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【主婦勉!】浮世絵を知りたい~鈴木春信・カラーの誕生編~


緊急事態宣言が出されてしまいましたが
あけましておめでとうございます。

いろいろ思うことたくさんあるし、
周りの友達が職を失ったり、
本職から出向させられたりしていて
じわりじわりとその影響を感じている。

どうか2021年は
少しでも早くコロナが収束し、
自分含めて少しでもみんなが
穏やかに暮らせる年になって欲しいと
心から願っている。

自分の趣味の変遷を書き残そうと
昨年から始めたnoteだけれど、
最初の守護聖人から考えると、
今は浮世絵と、
思えば遠くへ来たもんだ。

調べに調べた2020年後半は、
コロナ禍で塞ぎがちな気持ちも、
少し紛れていたように思う。

今年は、
自分の興味がどこに飛んで、
何を知ることになるのか
今から楽しみでもある。

というわけで引き続き浮世絵です。

年始一発目に相応しく?
浮世絵もついに錦絵の誕生

これはつまりどういうことかと言うと
モノクロテレビから
ついにカラーテレビが登場した、
みたいな衝撃なわけで。

細かく言うと、
丹絵や紅絵などの手彩色や
紅摺絵という色版画もあったので
白黒が突然カラーに、
と言うわけでもないんだけれど、

発色やら色数やらがもう全然違うので、
ここはもうそういう表現で良いのではと
個人的には思っている。

というわけで、
錦絵誕生でスターにのぼりつめた
鈴木春信から調べていこう。

鈴木春信の出自などは
よくわかっていない。
1725年生まれとも言われているが
定かではない。

今の千代田区鍛冶屋町あたりで
家主をやっていて裕福な家だったらしい。

近所には平賀源内が住んでいたそうで、
友人として親しくしていた上に、
錦絵の大ブームの発端となった
"絵暦交換会"は、
平賀源内も1枚噛んでいたという話もある。

当時、今で言う
"絵付きカレンダー"のようなものである
”絵暦”を、
年明けのご挨拶に配る慣わしが
江戸の趣味人たちの間で
流行っていたそうなんだが、

毎年趣向を凝らしているうちに、
そのうち自費で出版する人なんかも現れて、
みんな競うようして交換会でその絵暦を
配るようになっていった。

時はちょうど
9代将軍徳川家重の治世。

この頃は、あの”賄賂”で有名な
老中 田沼意次が、
それまでのコメ中心の経済政策から
商業中心の経済政策に方向転換し、
経済が沸きに沸いて
空前のバブル期が到来していた
イケイケドンドンの時期である。

とにかく金持ちはみんな
お金が有り余ってるんで
もう見栄というか、
プライドをかけて凝りまくるわけで、
少しでも鮮やかにしたい、
少しでもみんなを驚かせたいつって、
お金あるだけかけまくって
頑張ってその絵暦を作ったのだ。

今のインスタの盛りなんかを思い起こさせるが、
いつの時代もそういう
ちょっと見栄張りたいとか
ちょっと他よりよく見せたいとかいう思いが
文化や技術を豊かにしていくんだな笑

そんな中で
「見当」という技法が発明されたりして
多色刷りが可能になり、
(詳細はすみません、
大事なとこですけど省きます!)、

そのうち絵暦の"絵"の方が
注目されはじめ、
絵暦から暦部分が削られて
一般用に売りだされたことにより
錦絵が誕生したのだ。

春信はこのような環境の中で
絵師として腕磨き、
次第に文化人たちに見出され、
その才能を開花させていったのである。

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※よく見ると洗濯された着物に
実は暦が描かれている。

彼の作品以前、
浮世絵といえば美人画や役者絵が
ほぼ主流だったのが
そのうち日常風景なんかも
描かれるようになり、
春信もそういった日常の何気ない瞬間を
多く描いている。

美人画もそれまでは遊郭のスターなどが
描かれていたのが、
町で評判の美人町娘、みたいな人も
描かれるようになり、
特に春信が描いた水茶屋”鍵屋”の「お仙」は
飛ぶように売れ、
ますます浮世絵は庶民にも愛される
アイテムになっていくのである。

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彼の描く美人画は、
どれもかなり線が細く、
中性的なことが特徴。

また”見立て絵”を得意とし、
絵の中にさまざまな仕掛けを施していることも
特徴の一つだろう。

絵の中に描かれている人物や背景、
小物などの意味を読み解くと
歴史上の出来事や故事、古典等に
由来していることがわかる暗号のようなものだ。

文学に関しても深い造詣があったからこそ
春信はこのような見立て絵でも
文化人から支持されたのだろう。

春信は趣味人のみならず
庶民からも絶大な人気を博したが、
そんな人気絶頂のさなか突然亡くなったそうだ。

喜多川歌麿や勝川春章などにも影響を与えた
錦絵誕生期の大スターであり、
浮世絵界の最重要人物の一人であり、
ここから浮世絵の黄金期が始まるのだ。


※あくまで何者でもないイチ主婦が
趣味で調べた程度の話なので、
情報の確度なんかはふんわりしてます。
ごめんなさい。

でも個人的に春信の絵は、
描かれる人物への優しさや愛情に
溢れていて、
見ていてとても愛おしい気持ちになります。
また知識やユーモアもたくさん詰まっていて
すごく好きな絵師です。
春画もたくさん描いてるよ!