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ジャワ・メロディー (淡谷のり子)。

全く凌ぎ様のない、茹だる様な暑さが続いております。関東圏に限れば梅雨らしい梅雨もないまま夏本番になってしまい、日々冷房が欠かせません。前置きが長くなりましたが、今夜は淡谷のり子の初期楽曲から「ジャワ・メロディー」を。西岡水朗作詞、杉山長谷夫作曲で、発足間もないキングからの発売です。大日本雄弁会講談社は当時から日本最大の出版社として君臨し、かの「少年倶楽部」「少女倶楽部」は子供達の愛読書の定番であり、また雑誌「キング」も大人気でした。そのキングの名を取ってレコードレーベルの設立が発表され、講談社は音楽業界への進出を行う事になります。そして雑誌上で読者から新譜の歌詞公募を堂々行い、他社とは違う陣容で健全な流行歌を中心に世に送り出しますが、その第一回新譜のレコは国歌「君が代」「天皇鑽仰」と云う厳しいものでした🎼。

「ジャワ・メロディー」は、常夏気分が溢れる賑やかで弾む様なメロディ、南国で裸のまま楽しく過ごそうと云うテーマの歌。伴奏は太鼓、シンバル、ピアノ、バイオリン、トランペットなど。淡谷のり子はまだ声楽のキレが色濃く残る歌唱でマイクに向かいましたが、初期の頃よりかは幾分か明瞭な発声になっています。曲の所々で”バシン!バシン!“と鳴り渡るシンバルが灼熱の太陽を思わせて、南国ジャワの空気を上手く曲で表しております。作曲者杉山長谷夫は日本歌曲以外では大衆向けの流行歌でも大活躍し、淡谷には「とんとん拍子」「神楽ざかり」「そんなにお気に召しまして」等、キングとコロムビア双方を含めて約9曲を提供しました。裏面には朝居丸子の唄う日本調新小唄「ジャワは極楽」が組まれており、キング第一回新譜として昭和6年初頭に発売されています😀。

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