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アフリカでのバンジージャンプ体験

2022年1月17日。
僕はこの地にやってきた。
ヴィクトリアの滝。
ザンビアとジンバブエの国境にある、世界三大瀑布の1つだ。

ヴィクトリアの滝

死ぬまでにやりたかったこと。
それは海外でのバンジージャンプ。
よく死にたい人がやるみたいな代名詞としても使われる「海外でのバンジージャンプ」
それもアメリカや香港ではなく、アフリカ。
ヴィクトリアの滝では、それができる。
アフリカでバンジージャンプやること自体人生でそう経験する人はいないだろう。でもやりたい。これはやるしかない。よしやろう。

そんなこんなでジンバブエにあるヴィクトリアフォールズ空港に着いた。ザンビアと両方いけるビザを手に入れ、ホテル(ドミトリー)までタクシーで向かう。

ヴィクトリア・フォールズ空港


ホテルにはツアーデスクがあり、アクティビティを見るとバンジージャンプの文字が。
やるなら早くやりたい。でもやはり怖い。
ツアーデスクを目にし、急にやりたくなくなってくる。このままやめたら平和にジンバブエから出れるんやろうな〜でもやらないと2億%後悔するよな〜みたいな葛藤は続いた。
最終的には、まあたぶん死ぬことはないやろ、と言い聞かせ、腹を括った。
そう心に決め、バンジージャンプのアクティビティを申し込んだ。いよいよ生死を懸けた決死のジャンプが始まる。
そしてホテルからタクシーでジンバブエとザンビアの国境へと向かう。見えてきた。あの橋だ。ここから飛び降りるんだな。

噂の橋

見ると、全く誰も飛んでいなかった。係員の黒人は暇そうにしている。中途半端に怖いアトラクションにはみんな並ぶが、本当にヤバいアトラクションは逆に人が並ばない。今日は僕が初めての客みたいだ。
前回のバンジージャンプはGW。読売ランドで飛んだ。しかし高さは30m程度。そこまで大したことない高さだ。
それに比べて今回は111m。通天閣よりちょっと高いくらいだ。つまり、通天閣の展望台から飛び降りるようなものだと思ったらいい。

通天閣の屋上


係員「君はバンジージャンプは初めてかい?」
僕「読売ランドで30mくらいのやつをやったことがあります」
係員「30m?それはバンジージャンプじゃなくてベイビージャンプだよ」
僕「紐が切れて落ちた人はいますか?」
係員「紐が切れるのは君が初めてだよ」

読売ランドのベイビージャンプ

などといったやりとりをしながら、さらに恐怖感を募らせていく。
そして係員からバンジージャンプの注意事項などの説明を受ける。誓約書も勿論全部英語だった。ただ英語を読み聞きする精神状態ではなかったため、よくわからないままとりあえずサインした。(頑張れよ)

事前にブログかなんかでこのバンジージャンプに関する記事を見た。(無断転載すみません)

過去に一度紐が切れているらしい。オーストラリアの女性が飛んだ時だ。この女性は奇跡的に助かったらしいが、もちろん切れることもある。
そして中々飛べなかったらスタッフが無理やり押します。つまり、お金を払えばもう飛ぶしかない。そしてお金を払い、ジャンプ台へ。

バンジージャンプ

ついに足に何か巻かれた。それは、震える足を抑えることはできたが、代わりに上半身を震えさせることになり、更に恐怖心を煽る。冷静に考えて固定するやつ少なすぎるでしょ。もうちょい安全とかないんか?
そして両足ジャンプしながら、先端へと向かう。これがもう怖い。落ちないように下を見ながら歩くんだけど、下は川。111m。この高さから落ちたら水面もコンクリのようにかとうなる。ただ今まで5万人くらいこのバンジージャンプをしてきて、切れたのは1人。(たぶん。)大丈夫。たぶん生きて帰れる。そう言い聞かせる。
ふと今まで楽しかった思い出が蘇る。友達とユニバ行った思い出、前の仕事でできた友達、予備校、大学、高校の頃の思い出など。これが走馬灯というやつか。初めて経験した。
そして先端へと辿り着いた。
カウントダウンが始まる。日本人だということを伝えると、日本語でカウントダウンしてくれた。5.4.3…カウントダウン早すぎやろ。年末年始のカウントダウンもっと遅いぞ。こんなに5秒って一瞬やったっけ。2.1、もう飛ぶしかない。人生で最も短い5秒だった。そして0を言い終わる前に、意を決して空中へとジャンプした。

いざジャンプ

そこから川へと一気に落ちていく。プテラノドンのように大空に舞った。徐々に川に近づいていく。物理計算したら最大時速は150kmを超える。落下までの時間は5秒とない。ただこの5秒。めちゃくちゃ長かった。カウントダウンと同じ時間のはずなのに、カウントダウンよりも5倍くらいの長さを感じた。
5秒後、紐が伸び切ったのか、一気に上へと跳ね上がる。この感覚がエグい。生きていたらそう味わえない。何もないはずなのに、紐の力だけですごいスピードで上昇する。バンジージャンプの1番楽しいところは落ちるところより上がっていくところかもしれない。そして上昇しきった段階で、一瞬空中でスピードが完全に0になる。体も完全に浮いている。この時の内臓浮く感じエグいですよね。その後は跳ね返り係数から、どんどん勢いが死んでいき、最終的に空中で宙吊りのままストップした。

こんな感じね

終われば係員の人がすぐさま降りてくる。そして、そのまま引き上げられた。この瞬間が本当に怖すぎる。読売ランドとかのバンジーなら、下がクッションなのでそのまま終了するが、ここはそうはいかない。何秒空中で宙吊りになるねん。早く上げてくれ〜。そう叫びながら、なんとか引き上げられた。無事に最後橋の上に着いたのだが、足の震えは止まらなかった。今まで恐怖を我慢してたのが、一気に溢れかえったように。
気がついたら、周りに観客も沢山いた。通りすがりの欧米人、地元の黒人、バンジーの係員など。拍手で称えられた。まるで英雄を出迎えるかのように。そこで初めてこのバンジージャンプを飛んだんだなという実感が湧いた。
読売ランドとはレベルが違った。係員がベイビージャンプと笑うのも納得である。

ただ、世界には更に高いバンジージャンプも存在する。1番高いので321m。ヴィクトリアの滝の約3倍。ちょっと頭おかしい。また、最近香港のマカオタワーからバンジージャンプした人が直後に死亡したという事故もあった。

マカオタワー

また僕自身思い出が走馬灯のように駆け巡ったりもしたので、バンジージャンプされる際は、みなさん体調が万全の状態で飛んでくださいね。
それでは次回の記事でお会いしましょう。

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