。裏面も同じ顔ぶれで入れた「月の出頃」で、レコードは昭和9年末に発売されています😀。
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