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五月行進曲 (島廻家勝丸・他)。

ゴールデン・ウィークもたけなわ、今夜も季節関連のレコに関して。これは島廻家勝丸、木下華聲、飯島房子の三人による朗読劇「五月行進曲」で、松井水星原作・脚本で、稲葉与四郎編曲。ジャンルとしては“子供レビュー”とあり、五月の風景が歌と語りで描かれていきます。当時子供向けのレコードとして、日常の物事や四季折々の行事を音楽を交えて綴った演目が盛んに録音されました。専属の童謡歌手や児童劇団等にその手の仕事が振られましたが、時に演芸系の人も参加してカタログを賑わせています。その中には浅草の舞台や無声映画の世界で活躍した人も多くおり、今や貴重な記録と言っても過言ではありません。当演目に参加している島廻家勝丸は紙芝居劇のレコードで活躍し、戦後も演芸番組で活躍。木下華聲は声帯模写を得意とし、後に雑音ブラザーズを結成しています🎼。

「五月行進曲」はそれぞれ頭に「第一景、第二景…」と勝丸の台詞が入り、両面合わせて9景まで収められています。第一景では弦楽をバックに“けたたましい”鶏鳴、そして「森の鍛冶屋」がひとくさり奏でられます。続く第二景は御節句として、五月人形同士の会話。人形の鍾馗と加藤清正が何気ない話をしてる所に金太郎が出てきます。三景ではお祭りの光景が奏でられ、ワッショイの掛け声と太鼓と笛の気持ち良い音。続いて「紺碧の空」のサウンドをバックに野球中継…と続きます。裏面では、相撲のハッケヨイ、ハイキング、動物園見物、日本海海戦の語りと来て、ラストの童謡「靴が鳴る」では伴奏がジャズっぽくなりリズミカルなタップで締めました。配役は大人の役が島廻家、子供の役が飯島、各章の動物の鳴声が木下と言ったところでしょうか。中々聞いていて飽きない一枚でした😀。

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