見出し画像

忠臣蔵 (青山伸)。

今日は大石内蔵助率いる四十七士による吉良邸討ち入りが行われた、赤穂事件の日。所謂“忠臣蔵”の日です。と云う事で今夜は青山伸の歌う「忠臣蔵」を。杵淵一郎作詞、大久保徳二郎作曲です。遠く元禄の昔、1703年の12月14日の晩、主君たる浅野内匠頭を堂々と罵倒して刃傷沙汰へと至らせ、そして切腹へと追い込んだ吉良上野介を討ち取り、その後帰路にて勝鬨をあげるシーンは映画でもお馴染みです。亡き主君の無念を晴らすと云うテーマは日本人の琴線を刺激し、そしてその物語は様々な脚色を経て今日に受け継がれ、無論歌謡化も多くなされました。既に池上利夫の「忠臣蔵の歌」や上原敏の「赤垣源蔵の歌」等が出ており、また戦後は歌謡浪曲「刃傷松の廊下」と云うのも書かれています。また映画では、片岡千恵蔵扮する大石内蔵助を御記憶の方も多い事でしょう🎬。

さて此の「忠臣蔵」では、仇討ちを吉良側に気取られぬように、日夜祇園で遊び尽くす大石内蔵助の臥薪嘗胆の姿を描いていて、前後間奏には舞妓さん達を模した華やかな女性コーラスと、三味線に鐘や太鼓が奏でる絢爛な御囃子が入ります。無念を噛み締める大石内蔵助の心情を、若き歌手青山伸は上手く歌っています。彼は大正4年生まれで福島県の出身。東海林太郎ばりの良い歌声を持った期待の新人であり、24歳の時に映画主題歌の「女性の罠」でデビュー。10曲以上をテイチクに残したのですが、殆ど話題にならないまま専属期間が過ぎると姿を消してしまいました。作曲はバンドマンから転じた大久保徳二郎で、モダンな楽曲が多い彼にしては和風で渋い一曲です。A面には鶴田六郎と美ち奴の歌う「義士伝小唄」が組まれており、レコードは昭和15年暮れに発売されました😀。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?