見出し画像

リオ・リタ (奥田良三)。

奥田良三の歌う「リオ・リタ」。伊庭孝作詞、井田一郎編曲で、原曲はハリー・ティファニーの書いた同名アメリカ映画の主題歌です。本作は元々ガイ・ボルトン原作の戯曲であり、これを1929年にルーサー・リード監督、ベーベー・ダニエルズ&ジョン・ポールズ主演で映画化。物語は19世紀、アメリカ・メキシコ国境に位置するリオ・グランデを舞台にしており、付近を荒らし回る盗賊の親玉キンカジュウとその一味を追う若き保安官との捕物劇に、リオ・リタと呼ばれる街一番の美人とのロマンスを絡ませた娯楽大作でした。間を置かずして日本でも公開され、早速主題歌のレコードや楽譜が輸入されると、日本語カバー盤が制作される運びとなります。まずコロムビアからは二村定一や川崎豊が歌い、他社よりも後発のポリドールからは新人テナーの奥田良三が歌う事になりました🎼。

奥田盤の「リオ・リタ」は、当時出た洋盤同様にワンコーラスあるのみで、メインのパートを3回繰り返して真ん中にのみ歌が入ると云う構成です。井田一郎指揮のポリドール・ジャズバンドは、トランペット、シンバル、サックスなどに加えて鋭角な響きのスティール・ギターが大活躍するのですが、これを弾いているのが立教大の軟派学生で、各地のダンスホールに出没していた三根徳一=ディック・ミネでした。奥田良三は声楽畑であり、ビクターで数曲入れた後にポリドールへ入社。専属歌手になる事を条件に欧州への留学も果たし、他「サ・セ・パリ」「ブルースカイ」等を録音しています。さてこの「リオ・リタ」ですが、どうも80回転で行われた様で、78回転で再生すると些か鈍重に聞こえます。裏面の「アフガニスタン」(青木晴子)はそのまま再生してもOKなのですが…😅。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?