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たのしき家路へ (ディック・ミネ)。

いよいよ恒例の大型連休、即ちゴールデン・ウィークの到来です。旅行に出る方、里帰りする方、仕事の方、お休みだけど家族サービスでお忙しい方、家事に追われる方…。日本列島様々な連休模様が繰り広げられますが、私も地元に帰ります。前置きが長くなりましたが、と云う訳で今夜はディック・ミネの「たのしき家路へ」を。彼自身が作詞とアレンジを兼務しております。学生時代からバンドマンとして鳴らした彼は、器用にドラムを叩いたら、時にギターを弾いてみせたりと多才ぶりを発揮し、ダンスホールやレコード吹き込みにも積極的に参加。昭和5年にはポリドールから発売された奥田良三歌唱のジャズソングの「リオ・リタ」「ジャズ・パリ」でスティール・ギターを担当し、三年後にはミス・コロムビアの「十九の春」の伴奏も務め、その冴えた音色を音盤に刻みました💿。

「たのしき家路へ」の原曲は、1928年に書かれた“Im singeing home”と云うナンバーです。ビング・クロスビーの歌うポール・ホワイトマン楽団のレコードが出ており、日本でも天野喜久代が「愛の古巣」と云うタイトルで歌いました。ミネ盤は二番構成のアレンジで、イントロからノリノリなスティール・ギターでスタート。サビのメロディを一番分奏でた後で歌になり、甘ったるい巻き舌で艶めかしい喉を聴かせます。バックではオブリガートとしてクラリネットが現れ、脇で囁くようにスィング。間奏での透き通る様なアルトサックスも聴き物で、何処となく南国の月夜を思わせます。当時のミネは27歳、バタ臭い歌唱に加えて、破天荒かつジゴロな彼は、所謂”ちょい悪オヤジ“の始祖でした。裏面は同じ顔触れの「カリオカ」で、レコードは昭和10年秋に発売されています😀。

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