リターン　トゥー　フォーエバー(6)

半身(2]

部屋を出た僕は、外にいた数人の知り合いと話をする気分でもなかったので
ひとまずその場を離れた
一人、ハマと呼ばれる男が僕について来て
「公園で飲もうぜ」と言った

カップ酒を買い、近くの公園で飲んだ
兄弟分はスクーターの事故で死んだ
友人のところで飲み、普段は飲酒運転をしないはずだが
何故かその日は大丈夫と主張して帰ったという

そしてもう一つ普段と違う事があった
都内に住む彼が横浜に住む僕のところに1週間ほど前
急に遊びに来た事だ
二人で飲み、僕のところに泊まって翌日の昼にもビールを飲み
珍しく奢ってくれた

そして帰り際に
「兄弟」と言って拳を差し出した

今は考えられない、酔っていたい
「死んでないよな？」とハマが何度か言う
そうだ、死んでないんじゃないか、きっとそうだ
僕もそう思う
そして飲み、酔った

公園の隅には数人のホームレスがいた
僕は何故だか彼らにも飲んで欲しくなり酒を持って彼らに近づいた
彼らは怯えた表情で後ずさる、何故？
一瞬自分の中に暴力的な衝動が湧き上がる

「飲まないか？」
酒を渡そうとするとおずおずと手を出してくる
僕はすぐに背を向けてハマのところへ戻る
何を怖れる？死？痛み？そんなもの！
彼らの場所は僕の居場所ではない
そう思った