歴史ガチバトル!「れきしことばパフォーマンス2018」

12月15日、レキシズル最大のイベント
「れきしことばパフォーマンス2018」
に参加してきました。

選ばれし歴士6人(今年は全員男!) による、
歴史ガチバトル!

「歴史のM1グランプリ」
と言った人がいるそうだけど、
投票するこっちも、上沼恵美子の気分だよ。

本当にレベルが高くて、迷う迷う。
その中でも、人を引き込む話力と勢い、
どうしてもこの男のプレゼンが
一番強く心に残る。

その名は公望(きんもち)
西園寺公望が好きだから公望。
「れきしことはパフォーマンス2018」
”準”優勝

1回戦で彼が取り上げたのは
「ナポレオン・ボナパルト」
いわずと知れたボナ様。

「すったもんだあって皇帝になって、
すったもんだあって島流しにあって、
そこで死んだ」
って、どんだけはしょるねん。

ナポレオンって、実はイタリア人で、
当時のフランスの中では差別される
マイノリティーで、背が低くて
コンプレックスの塊。

そんな彼が生涯愛した女性がジョセフィーヌ。
子供ができないという理由で離婚したのに、
そのあとも愛し続けた。

コンプレックスが強くて、愛を欲し続けた男。
そんな男にシンパシーを感じている公望、
君の心の中を少し見てしまった気がしたよ。

そして決勝は「イスラム教」・・・
って、君それ、何分でやるつもり?
壮大すぎてテーマだけで笑ってしまったよ。

公望は史学科卒。
史学科を選んだのは「歴史を知れば、
今世界で起きていることが正確にわかるから」
それをみんなにも知ってほしいんだって。
君は池上彰か。

「イスラム教の誤解を解きたい」
とも彼は言った。

はちゃめちゃで、ポップに語りながら、
歴史を語る意味、知る意味を
伝えようとするところ、嫌いじゃないよ。
実は投票しなかったけどね。

でも、優勝したら来年は出なかった
ってことなので、
また来年の公望を見られるかと思うと、
楽しみが増えた。

そして、30対25で公望を制して優勝したのは
くどはん。
れきしことば2017年王者。
さすがのプレゼンでした。

TERAKOYAの先生では最年少で、
つい最近まで藤井聡太的な立ち位置だったのに、
平成元年生まれ達が彗星の如く現れて、
いつの間にか追われる立場の
羽生名人になってしまったような
彼のプレッシャーはいかばかりか。
その中での連勝はすごい。

1回戦は、東京メトロの前身を作った
「早川徳次」
100年前に、日本にはクモの巣のように
地下鉄が張り巡らされると予言した。

決勝は「郡司成忠」
日露戦争の前にロシアの脅威を察知、
海軍の有志100人とともにボートで北の果て、
占守島(しゅむしゅとう)に向かった無謀な男。

この男がいたからこそ、
のちに太平洋戦争後のソ連の侵攻に
耐えることができた。
もし簡単に占守島がソ連に取られていたら、
今、北海道はロシア領だったかもしれない。

日本史に強い彼のプレゼンを聞くと、
今の日本がどうしてこの形になったのかが
よくわかる。

そのくどはんを師匠と仰ぐのが、
平成元年生まれの一人、会津くん。
テーマは「レオナルド・ダ・ヴィンチ」

ダヴィンチって、マルチな天才と思ってたけど、
本当は追求しすぎるオタクで、
先見の明がありすぎて理解されず、
ものすごく生きるのに不器用な人だとわかった。

会津くんの語りは、
偉人を身近な人に感じさせてくれる。

最年少の出場者は、よしみつくん。
最年少なのに、
昭和の歴史オタクの香りしまくり。
レキバーでの会話は、
暑苦しい歴史オタクなのに、
プレゼンになると、抜群におもしろい。

よしみつくん、おもしろかった、すごく。
でもマニアックな人物すぎて、
名前、忘れちゃったよ。
ドラクエとかファイナルファンタジー
の原型となった
なんとか神話についても、
また教えて下さい。

満を持しての登場は、
レキシズルのヒクソングレイシー
またの名をレキシズルの森本レオ
きちえもん先生。

あいかわらず、ずるい。
テーマと語りで
開始10秒で涙をこらえるに必死だった。

「佐久間修」
東京美術学校卒業後
郷里の熊本で中学校の美術教師となる。
軍需工場にて空襲に遭い、爆死。
享年29歳。

戦没画家という重いテーマを、
家族の温かい物語として
じんわりとした気持ちにさせてくれる
プレゼンターは、
きちえもん先生を置いて他にないと
思わせてくれました。

1回戦、最後の登場は宇内くん。
なんと、きちえもん先生と同じ、
戦没画家というテーマ。
人物は違えど、
本当に、本当にやりにくかったと思う。

でも宇内くんのおかげで、
昨日の参加者の急上昇検索キーワードは
「無言館」になることは間違いないよ。

「日高安典」
出征の朝まで描き続けて
未完で終わった「裸婦」

日高さんとモデルの女性に想いを馳せ、
きっと無言館に観に行きます。

きちえもん先生と同じテーマになったことで、
思ったことがある。
はちゃめちゃやってやるぜ!の公望と
好きな人を好きー!って語る会津くん

その中にあって、
もう一人の平成元年生まれプレゼンター
宇内くんは
「語りで聴かせるポストきちえもん先生」
になる予感がした。

この予感は、ぜんぜん外れていいんだけど、
それだけ期待が高まったってことで
受け取ってもらえればと。

ただおもしろいってだけで
投票できなくなっているところ、
ほんと、本家M1に負けないバトル感。
言い尽くせない面白さがあった。

レキシズルはこのイベントに向けての
一年間なんだって、実感できたよ。

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