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若き巴里の恋 (西百合江)。

今日は遠く235年前、フランス革命が起きた記念日です。ルイ16世の治世、財政難や生活苦に喘ぐフランス国民らは遂に一斉蜂起し、王朝は倒されました。そして翌年に7月14日は永遠の記念日として制定され、長く今日に至るのです。時が流れた1932年、フランスで一本の映画が制作されまして、そのタイトルは「7月14日」。巨匠ルネ・クレールがメガホンを取り、出演はアナベラ、ジョルジュ・リゴワ、レエモン・コルディ等。パリの下町に暮らすタクシー運転手の青年と、花売り娘が主人公で、互いに想い合っているのに素直になれないと云う、今のラブコメアニメの様な甘酸っぱい物語です。本作は東和商事が輸入し、翌年日本公開されるに当たって「巴里祭」と云う、実に分かり易い邦題が付くのですが、これが功を奏して映画と主題歌は人々に普及して行くのでした🎬。

主題歌「若き巴里の恋」は大木惇夫作詞、モーリス・ジュベック作曲とありますが、正しくはモーリス・ジョベール。編曲者は未記載ですが、紙恭輔の可能性が高いと思われます。優美で格調高い三拍子のワルツで、映画公開と同時にリス・ゴーティのレコードも出ており、日仏双方でヒット。今でもコンビニやカフェ店のBGMとして時折耳にする事もあり、末長く愛されている事が窺えます。西百合江は声楽系のソプラノ歌手で、ギター、アコーディオンなどの伴奏をバックに美しい歌声を響かせます。此の歌がデビュー曲でしたが、レコードは二枚四曲を出しただけで詳細は分かりません。映画の題名が影響してか、以降のカバー盤は殆ど「巴里祭」となっており、此の後は淡谷のり子や三根耕一も吹き込みました。裏面も西の歌う「薔薇の歌」(love less love)が組まれております😀。

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