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天地開闢から2020年まで!「90分でわかる中国の歴史TERAKOYA」(2020.7.18)

今回のプレゼンターは、若き歴史モンスター公望先生。
ロシア、アメリカ、フランスに続く「90分で世界の歴史」シリーズ第4弾。

近くて遠い国、中国。なぜ私たちはこんなにも理解できないのか、
その謎が解けた90分でした。

中国といえば”中国四千年”が有名だけど、
実は、中華三昧のキャッチコピー「中国四千年の味」から刷り込まれたもので、中国もそれにのっかるという真っ赤な嘘。

中国=中華人民共和国だとすると、70年ほどの歴史なのだ。

日本は古墳時代、奈良時代など時代は変われど、ずっと日本。
中国は秦、明、清など、まるごと国が変わっていて、
異民族に征服された時代も長い。

◼︎謎に包まれた中国古代史 その正体
なんと天地開闢(てんちかいびゃく)から
「三皇五帝時代(3人の皇、5人の帝)」という、
ほぼ神話の世界からスタート。

アダムとイブみたいな伏犠&女媧(ふっき&じょか)が、
せやっ!と世界を作った後に
三皇(たぶん人じゃない)と五帝(たぶん人)という伝説の王たちが登場。三皇は神農、五帝は黄帝が代表的な人物だ。

黄帝登場後、中国の歴史は
彼が化け物を次々と倒していくモンスタークエストが続く。

※ゆるキャラっぽい化け物なんかも(刑天)↓

刑天

そのあとに登場するのが禹(う)
五帝最後の王に後を託された人物だ。

彼が建てたのが「夏(か)王朝」
とはいえ、黄河流域のごく一部、北朝鮮くらいの面積で国というより村。

それからの中国の歴史は、お得意のパターン、
人と国を入れ替えただけのコピペ形式が続く。

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そんなこんなでできたのが「周」
夏よりは広いけど、まだ村レベル。

で、この周もなんか色々あってダメになったのだが、
とどめを刺したのが”奴ら”の襲撃。

その名も「犬戎(けんじゅう)」
キングダムでバジオウをボコボコにした北の異民族だ。

正体は、なんとトルコ。

中国を攻める異民族はざっくり、モンゴルかトルコか満州族という
当時の最強集団、騎馬&遊牧民族。
現在は内モンゴル自治区(モンゴルの半分)、
新疆ウイグル自治区(トルコ)、中国東北3省(満州族)が組み込まれ、
巨大中国を形づくっている。

◼︎「キングダム」から、みんな大好き「三国志」まで
そしてキングダムの世界「春秋戦国」に突入、
統一したのは秦の始皇帝。
皇帝は三皇五帝からの造語でキングオブキングという意味。

彼が作った”やべー奴対策のバリケード”が万里の長城だ。

で、秦もなんか色々あってダメになり「項羽と劉邦」が登場。
で、劉邦が勝利し「漢」が成立。
で、やっぱり漢も色々あってダメになったわけだが、
その原因を作ったのが”宦官(かんがん)”
後宮(大奥みたいなとこ)に仕える全切除モンスター。
男性ホルモンがおかしなことになると、権力欲が異常になるのか、
腐敗の元凶となる。

さて、次に登場するのが、みんな大好き「三国志」の時代。
三国志演義という小説では劉備が英雄、曹操は悪人に描かれているが
魏の曹操が一番まとも
呉の孫権は海賊で酒乱
蜀の劉備は山のヤクザでインテリヤクザの諸葛孔明を死ぬまでこき使う
というのが実態。

じゃあ誰が勝利したのかというと、
魏に仕えていた司馬炎が裏切って「晋」を建国し統一するという
誰でもないんかいっ!というオチ。

この時代、戦争だけでなく、
農業する人いない&元々痩せた土地&黄河の氾濫で餓死者続出、
人口が8分の1(6000万→680万)になるというヤバい状況に。
その結果、中国は「人の死に慣れてる」という特徴を持つようになる。

◼︎次から次へと異民族が襲来!
ようやく晋が統一したかと思いきや、内乱に次ぐ内乱で彼らは忘れていた、
”奴ら”の恐怖を・・・

そう、進撃の遊牧民、襲来!!!!
「五胡十六国時代」という5つの民族が16の国をつくる時代に突入、
漢民族は南に追いやられる。

そして鮮卑(せんぴ)=モンゴルが統一したのが「隋」

で、すったもんだあって500年後(!!)
内乱を統一したのが「宋」。

しかし宋は弱く、やっぱり壁を越えて北の遼(契丹)や金(きん)が襲来!
どうする宋!!

