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ラブ・パレード“擲弾兵行進曲” (淡谷のり子他)。

淡谷のり子と合唱団が歌う「ラブ・パレード」(擲弾兵行進曲)。佐藤八郎作詞、井田一郎編曲で、作詞者は言うまでもなくサトウ・ハチローの事です。この奔放で独創的な詩人は当時まだ27歳、先ずは流行歌のジャンルで創作活動を始めました。歌う淡谷のり子もデビューして数ヶ月であり、それまでは声楽で鍛えた喉を、当時は『軽薄下劣』とさえ言われた流行歌の世界で発揮する事に。双方共に大変息の長い活躍をする事になると、此の当時は誰が予想した事でしょう。さて此処で述べる「ラブ・パレード」はフランス出身で、一時期はアメリカでも活躍した俳優のモーリス・シュバリエ(1888〜1972)が、渡米して撮った同名パラマウント映画の主題歌です。エルンスト・ルビッチ監督で、共演はジャネット・マクドナルド。彼女によるビクター盤が日本でも発売されています🎼。

淡谷のり子による日本盤は、オリジナル盤をなぞったアレンジであり、きちんとヴァース(前歌)から入っております。トランペットやドラムの奏でる勇壮な前奏、途中から男性の声が入りますが、一部資料では毛利幸尚とも言われております。ジャネットのキレキレなソプラノよりもソフトながら、当時23歳の淡谷のり子の拡張高い歌唱は本場に負けない勢いでした。マーチテンポの颯爽したメロディ、全く「サンダーバード」のテーマの様なカッコいい歌です。私が此の歌を聴いたのは、TBSラジオで声優の野沢那智(故人)がDJを務めていた「昭和歌謡史」と云う番組でした。平成2年だったと思いますが、もちろん淡谷もゲスト出演して、当時の思い出を独特の喋りで語っておられたのを記憶しています。裏面も同じく彼女が歌う「ラブ・パレード」で、昭和5年の発売でした😀。

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