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君恋いギター (白根一男)。

白根一男の歌、そして自ら作曲した「君恋いギター」。島田磐也作詞、宮脇春夫編曲です。白根は昭和12年に栃木県に生まれまして、高校生の時、新人歌手コンクールで優勝してテイチクレコードの専属となり、デビュー曲は昭和28年に出た「夜霧の酒場」でした。線の細い感じの歌声で人気を得て、また女性ウケもよく、股旅歌謡の「次男坊鴉」や「面影いずこ」がヒットしました。この「君恋いギター」もその中の一曲で、感傷的かつドラマチックな台詞が入っております。伴奏はギター、アコーディオン、トランペット、ベース、ピアノ、シンバル、バイオリン等から成るフルバンドで、白根は何処かねっとりとした影のある歌声でマイクに向かいました。テイチクならではの泥臭い歌、感じからして映画主題歌と思ってましたが、ラベルには未記載である為か違うようです🎼。

私が此の歌を初めて聴いたのは16歳の時で、NHKラジオの「私の歌日記」だったのを記憶しています。此の番組では同じ曲を何度か流しており、此の歌も三回ばかり流れていました。当時はCDも持っておらず、しばしば色々な歌をテープに録っては覚え、恥ずかしながら迷惑を顧みず風呂場で歌っていたものですが、流石に台詞入りの歌を吟ずるのには抵抗感があったのか、此の歌は口ずさんだ事がありません。それにしても「君恋いギター」と云う題名ながら、あまりギターがテーマになっている感が無いのは気のせいかしら。一説では白根自身の経験が歌のテーマにあるとも言われており、そう考えると間奏での悲しみに溢れた台詞は、彼がずっと心に潜めていた思いの発露なのかも知れません。裏も同じ白根の歌う「五分前」で、レコードは昭和31年初夏に発売されました😀。


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