「そうだ、お金で解決しよう!」
となんとかしのぐうちに、さらに北からとんでもない化け物が襲来!

それがモンゴル=「元」
元は何かあったら壁を越えてすぐ帰られるよう、
首都を北の北京に移し、その後の国も使用した紫禁城を造った。

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次に漢民族の「明」ができたが、
満州族の”後金”(=金のシーズン2)のヌルハチ大先生が襲撃し、
「清」を建国。

この時代にチベット、内モンゴルを征服し、
現在の国土と同じくらいになる。

清を象徴するのが辮髪(べんぱつ)、ラーメンマンの髪型だ。
旗袍(チーパオ=キョンシーの服)、チャイナドレスも同様なので、
中国のイメージは満州族のものなのだ。

ちなみにチャイナドレスのスリットはエロさではなく、
馬に乗りやすくするためだそうだ。

◼︎漢民族の現代中国へ
さて、もうお気づきかと思うが、
漢民族は異民族にかなりボコボコにされている。

そのため、強くなるためには独自の武器を手に入れることが必須。
フランスは外交、ロシアは”力”、そして中国が手に入れたのが
「嘘と歴史改ざん」という武器だ。

時は流れ19世紀、帝国主義=殴ったもん勝ちの世界。
この時代のジャイアンであるイギリスは教科書でおなじみ、
三角貿易によって、清の人口の4割をアヘン漬けにしていく。

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総理大臣級の役人が「阿片禁止!」と命じるも
イギリスが「アヘン吸わないと殴るよ!」と始まったのが阿片戦争。

様々な国にやられ放題になった満州族の清に対し、
「滅満興漢」漢民族よ立ち上がれ!というスローガンの元、
革命を起こしたのが孫文、あとを継いだのが蒋介石だ。

天下一武道会並みの国内闘争に国民党・蒋介石が勝利、
ようやく平和が訪れたかと思いきや
共産主義(=世界中の金持ち殺さない?♪)という思想の
中国共産党・毛沢東が登場。

第二次世界大戦で一度は手を結ぶものの、戦後、内戦勃発。
中国共産党が勝利し「中華人民共和国」が誕生する。

しかし、冷戦時代にライバル・イギリスを倒そうと製鉄に手を出すも失敗。
国中の木を伐採したために、ハゲ山だらけで農村は壊滅、餓死者続出。
それなのに「文化大革命」を実行し、一億人を殺戮。

毛沢東はヒトラーでさえ足元に及ばない、ぶっちぎりの一位で
世界一、人を殺した男なのだ。

粛清の雨あられ、権力闘争を勝ち抜いたのが鄧小平で、
彼によって「経済は自由主義、政治は共産党一党独裁」という、
毛沢東もびっくりの今の中国が作られた。
鄧小平の愛弟子が習近平だ。

中国の特徴と武器をまとめると
・人の命が軽い
・嘘と歴史改ざん、そして
・金

世の中を賑わせている新型ウイルスは
中国の生物兵器?なんて噂が流れていたが、
そんなタイミングでの中国の歴史TERAKOYA。
(ちなみに前回のフランスの時はゴーン問題勃発してた頃)

その昔、眠れる獅子といわれた中国。
実は今の今まで眠っていて、これから目を覚ますのかも・・・
という意味深な言葉で締められた。

天地開闢から2020年まで、あっという間の90分。
近くて遠い国、中国のメンタリティと付き合うためには
同じ土俵で戦うというより、
日本らしさとは何かをもっと追求しないといけないのかも。

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