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日活オンパレードの歌 (徳山璉)。

徳山璉と合唱団の歌う「日活オンパレードの歌」。柴山晴美作詞、足利龍之助作曲で、同名日活映画の主題歌として書かれています。此の映画は阿部豊監督によるプロモーション的な作品の様で、辻吉郎監督や片岡千恵蔵など専属スター達が挨拶代わりに次々に紹介されると云う、同社太秦撮影所にて製作された30分程度の極短編フィルムでした。紹介と言ってもまだ無声映画なので、上映中は銀幕の袖で弁士が口真似をしながら「ワタクシが片岡千恵蔵であります」等と客席に向かって喋っていたのでしょうか。今に思えばとてもシュールな光景ですが、其れが当時の映画鑑賞の醍醐味であり、同時に一つの美でもありました。恐らくフィルムは残っていないと思われますが、スチール画像を見ると出演者らがグローブを手にして球場で並んでいたりで、内容等大いに気になった次第です🎬。

主題歌「日活オンパレードの歌」は両面に渡って録音されており、A面は濱村陽子が吹き込み、B面を徳山璉が担当しました。作詞者の柴山晴美は殆ど聞かない人ですが、同時期に柴山みすゞと云う若き女流詩人がおりまして、その筆名が柴山晴美だったとの事。何冊か詩集を出すも若くして亡くなったそうです。作曲の足利龍之助は橋本國彦の変名で、主に流行歌を書く際に用いました。オペラのハイライトシーンに流れる様なシリアスでカッコいいメロディ、チャンバラ風の勢いあるイントロ、続くワンコーラス分の前奏に現れるトランペットもクールであり、徳山璉の初期のレパートリーでも印象的な歌となりました。♬ラララ…日活はシネマの王者!とサビで決めている辺り、松竹の「蒲田行進曲」への対抗心も感じられますね。レコードは映画公開直後、昭和6年初頭に発売されました😀。

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